意見書(米の戸別所得補償制度の見直し等を求める意見書)平成23年2月定例会
発議第4号
意見書
米の戸別所得補償制度の見直し等を求める意見書
農林水産省が1月26日に発表した2010年産米の12月の相対取引価格は、全銘柄平均で60キログラム当たり12,711円であり、前月からわずかに持ち直したものの、前年同月比86%で2,043円も安く、底値が見えない米価下落に農業者は大きな不安を抱えている。米価下落の大きな要因は、戸別所得補償制度そのものが米価下落を誘発する性格を内包していることである。米農家が戸別所得補償を受けた分だけ業者から値下げを迫られているケースもあり、生産現場に混乱を招いている。政府は、昨年末になり、ようやく集荷円滑化対策基金を活用した過剰米約13万トンを飼料米として処理し、主食用米の市場から隔離することを決めた。しかし、これだけでは一過性の対策にすぎず、今年度実施した米の戸別所得補償モデル事業をしっかり検証することなく本格実施に移行すれば、農業者にさらなる不安と混乱を招くことになりかねない。よって、国におかれては、農業者の不安を取り除き、農業経営安定を図るため、次の事項について実現を強く要望する。
- 2010年度の米の戸別所得補償モデル事業を検証し、検証結果を早急に示すこと。
- 想定を上回る米価下落時に支払われる変動部分を全国一律から、地域ごとに補償するなどの柔軟な制度に改めること。
- 農業・農村の多面的機能を評価する直接支払を充実するとともに、生産者の手取りをふやす新しいビジネスモデルの研究を行うこと。
- 農村の生活環境の改善、農地の保全や基盤整備、かんがい排水施設や道路などのインフラ整備を早急に実施・促進すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成23年3月8日