意見書(高金利引き下げに関する意見書)平成18年6月定例会
発議第9号
意見書
高金利引き下げに関する意見書
平成17年の自己破産申立件数は18万人を超え、経済的理由によって自殺する者も後を絶たず、深刻な社会問題となっているが、それは、貸金業者の高金利による過剰融資によって借り入れを重ねる多重債務と、それに対する過酷な督促や取立てが要因として考えられる。高金利を抑制する法的な制限としては、利息制限法では最高金利を年20%と定めているが、貸金業者については、貸金業規制法によって、一定の要件のもとに任意に支払った場合には、みなし弁済として、出資法の上限金利である年29.2%まで認められている。しかし、出資法の上限金利は、返済能力を超える過大な金利であり、さらに、先般、最高裁判所は、貸金業規制法のみなし弁済の規定について、任意性等を厳格に解釈した判決を示し債務者を救済している。また、出資法の特例規定により年54.75%という超高金利を適用することが許されている日賦貸金業者による被害も全国的に多発しており、また、電話加入権も実質的な財産的価値を失っており、電話担保金融の特例を認める必要性もなくなっている。よって、国におかれては、国民生活における不安を解消し、その安定を図るため、次の事項について早急に実施されるよう強く要望する。
- 出資法の上限金利を、利息制限法の制限金利まで引き下げること。
- 貸金業規制等に関する法律第43条のみなし弁済規定を廃止すること。
- 出資法に定める日賦貸金業者及び電話担保金融に対する特例金利を廃止すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成18年7月3日