意見書(すべての高齢者が安心して暮らすことができる社会保障制度の構築を求める意見書)平成18年9月定例会
発議第12号
意見書
すべての高齢者が安心して暮らすことができる社会保障制度の構築を求める意見書
我が国の社会保障制度は、年金、医療、介護等の分野において、国民の健康と生活の安定を保障する上で、これまで重要な役割を担ってきた。しかしながら、今日、高齢化の進展等に伴う医療費の増大や、年金の給付と負担のバランスの問題などが顕在化し、制度の持続可能性に対する懸念が広がっている。また、社会保障関係費は年々増加し、平成17年には20兆円を超えて一般歳出総額の40%に達している。今後、我が国の総人口の減少が予想され、高齢化が一層進展する中で、社会保障制度の抜本的な改革は喫緊の課題となっている。こうした中で進められた平成16年度以降の年金・医療・介護制度の改革により、給付費の増加については一定程度の抑制が図られる見込みとなっているものの、医療保険制度の一元化に向けた明確な道筋が示されていないなど、社会保障制度全体の安定的な将来像は示されておらず、国民の不信感や将来への不安を払拭するには至っていない。また、ひとり暮らしの高齢者世帯が大幅に増加する中で、今回の制度改革の重点が保険財政の改善に置かれたため、サービスを利用する高齢者の負担がますます増大し、多くの高齢者が生活に不安を感じていることから、新たな制度の実施に当たっては、とりわけ所得の少ない高齢者への適切な配慮も必要である。よって、国におかれては、高齢者の置かれている実態など、国民の声を十分に聞き、これまでの制度改革の問題点や効果を検証しつつ、給付と負担のバランスのとれた一体的かつ抜本的な制度改革に一刻も早く取り組み、若者が将来を展望でき、高齢者も安心して生活ができる社会保障制度を構築されるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成18年10月4日