「健康食品」とは、栄養を補給し、健康の保持増進に資する食品として一般に販売・利用されているものを指します。
なお、国では健康食品を選ぶときの目安となるよう、特定の保健の用途や栄養成分機能の表示、特定の成分に関する機能性の表示を行うことができる「保健機能食品(次項参照)」の制度を設けています。
健康食品は、「保健機能食品」を除き、法令などにより定められているものはなく、医薬品のような効能・効果は認められていません。中には医薬品まがいの効能・効果をうたった食品がありますので注意が必要です。
![]() |
保健機能食品には、保健機能成分を含み、特定の保健の目的が期待できるとして国の許可を受けた「特定保健用食品」、国の基準に基づいてビタミンやミネラルなど特定の栄養成分を含む「栄養機能食品」、事業者の責任において科学的根拠に基づいた機能性を表示し、国に届け出られた「機能性表示食品」があります。
◇「特定保健用食品」
「血圧が高めの方に」、「お腹の調子を整える。」等の保健機能の表示が認められています。【例:はっ酵乳、清涼飲料水、ガム、食用調理油など】
◇「栄養機能食品」
「カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。」等の栄養機能の表示が認められています。【例:ビスケット、果汁飲料、サプリメント(錠剤)など】
◇「機能性表示食品」
「本品には食酢の主成分である酢酸が含まれます。酢酸には肥満気味の方の内臓脂肪を減少させる機能があることが報告されています。」等の食品中の特定の成分に関する機能性の表示が可能です。【黒酢、ブルベリーエキスなど】
【食品の分類】
医薬品は、人の疾病の診断、治療又は予防として使用されることを目的として、国によって人に対する有効性や安全性が審査され承認を受けたものが製造され販売されます。
また、医薬品メーカーには医薬品の製造時の品質確保と市販後の安全対策が義務付けられています。
なお、医薬品は、病院等で使用される医療用医薬品と薬局やドラッグストア等で販売される要指導医薬品及び一般用医薬品があります。
健康食品は、一般にさまざまな原材料が加工され、錠剤や飲料のような形態で販売されている食品で、スーパーやコンビニなど、どこでも販売できます。
健康食品は、医薬品成分を含む原材料は使用できません。
また、含まれる成分の基準は定められていませんし、市販後の安全対策の義務付けもありません。
なお、「健康補助食品」、「栄養補助食品」、「栄養強化食品」、「栄養調整食品」、「健康飲料」、「サプリメント」と表示されているものも健康食品です。
健康食品には、保健機能食品を含めてガンやその他の疾病の治療や予防を目的として科学的に認められた製品はありません。
専門家と称する人の話や「私はこれでガンを克服しました!」など使用者の体験談をたくみに利用して販売しようとする業者の虚偽誇大な広告にだまされてはいけません。
健康食品は食品のように安全と思われがちですが、過剰に摂取してアレルギー症状が発生したりお腹の調子が悪くなったケースや、医薬品を同時に服用していたために薬の効果が強まったり又は弱まったりする場合もありますので注意が必要です。
例
また、健康食品と称していながら、糖尿病治療に使用される医薬品成分が含まれていて低血糖症状を起こしたり、ダイエット食品に下剤や食欲抑制剤が含まれていたために下痢、腹痛、食欲不振症状が発生し、医療機関で治療が必要となった例があります。
◇個人輸入は自己責任! 最近では、インターネット等を通じて海外から健康食品を個人輸入して利用するケースも増えています。個人輸入した製品は、健康被害が発生しても個人の責任で対応しなければなりません。即ち、健康被害が生じても国の補償や救済はなく、治療も全て実費となる可能性がありますので注意 が必要です。
写真左は「天天素」:食欲抑制剤や下剤成分を検出
写真中は「威哥王(ウェイカワン)」:勃起不全治療薬を検出
写真右は「六宝仙」:ステロイド剤を検出
健康食品は、食品と呼ばれていてもいつも安全であるとは限りません。安全性を第一と考え、次の場合は、かかりつけの医師や薬剤師に相談し、十分に注意して使用してください。
◇ 医薬品を服用しているとき医薬品との相互作用などにより思わぬ健康被害が発生する場合があります。
◇ 医師の治療を受けているとき
薬の効果が弱まったり、手術の際に出血が止まらなくなる場合など悪影響を及ぼす場合があります。
◇ 複数の健康食品を併用するとき特定の成分が重複し過剰摂取となって、思わぬ健康被害が発生する場合があります。
健康食品を使用しているときに、もし体調に異常を感じたときは、まず摂取を止めてください。
必要であれば、かかりつけの医療機関へ受診してください。
最寄の県保健所・支所窓口 (PDFファイル)(57KB)及び広島市、呉市、福山市各市保健所でも相談に応じています。
健康食品の返品等に関するトラブルの相談は、県内の消費生活センターで応じています。
健康食品は、誰でも自由に利用できる食品です。
利用するときは次のことに注意して、健康被害にあわないようにしましょう。
◇ 自分の食生活に本当に必要なものかどうか。
◇ 安全性が第一であること。製品広告などは信頼できるものかどうか。
◇ 効くかもしれないと安易な利用は控えること。
◇ 必要なら専門家のアドバイスを受けること。
私たちの健康の保持、増進のためには、まず、日常の食生活をバランスのとれた健全なものにすることが必要です。
あなたの食生活はいかがでしょうか。健康食品を利用する前に毎日の食生活を見直すことからはじめましょう。
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
平成18年3月
広島県地域保健対策協議会・健康食品の正しい知識の普及に関する特別委員会
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)