意見書(米の安定供給等に向けた取組の強化を求める意見書)令和7年6月定例会
発議第5号
意見書
米の安定供給等に向けた取組の強化を求める意見書
昨今、米価格の高止まりが国民の家計を大きく圧迫しており、国による備蓄米の放出以降も足元の米価格はなお高い水準にある。
一方、生産現場では、近年の異常気象による生産の不安定化や担い手の減少等の課題を抱えているほか、輸入依存度の高い肥料をはじめとした生産資材価格の高止まり等により厳しい経営状況にあり、生産者からは「米の価格がそもそも低すぎた」との指摘もある。
このままでは、米需要のさらなる減少や農業継続意欲の低下につながりかねないことから、我が国の食料安全保障の観点からも、米の生産拡大を後押しする取組や生産者の経営の安定を図る取組を一層推進するとともに、生産コスト等に配慮した適正価格での取引を実現し、持続可能で強固な生産基盤を構築することが極めて重要である。
よって、国におかれては、次の事項について措置を講じられるよう強く要望する。
1 気候変動に対応した強い品種や生産技術の開発・導入、スマート農業技術を活用しながら生産性を高めることができる生産基盤の整備など、国内米生産の拡大を強力に進めること。
2 生産者の負担軽減や経営安定を図るため、肥料等の物価高に対する助成措置を拡充するとともに、生産者に対する所得補償を含め、安定的な収入確保に向けた支援制度を充実すること。
また、鶏ふん堆肥や自給飼料などの地域資源の利用拡大を進める地域の取組に対する支援を強化するなど、飼料の輸入依存からの脱却に向けた取組を推進すること。
3 米の生産・流通等の実態を適切に把握するとともに、米価格の動向等を踏まえ、米の需給及び価格の安定に向けた施策を今後も国が責任を持って機動的かつ積極的に講じること。
また、合理的な費用を考慮した米の適切な価格形成の実現に向けた実効性のある仕組みを構築するともに、食料の持続的な供給に要する費用負担の在り方について、国民理解の醸成を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年7月1日