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地域の未来は、自分たちの手で切り拓く──北広島、民間企業の経営者たちがタッグを組んだ

株式会社キタヒロのメンバーの写真1

株式会社キタヒロのメンバー、中央左が本田正博氏

地域の未来は、自分たちの手で切り拓く。
北広島、民間企業の経営者たちがタッグを組んだ

地域活性というと、行政が主導してムーブメントを仕掛けるイメージがあるかもしれない。
あるいは、移住者が新しいチャレンジをすることで、活性化が進むといった例も増えている。

今回紹介する例は、上記のいずれでもない。「愛着のある地元を、自分たちの手で盛り上げていきたい」と地元企業が共同で法人を立ち上げ、経営者目線で地域活性を主導している稀有な自治体の話だ。

その一例が、今回ご紹介する北広島町。

広島県北部にある山県(やまがた)郡のまちでアクセスは、広島市から車で1時間ほど。
日本海側の気候で冬には雪が降るなど、四季がはっきりしていることも特徴だ。スキー場が多くウィンタースポーツ愛好者には嬉しい。伝統芸能「神楽」も盛んで約70もの神楽団が活動をしている。

ここ北広島町で地域活性を目指し、経営者仲間とともに法人を設立した人物がいる。株式会社キタヒロ代表を務める本田正博さんだ。

なぜ法人を設立したのか、活動の先に見据えるビジョンとは。仲間とともに北広島の活性化を主導する本田さんの思いに、「新たな仲間への期待感」が垣間見えた。

まちづくりに絡むお金、事業推進の壁を、“4人の経営者”で乗り越える

本田さんは、生まれも育ちも北広島だ。北広島に本社を置いており、商品の梱包に用いる透明ケースやプラスチックの受注製造を行なう、株式会社チヨダパックの代表取締役としての顔も持つ。

創業した当時は「自社の利益を追いかけることで精一杯だった」という本田さん。しだいに地域に目を向けるようになり、過疎化や高齢化の進む北広島へ何か貢献できないだろうかという思いが募ってきた。

地域の若者を集めて青年団を結成し、廃校になった母校を活用してお祭りを開催したり、子供向けの教室を開いたり。従業員や住民とともに、地域活性に貢献してきた。しかし、十分な手応えが得られたかというと、そうではなかった。

「人口は減り続け、近隣から働きに来る人も少ない。新聞やハローワークに会社の求人を出しても、思ったように人が集まらなくて。果たして10年後や20年後に北広島で働いてくれる人はいるのだろうかと、不安が募ったんです」

危機感を抱いていたのは、本田さんだけではなかった。他社も、同じ課題を持っていたのだ。

北広島の未来を守るために、新しい取り組みをしよう。そう決意し、本田さんは同じ課題を感じていた3社の社長と結束。4社で出資し、2020年に株式会社キタヒロを設立した。

「もちろん、行政も地域活性について考えてくれています。ただ、行政任せではいけないと思って。まちづくりにはお金が掛かりますし、何からどう取り掛かるのかという問題もある。そこで私たち経営者がもつ、お金や事業に関する知識や経験など、いわゆる経営感覚が役立つと思ったのです」

本田正博氏の写真1

試行錯誤しながらも、スピーディにプロジェクトを推進

キタヒロがまず着手したのは、北広島の食材のプロデュースやPRだ。北広島には農家や酪農家が多く、新鮮な野菜、良質で味わい深い乳製品や食肉などもたくさんある。しかし、賞味期限の問題もあり、町外まで届けられていない現状があった。

「北広島には、美味しいものがたくさんあるんだと知ってもらいたい。そして、『北広島に行ってみよう』と思ってもらえるきっかけを作りたいんです」

キタヒロは農家や酪農家に、食材を加工して商品化することを提案。パッケージデザインなどもプロデュースした上で、商品を販売している。

たとえば「冷燻サーモン」は、地域の青年が丹精込めて育てたサーモンを長時間低温で燻製にしたもの。本田さんが代表を務めるチヨダパックでパッケージデザインを手掛けて商品化、キタヒロが大手の小売企業へと売り込んでいる。

他にも、芸北高原豚のポークジャーキーやりんごシャーベットなど数々の商品化をプロデュース。農家や酪農家の方も、喜んでくれているという。

もちろん、商品を開発して終わりではない。出来上がった商品や採れたての野菜を携えて、広島市内の商店街に販売に行ったり、商品を取り扱ってもらえるよう全国チェーンの高級スーパーへ営業活動に回ったりもしている。

さらに、“毛利元就ゆかりの地”としてつながる三原市や安芸高田市と共同で、ギフトの開発も進めている。地域活性のためには、近隣の市町とも手を取り合うことが不可欠だからだ。

法人設立からわずか1年で、多くの商品化を実現してきた。このスピード感こそ、キタヒロがもつ熱量の表れだ。

「すべてのプロジェクトがうまくいったわけではありません。毎回学び、試行錯誤をしている最中です。ただ、業種も違う経営者が集まっているからこそ、さまざまな角度から意見を出し合いながら進められていると感じます」

本田正博氏の写真2

“地元の子どもたちが帰って来られるまちでありたい”

大きな構想をキタヒロは描いている。

「今は『北広島に来てください』と言いつつ、魅力的なカフェや飲食店、楽しんでもらえる体験はこれから作っていかなければならない段階。

おしゃれなカフェや飲食店を増やし、スキー場を改装して夏はグランピングを楽しめる場所にできればなと」

こうした構想を持っているのは、単に北広島の利便性を高めたいからではない。“地元の子どもたちが帰って来られるまちでありたい”という思いがあるからだ。

「北広島の子どもたちには、ぜひ一度まちを出て、広い世界を見てほしい。ただ、外に出てまちの良さに気付いた子や、まちの課題解決に携わりたいと思う子が戻ってくるためには、仕事の選択肢が豊富じゃないといけないし、友達と食事に行くお店も必要ですよね。
だから、生活に必要な場所や娯楽を、僕たちの手で少しずつ増やしていきたいんです。そのためには、行政とも連携しながら整備を進めなければと思っています」

こうした民間の動きと協働して、北広島町でも企業誘致の取り組みが始まった。雇用を生む外部企業のサテライトオフィス誘致を目指して、勤務体験ができるお試しオフィスの整備が進められている。

本田さんもまちづくりのプレーヤーがもっと増えてほしいと願っている。

「外から来てくれた方の考えも取り入れて、取り組みを進めることができれば、北広島はさらに良い発展を遂げると思います。興味を持ってくれた方は、ぜひ一緒にまちづくりをしましょう。地域に飛び込むのは不安でしょうが、僕たちがサポートするので安心してください」

地域のキーパーソンとも言える本田さんそしてキタヒロは、お試しオフィスを利用する企業にとっても心強い存在だ。

ダイナミックにまちを変えていくことができる。こんな経験ができるまちは、かなり珍しい。まだまだ伸び代を残した地域で、経営者の知恵と視点を武器に、今までに無い地域活性が実現できる。これこそが北広島というまちの魅力なのだ。


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