意見書(子宮頸がんの予防対策の充実・強化を求める意見書)平成22年6月定例会
発議第5号
意見書
子宮頸がんの予防対策の充実・強化を求める意見書
子宮頸がんについては、国内で毎年8,000人以上が新たに発症し、約2,400人が死亡している。特に近年、20代から30代の若い女性の発症率は増加傾向にあり、同年代で発症する悪性腫瘍の第1位となっている。子宮頸がんは、HPV(ヒトパピローマウイルス)による感染であり、このウイルスに対するワクチンが、平成21年10月に我が国でもようやく承認されたところである。ワクチン接種による抑止効果は70%以上あり、定期検診と組み合わせることにより、発症率及び死亡率は大幅に軽減できるとされている。既に諸外国では、より多くの女性へのHPVワクチン接種が可能となるように、国のワクチン政策にHPVワクチンを組み入れることが推奨され、11歳から14歳の女子に対して優先的接種を推進しており、現在、20数カ国の公費負担制度があり、発生の抑制に大きな効果を上げている。一方、我が国では、現時点では、HPVワクチンは任意接種であり、十分な免疫をつけるために必要なワクチン接種3回分の費用は合計で約5万円と高額で、ワクチン接種の普及に対する大きな足かせとなっている。また、我が国における子宮頸がん検診の受診率は、平成19年に実施された国民生活基礎調査によると21.3%にとどまっており、受診率が70%を超える欧米諸国と比較して著しく低くなっている。よって、国におかれては、財源を確保した上で、子宮頸がんの予防、あるいは早期発見、早期治療のための定期的な受診を促すため、次の事項について早急に実施されるよう強く求める。
- 全国一律の制度として、子宮頸がん予防ワクチン接種の公費助成制度を創設するとともに、10代前半の女子への無料接種を早急に実現すること。
- 子宮頸がん検診の受診率向上を図るため、積極的な広報活動をして普及啓発に努めること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成22年6月22日