意見書(「協同出資・協同経営で働く協同組合法(仮称)」の制定を求める意見書)
発議第10号
意見書
「協同出資・協同経営で働く協同組合法(仮称)」の制定を求める意見書
急速な少子高齢化社会の訪れや、世界同時不況による景気状況悪化の中、失業者や未就職者、障害者などの雇用の受け皿がなく、既存の法人だけでは雇用機会を確保できなくなっている。
こうした中、地域に必要なサービスを協同出資・協同経営により事業化し、地域の課題を地域住民自身が解決するという新たな働き方が注目されている。既にEU(欧州連合)では、このような働く人が出資者、経営者を兼ねられる協同組合が法制化され、現在百万人以上の若者や障害者、高齢者など幅広い人材が就労しており、主に福祉、環境整備、子育て支援などの事業に従事している。
しかしながら、日本では3万人を超える従事者がいると言われているにもかかわらず、法律が未整備であり、法人格が持てないことから、事務所の土地や建物を登記できず、金融機関から借り入れができないなど、不安定な状態にある。このため、NPO法人などとして活動せざるを得ないのが現状であるが、これでは協同出資・協同経営は実現されず、自発的な就労創出の促進を図ることができない。
この法案が制定されることにより、経済の活性化だけでなく、未就職の新規学卒者や未就労の若者、障害者や高齢者などがみずから就労の機会をつくり出し、新たな生きがい創出につながるものと期待される。
よって、国におかれては、このような社会の実情を踏まえ、「協同出資・協同経営で働く協同組合法(仮称)」を制定するよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成23年7月5日