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【@廿日市市】若い力で盛り上がる中山間地域 ~今必要としているのは、「新しい風」~

深瀬さんの写真1

【@廿日市市】若い力で盛り上がる中山間地域。
 ~今必要としているのは、「新しい風」~

山と川に囲まれており、夏は涼しい中でキャンプや渓流釣りを楽しめて、冬は広島だがウインタースポーツを満喫できる。鳥の鳴き声で目覚め、虫の鳴き声で季節の移り変わりを感じられる、人工音の少ない、四季がはっきりした地域。

もし、こんな癒される環境で仕事ができたらどうだろう。心に余裕が生まれるのではないだろうか。広島県廿日市市には、そんな理想のお試しオフィスがある。

廿日市市は、広島市の西に隣接する市。日本三景の宮島があるため、瀬戸内海の印象が強いかもしれないが、実は南北に広大な市なのである。

今回紹介するお試しオフィスのある吉和地域は、廿日市市の北部に位置し、冬には雪も降る中山間地域だ。高速道路を使えば車で1時間ほどの広島市へ通勤する人も多い。ここで地域支援員として活動する吉和出身の深瀬さんに、お試しオフィスの魅力や吉和地域への思いについて伺った。

別荘地にあるロッジで叶う、快適なワーケーション

高速道路の吉和ICを出てすぐ、この辺りは別荘が分譲販売されている地域だ。今回訪れたお試しオフィス「せせらぎの里」も、この別荘地の一帯にある。

「せせらぎの里」は、キッチンやベッドルームもある、広くてゆったりとした2階建てのロッジ。

さすが別荘地と言うべきか、気温が30℃を超える日も敷地内や室内はひんやりとして涼しい。扇風機やエアコン要らずで快適に過ごすことができる。一方、冬はぐっと冷え込むそうで、寒さに備えて薪ストーブや囲炉裏もばっちり完備されている。

近隣には温泉、キャンプ場、さらにスキー場が揃うなどリフレッシュや余暇の選択肢がたくさんあるのもうれしい。季節に応じて過ごし方を変えられる、まさにワーケーションにもうってつけの環境だ。

深瀬さんの写真2

地域活性に主体的な若い世代。NPO法人立ち上げも

お試しオフィスを案内してくれた深瀬さんは、「せせらぎの里」がある廿日市市吉和地域出身。もともと広島市内で働いていたが、2014年に地元である吉和にUターンした。現在は3人の娘を育てる父親でもある。

地元で暮らし、働くうちに「吉和の地域が抱える課題を解決し、地域活性化に貢献したい」
という思いが募った深瀬さん。2020年10月からは地域支援員としても活動を始めた。

「行政職員として地域住民の方と一緒に地域の困りごとを解決することが地域支援員の役割で、企業や行政と地域住民を繋ぐパイプ役にもなっています。

『新しく建てられる、支所機能が入った複合施設をどう活用すれば持続可能な地域をつくれるか』を考えたり、吉和にある企業の人材不足を解消するための施策を検討したり、子どもが吉和地域で習い事ができるように環境を整備したりといったことに携わっていきたい」

吉和地域は、数年前から地域活性化に力を入れている。その一例が、深瀬さんを含む吉和の若者たちが立ち上げた「NPO法人吉和げんき村」の活動だ。

もともと吉和には、アスレチック施設はあったものの、自然を生かした体験プログラムが段々少なくなってきている。そこで吉和げんき村は、木を切ったりスウェーデントーチ作りが体験できる「木育プロジェクト」を開始。

これが地元や近隣地域の子どもから好評だったそうで、今後に向けて様々なプログラムを構想中だという。

また、地域をさらに盛り上げるための決意の表れが、今回のお試しオフィス開設による企業誘致だ。深瀬さんはこう期待を口にする。

「新たにやって来てくれる企業さんと一緒に、吉和を盛り上げたいですね。
オフィスを構えてもらうだけでもうれしいですが、吉和は農業や林業が盛んで観光資源も多いので、既存の資源を生かしたビジネスチャンスもたくさんあります。

例えば、吉和に今はいないIT企業さんが来てくれたら、面白いビジネスや取り組みができそうだなと期待しています」

外から「新たな風」が吹き込まれることで、吉和の企業やまち全体がより活気付いてほしい。そんな願いを持っている。

深瀬さんの写真3

「別荘地」から、「子育て世代も移住したくなるまち」へ

気になるのは、お試しオフィスを利用する企業の従業員が移住してきたときの受け入れ環境だ。

これまでも、吉和に一定数の移住者はいた。ただ、その多くが仕事をリタイアしてゆったりと老後を過ごすためにやって来る方だったという。

今後は、若い働き世代にも吉和に来て欲しい。吉和の発展のためにも、「子育て世代も移住したくなるまちづくり」を進めていかなければならない。「空き家バンクの登録物件数を増やすなど、地域側でも住む場所の選択肢を用意したい」と深瀬さんは考えている。

地域住民との関係構築については、深瀬さんはUターンゆえ不安は無かった。広島市出身の奥様も「深瀬さんの奥さん」だと覚えてもらって、すぐに地域に溶け込めたという。

ただ、そうした繋がりが無いまま吉和に引っ越してくる人はどうしたらいいのだろうか。

「ぜひ、『中澤商店』に行ってみてください。商店を経営している、僕と同世代でおしゃれなご夫婦が気さくに話しかけてくれると思いますよ。地域の皆がそこで買い物をするので自ずと色んな人に出会えますし、会話が弾むアットホームな商店なので」

オーナーの顔が見える商店。こんな地域の交流拠点があるととても安心できる。そう思っていると深瀬さんはフォローするように言葉を続けた。

「ただ、僕は新しく吉和に来た方に『地域に溶け込もう』と無理して頑張ってもらう必要は無いと思っています。もちろん、地域の行事やコミュニティに参加してくれたり、当番を引き受けてくれたりしたらうれしい。

だけど『田舎に行くならこれをしなきゃ』と気張らなくていいんです。まずは、僕ら地元住民に気を遣わずに自分たちの理想の暮らしを実現してください。僕としては、吉和を気に入っていただけるだけで十分ですから」

移住に期待と不安を抱える人の背中を押す、これ以上の言葉は無いのではと思うほど温かいメッセージだった。こうした姿勢で接してくれる、深瀬さんのような存在がいることが心強い。

四季折々のアクティビティ、豊かな資源とビジネスチャンス、地域を盛り上げる若者の存在。多くの可能性と魅力を秘めた吉和だが、まずはお試しオフィスを利用しながら肩肘張らない生活を始めてはどうだろうか。


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