意見書(米国の関税措置への対策強化を求める意見書)令和7年6月定例会
発議第6号
意見書
米国の関税措置への対策強化を求める意見書
本年4月、米国は各国への相互関税を課す旨を発表するとともに、自動車への追加関税を発動し、企業からは先行きを不安視する声が多く上がっている。
米国が講じた一連の関税措置による影響は、自動車関連産業はもとより、米国への輸出が多い機械系製造業や近年輸出が伸びている農林水産業、関連する中小企業等にも広く波及するおそれがあり、輸出減少等を通じて雇用縮小などの企業行動にもつながりかねないことから、我が国の産業や雇用を守るために必要な支援に万全を期す必要があるほか、関税措置の見直しの実現が急務となっている。
また、相互関税等の社会構造の変化にも対応し得るよう、中長期的な視点に立って、企業の経営改善や経営体質の強化を強力に進めていく必要がある。
よって、国におかれては、次の事項について措置を講じられるよう強く要望する。
1 米国に対し、相互関税及び自動車や鉄鋼・アルミニウム等への追加関税措置の見直しを粘り強く求めること。
また、米国との交渉に当たっては、食料安全保障の観点も踏まえ、農林水産業等に及ぼす影響を十分に勘案した上で、これまでの輸入のルールを堅持し、農林水産物に対する万全な国境措置の確保等、国内生産への悪影響を防ぐ対策を講じること。
2 雇用調整助成金の適用要件の緩和や助成率の引上げをはじめ、輸出関連事業者や経済の変動の影響を受けやすい中小企業等に対する資金繰り支援を充実するとともに、取引適正化のさらなる推進等、産業や雇用への影響を最小限にする対策を講じること。
3 関税の影響を受ける企業等に対する支援を地方自治体が機動的に行えるよう、地方創生臨時交付金の増額や対象事業の拡充を行うとともに、関税措置による影響が大きい地方自治体に重点的に配分するなど、積極的な財政措置を講じること。
4 新分野への進出や国内外の販路開拓・拡大等を加速させるための企業への支援を充実させるとともに、国内需要を喚起する施策を強化すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年7月1日