意見書(受動喫煙防止対策を進めるために健康増進法の改正を求める意見書)平成29年9月定例会
発議第5号
意見書
受動喫煙防止対策を進めるために健康増進法の改正を求める意見書
受動喫煙を防止するには、何よりもたばこの煙が深刻な健康被害を招くことを国民に啓発していくことが重要である。
厚生労働省の喫煙の健康影響に関する検討会が取りまとめた報告書(たばこ白書)では、喫煙は、肺がん、喉頭がん、胃がんなどに加え、循環器疾患や呼吸器疾患などとも因果関係があり、受動喫煙は、肺がん、虚血性心疾患、脳卒中と因果関係があることが示されている。また、国立がん研究センターは、受動喫煙による死亡者数を年間約1万5000人と推計している。
たばこの煙による健康被害についてこうした報告がある一方で、世界保健機関(WHO)は、日本の受動喫煙対策を最低ランクに位置づけている。この現状を脱し、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた我が国の受動喫煙防止対策の取り組みを世界標準にまで高め、国際社会に発信する必要がある。
よって、国におかれては、国民の健康を最優先に考え、受動喫煙防止対策の取り組みを進めるための罰則つき規制を図る健康増進法を早急に改正するよう強く求める。
1 屋内の職場・公共の場を全面禁煙とするよう求める「WHOたばこ規制枠組条約第8条の実施のためのガイドライン」を十分考慮すること。
2 屋内における規制においては、喫煙専用室の設置が困難な小規模飲食店に配慮すること。また、未成年者や従業員の受動喫煙対策を講じること。
3 各自治体の路上喫煙規制条例等との調整を視野に入れて規制を検討すること。
4 対策を講じるに当たっては、準備と実施までの周知期間を設けること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成29年10月2日