意見書(旧優生保護法による被害者救済を求める意見書)平成30年9月定例会
発議第10号
意見書
旧優生保護法による被害者救済を求める意見書
昭和23年に施行された旧優生保護法は、知的障害や精神疾患を理由に本人の同意がなくても不妊手術を認めていた。
同法はその後、平成8年に障害者差別に該当する条文を削除して母体保護法に改正された。
厚生労働省によると、旧法のもとで不妊手術を受けた障害者等は約2万5千人、このうち本人の同意なしに不妊手術を施されたのは、本県の事案を含め1万6,475人と報告されている。
本人の意思に反して手術が施されたとすれば、人権上問題がある。
また、同様の不妊手術を行っていたドイツやスウェーデンでは、当事者に対する補償等の措置が講じられている。
旧法のもとで不妊手術を受けた当事者らの高齢化が進んでいることを考慮すると、我が国においても早急な救済措置を講じるべきである。
よって、国におかれては、次の事項について措置されるよう強く要望する。
1 速やかに旧優生保護法に基づく不妊手術の実態調査を行うこと。
2 その際、都道府県の所有する「優生保護審査会」の資料や民間所有のカルテ類など、個人が特定できる資料について、当事者の心情に配慮しつつ、できる限り幅広い範囲で収集できるよう努めること。なお、調査に時間がかかることが予想されることから、資料の散逸・処分等を起こさないように保管・保存に必要な措置をとるよう努めること。
3 旧法改正から20年以上が経過しており、関係者の高齢化が進んでいることから、的確な救済措置を一刻も早く講じること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成30年10月2日