意見書(高病原性鳥インフルエンザへの対策強化を求める意見書)令和6年6月定例会
発議第9号
意見書
高病原性鳥インフルエンザへの対策強化を求める意見書
高病原性鳥インフルエンザについては近年、全国的に頻発しており、本県においても4年連続で発生している。
感染が発生した場合、発生した養鶏農家だけでなく、農家と取引のある関連事業者にも甚大な被害が生じるとともに、鶏卵価格の高騰を招くなど社会全体に多大な影響を及ぼすことから、科学的根拠に基づく原因究明や有効な対策を確立し、発生予防対策の強化を図ることが重要である。
また、発生後、出荷が再開されるまで収入が得られない農家は、事業の継続が困難となるおそれもあることなどから、迅速かつ手厚い支援が必要である。
さらに、本県では、これまで防疫措置の早期終了と作業動員者数を勘案して埋却による防疫措置を実施してきたが、埋却場所の確保や防疫措置における県の多額の財政負担などが課題となっている。
よって、国におかれては、次の事項について措置を講じられるよう強く要望する。
1 発生原因や流行の傾向、世界におけるワクチンの使用状況とその有効性等を踏まえて、世界の最先端の対策や情報を収集・分析し、より効果的な発生予防対策を示すこと。
2 被害を受けた養鶏農家の早期の経営再開や経営安定を後押しするため、へい殺畜等手当金の迅速な交付や、手当金額の拡充を図るよう制度の改善を検討すること。
また、運送業や卵選別包装施設など、発生及び移動制限を受けた農家と取引のある関連事業者における損失補填の財政措置を講じること。
3 発生した農場が適切な衛生管理を図りつつ早期に再開が可能となるよう対応策を検討すること。
4 防疫措置を迅速に終了できるよう国において広大な埋却地を確保することや、ブロックごとに焼却施設を建設するなど、処理方法の在り方について検討すること。
5 県の財政負担を軽減するため、大規模農場での発生や同時多発的に発生した場合等には、国庫補助率を激甚災害と同程度とするなどの拡充を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和6年7月2日