意見書(食料自給率の向上を求める意見書)平成20年6月定例会
発議第10号
意見書
食料自給率の向上を求める意見書
発展途上国の人口増加や経済発展に伴う食料需要の増大、食料とエネルギーの競合などにより、主要穀物の価格が軒並み高騰し、輸出国が輸出規制を行うなど、国際的な食料情勢は極めて厳しい局面を迎えつつある。こうした中、我が国においては、食料自給率が39%に低下し、毎年77万トンのミニマム・アクセス米を輸入する一方で、水田面積の約4割に及ぶ生産調整を実施し、担い手の減少や高齢化の進行とも相まって約38万ヘクタールの耕作放棄地が発生するなど、食料危機とは無縁であるかのような状況となっている。構造的な変化による食料需給の逼迫と、それに伴う食料の戦略物資化の動きが明白になる中、安全保障の観点に立って貿易交渉に臨む一方で、改めて我が国の食料供給力を強化していくことの重要性が高まっている。よって、国におかれては、世界有数の食料輸入国である我が国の置かれている状況を認識し、次の事項を踏まえて、食料自給率向上に資する総合的な施策を講じられるよう強く要望する。
- 我が国の最もすぐれた食料生産装置である水田の有効利用を図り、耕作放棄地を解消するため、非主食用米の導入を初めとする米の需要拡大を促進すること。
- 農地の面的集積を促す仕組みの構築や、農内外からの幅広い人材の就農支援を行うなど、多様な担い手を確保・育成するための施策の充実・強化に努めること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成20年7月8日