意見書(NTT接続料の東西格差導入に関する意見書)
発議第17号
意見書
NTT接続料の東西格差導入に関する意見書
通信サービス(固定電話網及びIP網)は、「IT社会」を支える国民共有の貴重なインフラであり、全国を瞬時につなぐ電話サービスの根幹をなす回線接続料は、明治以来、全国均一の料金体系を維持しており、国民生活に不可欠なユニバーサル・サービスとして定着している。しかしながら、平成14年9月13日、総務大臣の諮問機関である情報通信審議会は、電気通信事業者がNTT東西会社へ支払う接続料について、従来の均一料金を見直し、東西格差を導入する旨の答申を行った。仮に、地域ごとのコストを重視した「地域別料金体系」が導入されることになれば、全国の中山間地域や離島などの条件不利地域は、料金の引き上げによって「IT社会」の恩恵を享受しにくくなるだけでなく、通信料金格差が企業経営等に影響を及ぼし、ひいては産業・経済活動の東京一極集中に一層拍車をかけることが懸念される。このたびの東西格差導入は、当面、電話料金のみを対象としているが、一旦「全国統一料金体系」を崩せば、今後、各種のIP網サービスについても「地域別料金体系」導入に道を開くことにつながりかねず、その影響の甚大さに鑑みれば到底受け入れがたいものである。よって、政府におかれては、地域格差のない健全な「IT社会」の発展を目指す立場から、この問題の重要性を十分斟酌し、NTT接続料について、今後とも「全国統一料金体系」を堅持されるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。