意見書(抜本的な税源の移譲を求める意見書)
発議第4号
意見書
抜本的な税源の移譲を求める意見書
現下の地方財政は、6年連続して著しい財源不足が生じ、交付税特別会計借入金や地方債の増発等によって収支の均衡を図るという極めて厳しい状況に置かれている。このため、地方財政全体としての借入金残高も2001年度末には188兆円に達する見込みとなり、その償還が将来の財政運営を圧迫することが強く懸念されている。加えて、これまでの交付税特別会計の借り入れにかえて、新しく「臨時財政対策債」による財源不足の補てんが制度化された。個々の地方公共団体の財政状況についても、法人関係税を初めとして地方税収は低迷しており、特に法人関係税のウエートが高い大都府県の税収の落ち込みが大きくなっている。また、公債費等の義務的経費の増大等により地方財政の硬直化が急速に進んでいる。さらに、2000年4月より地方分権一括法が施行され、実行の段階を迎えた今日、少子・高齢社会に向けた地域福祉施策の充実、生活関連社会資本の整備等の課題に対処していく必要があり、地方公共団体が担うべき役割と、その財政需要はますます増大するものと見込まれている。地方分権の推進に応じて、地方公共団体が、より自主的な行財政運営を行えるようにするためには、地方公共団体の財政基盤を充実強化していくことが極めて重要であり、まさに焦眉の急である。したがって、政府におかれては、地方税収入と地方における歳出規模との乖離をできるだけ縮小するという観点に立って、早期に地方の税源保障を中心とした抜本的な見直しを行い、国税から地方税への税源移譲を進められるよう要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。