意見書(「障害者虐待防止法(仮称)」の早期制定を求める意見書)平成19年2月定例会
発議第3号
意見書
「障害者虐待防止法(仮称)」の早期制定を求める意見書
家庭において介護が必要な障害者を放置したり、施設内で障害者に暴力を振るうなどの虐待が深刻化する中、障害者への虐待を防止するための法整備は、児童や高齢者に対する虐待防止に比べて遅れている。平成16年に福岡県内の知的障害者施設で発生した虐待事件を契機として、各方面で防止対策の確立に向けた取り組みが行われたものの、法制化には至っていない状況にある。家庭や施設といった閉ざされた場所で行われる障害者への虐待は、顕在化していない場合も多いとされるだけに、虐待の早期発見や通報の義務化など、地域社会全体として虐待を防止するための法整備が強く望まれる。また、昨年12月に障害者に対する虐待防止条項を含む「障害者権利条約」が国連で採択されたことを受け、我が国としても積極的な対応が求められるところである。よって、国におかれては、虐待による障害者の人権侵害を許さないという理念を明確に打ち出す「障害者虐待防止法(仮称)」を早急に制定されるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成19年3月9日