意見書(産業競争力の維持・強化を図るための対策の充実を求める意見書)平成24年12月定例会
発議第16号
意見書
産業競争力の維持・強化を図るための対策の充実を求める意見書
国際競争の激化に加え、資源・燃料価格の高どまりや歴史的な円高の長期化により、自動車・造船の輸送機器を初め、鉄鋼、電気・一般機械など輸出型産業への依存度が高い、本県経済を取り巻く環境は、一段と厳しさを増している。
こうした中、県内企業においては、自動車メーカーが海外生産比率及び国内工場の海外調達比率を段階的に引き上げるなど、為替リスクを回避するため、海外生産を拡大する動きが顕在化し、本県産業の空洞化への懸念が高まっている。
また、全国1位の集積を誇る造船業及び関連産業は、多くの雇用を創出する本県経済を支える基幹産業の一つであるが、近年、新規受注の獲得が厳しさを増し、2年後には国内でつくる船がなくなる、いわゆる「2014年問題」も指摘されている。
さらには、金融機関が中小企業者の債務弁済に係る負担軽減措置を行うよう努める「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」が、平成25年3月31日に期限が切れることとなっており、中小企業者の中には、金融機関から思うような融資が受けられず経営そのものが困難となるなど、地域経済に大きな影響を及ぼすことも懸念されている。
これらの諸問題の解決は、地域経済のみならず、国内経済の発展に寄与するものであることから、国が責任を持って実施すべきである。
よって、国におかれては、次の項目について対処されることを強く要望する。
- 国際的な協調により過度な円高を是正するとともに、デフレ脱却に向け、マネーストックの増加などの金融緩和政策を強化すること。
- アジアを中心とした新興国の市場を取り込み、幅広く事業展開するため、早期に経済活動が正常化するよう、国の責任において適切に対応すること。
- 国際競争に勝ち残るため、造船産業に対する技術面、生産面での強化策のみならず、海事関連産業の維持・強化の観点から、税制、ファイナンスや営業面も含めた新たな政策を推進すること。
- 中小企業金融円滑化法の期限到来後も経営の維持・安定を図るための十分な支援施策を講ずること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成24年12月18日