意見書(食品の安全性確保の強化を求める意見書)
発議第5号
意見書
食品の安全性確保の強化を求める意見書
食品の安全性の確保は、適正な栄養の摂取とともに、国民の健康にとっても極めて重要な課題である。特に、近年において、従来の農薬や化学肥料による食品汚染に加え、O-157や狂牛病の発生、ダイオキシンや環境ホルモンなどによる食品・環境汚染、あるいは遺伝子組みかえ食品の登場、さらには、大手食品メーカーのずさんな製品管理による大規模な食中毒事故の発生などの問題も加わり、国民の間から、食品の安全性確保を求める声が一層強まっている。今日、遺伝子組みかえ技術等の新しい技術を活用した食品の開発も、国内外を問わず行われ、かつ、我が国においては海外からの輸入食品が急増しており、それらの食品の安全性確保が十分であるかどうかといった不安も、国民の間に広がっている。政府においては、農薬・食品添加物に対する規制や、遺伝子組みかえ食品の安全基準や表示の義務づけ、あるいは食品行政への消費者参加等、一定の施策が講じられているところではあるが、政策決定過程やそれらの根拠となる考えやデータ等の情報公開などが、まだ不十分であるとの指摘もなされている。よって、政府におかれては、食品のより一層の安全性を確保するために、以下の施策を早期に実施されるよう強く要望する。
- 食品行政に、国民の意見・要望を広く反映するために、パブリック・コメント(国民の意見申し出)制度の充実を図るとともに、食品行政への国民参加を促進すること。
- 遺伝子組みかえ食品やアレルギー物質を含む食品の表示の義務づけを拡大するとともに、遺伝子組みかえ等の技術による食品の長期にわたる安全性や、環境に与える影響を調査研究し、安全性確保対策に万全を期すこと。
- 農薬・動物用医薬品の残留基準の対象品目を拡大するとともに、食品添加物の指定制度の充実を図ること。
- 食品安全行政に関しての情報公開を一層進めるとともに、食品メーカーに対する抜き打ち調査等、チェック体制を強化すること。
- 昨年12月末に厚生省が発表した「食の安全推進アクションプラン」の着実な実施を図り、その結果を国民に公表すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。