意見書(世界規模での感染拡大を踏まえた高病原性鳥インフルエンザの抜本的対策を求める意見書)令和5年6月定例会
発議第7号
意見書
世界規模での感染拡大を踏まえた高病原性鳥インフルエンザの抜本的対策を求める意見書
今シーズン、高病原性鳥インフルエンザの発生は半数以上の都道府県に及び、殺処分数は過去最大となった。本県においても、発生件数、殺処分数ともに過去最大となり、養鶏農家は大きな損害を受けるとともに、運送業者など関連事業者にも影響が広がり、出荷が再開されるまで収入が得られない事業者は事業継続が困難となるおそれも生じている。加えて鶏卵価格の高騰等が、家計に大きな影響を与えている。
また、本県では、相次ぐ発生に対応するため、自衛隊、JA、地元市町等の協力の下、多くの職員を動員して防疫措置に取り組むこととなり、通常業務に大きく支障を来す状況となったため、新たな防疫体制の構築が急務となっている。
世界に目を転じても、アメリカ、ヨーロッパなどで、鳥インフルエンザの発生状況は過去最悪となっており、ブラジルでは動物衛生上の緊急事態宣言を発令する事態となるなど被害が広がっている。国内における鳥インフルエンザは、渡り鳥がウイルスを持ち込むことにより発生するとされ、国内だけで対策を講じても十分とは言えない。
来シーズン以降も大規模な発生が懸念されることから、発生農場の全ての鶏を殺処分等するといった対症療法だけではなく、本病の発生や感染拡大を抑えるための予防的な防疫対策の確立が急務となっている。
よって、国におかれては、次の事項を講じられるよう強く要望する。
1 感染拡大防止に有効なワクチンの研究開発など、関係各国と連携し、世界規模での感染拡大リスクに備えた抜本的な予防対策に早急に取り組むこと。
2 鳥インフルエンザが発生した場合には、民間活力の活用や広域での自治体間の応援体制の整備等、防疫体制強化に向けた仕組みづくりを早急に検討するとともに、必要な財政措置を講じること。
3 鳥インフルエンザの発生で損害を受けた養鶏農家に加え、影響を受けた関連事業者等にも十分な支援を講じること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和5年7月4日