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不登校等児童生徒を支援している民間団体等に関する調査結果について

このことについて,令和元年12月18日開催の教育委員会会議12月定例会において報告しました。

調査結果の概要 調査結果の概要 (PDFファイル)(306KB)

調査結果報告書 調査結果報告書 (PDFファイル)(1.42MB)

1 調査の概要

(1)調査目的
 本県で取り組んでいる「学びのセーフティネット構築事業」の一環として,不登校等の児童生徒を支援している民間団体との連携方策を検討する参考資料とする。

(2)調査対象
 不登校等の児童生徒が通う民間団体や,保護者の支援を行う民間団体

(3)調査期間
 令和元年8月9日(金)~9月30日(月)※回答期限は9月13日(金)から延長

(4)調査方法
 HP等で把握した団体へ郵送,メール等で依頼し,インターネット又はFAXにより回答

(5)回答結果
 回答数 62団体

 

内訳 把握団体数 回答団体数
◇依頼団体総数 (93) (93)  
(1)教育委員会が調査前から把握していた団体 47 34
(2)回答のあった団体からの情報提供により把握した団体 46 23
◇宛所なし,活動休止等で回答がなかった団体 (9)  
教育委員会からの実質依頼合計(※) 84 57
◇報道等で調査の情報を入手し,自主的に回答のあった団体
把握団体総数 89 62

 (※)活動を把握できた団体のうち回答があった団体の割合(62/89 団体 69.7%)

 

2 調査結果

(1)団体について(基本情報)
〇回答のあった団体は県内23市町のうち,14市町に所在している。そのうち広島市は27団体,福山市は14団体であり,2市で全体の66. 1%である 。(報告書p10 Q4)
〇平成27年以降の設立団体が19.6%,平成22年~26年の設立団体が27.5%であり,約半数の団体は,設立して10年以内である。
 一方で,平成11年以前に設立した団体も17.6%ありこの設問に回答した団体のうち,最も設立が古いのものは昭和 35年であった。(p11 Q 6)

<まとめ>
 66.1%の団体が広島市及び福山市に所在している 。
 10年以内に設立した団体が約半数と多い一方, 長年運営している団体もあり様々である。

(2)団体について(類型,在籍者)
〇類型について,「フリースクール」が35.5%で最も多いが,「その他」と回答した団体が53.2%であり,多様な類型となっている。「その他」の団体のうち,放課後等デイサービスと回答した団体が16.1%,相談業務やカウンセリングを行っている団体が11.3%,通信制高等学校又はサポート校が9.7%となっている。また,児童発達支援センター,障害者支援施設との回答もあり,発達に課題のある子供への支援団体もある。(p12 Q11)
〇在籍者数について,この設問に回答した団体の在籍者を全て合計すると2,933人となる。
 最も在籍者の多かった団体は330人,最も少なかった団体は1人であった。
「10~49人」が38.2%で最も多く,次いで「10人未満」が29.1%である一方,「100人以上」も16.4%あり,団体規模は様々である。 (p14 Q 16)
<まとめ>
 団体の形態,類型は多岐にわたっており,発達に課題のある子供への支援団体もある。団体規模(在籍者数)も様々である。

(3)団体について(活動,スタッフ,会費等,施設)
〇活動内容(子供への支援)について「相談,カウンセリング」,「個別の学習」,「居場所づくり」の順で多く,いずれも約70%となっている。芸術活動,調理体験等体験活動も行っており,団体の活動は様々である。
 また,「障害のある児童生徒への支援」も55.7 %である。(p15 Q19)
〇活動内容(保護者への支援)について,「保護者との個別相談」は,この設問に回答した96.7%の団体で行っており,「保護者の集まり」も36.1%である。(p16 Q 21)
〇スタッフ数について,最もスタッフが多かった団体は60人,最も少なかった団体は1人であり,団体規模は様々である。( p16 Q23)
〇資格保有等状況について「教員免許」を持つスタッフを配置している団体が74.2%で最も多い。「臨床心理士等」も45.2%である。全ての団体が,何らかの資格を保有するスタッフを配置している 。(p18 Q25)
〇会費等(授業料)は,月額「10,001~30,000円」が36.7%で,最も多い。次いで「徴収していない」が21.7%となっている。
 一方で,月額3万円を超える会費が必要な団体も15.0%ある(「30,001~50,000 円」が11.7%,「50,001 円以上」が3.3%)。(p19 Q28)
<まとめ>
 「相談,カウンセリング」,「個別の学習」,「居場所づくり」を行っている団体が ,それぞれ約70%であるほか, 芸術活動,調理体験等体験活動も行っており ,団体の活動は様々である。「障害のある児童生徒への支援」も55.7%の団体で行っている。
 スタッフ数は様々であるが,全ての団体で,教員免許,臨床心理士等何らかの資格を保有するスタッフを配置している。
 会費は「徴収していない」団体が21.7%ある一方で,月額「10,001~30,000円」の団体が36.7%,月額3万円を超える団体が15.0%ある。

(4)教育委員会との連携について
〇教育委員会との連携について,「連携している」団体が32.3%である。(p21 Q33)
<まとめ>
 教育委員会と連携している団体が32.3%である。
 主な連携内容は,児童生徒の利用状況の報告,スクールソーシャルワーカーとの連携などという回答である。


(5)学校との連携について
〇学校との連携について,「連携している」団体が64.5 %であり,教育委員会と「連携している」と回答した団体が32.3%であったことと比較すると,多い。(p22 Q35)
〇「指導要録上出席扱いの実績」について,「出席扱いの実績あり」が51.6%である 。(p23 Q37)
<まとめ>
 学校と連携している団体が64.5%である。「指導要録上出席扱いの実績」がある団体が51.6%である 。
 主な連携内容は,所属校の担任の来所, 児童生徒の利用状況の報告などという回答である。

(6)連携全体について
〇今後連携したい関係機関としては,「教育委員会」が86.7%で最も多いが,いずれの関係機関も,40%を超えている。「行政」,「学校」との連携を希望する団体が多い。(p24 Q 41)
<まとめ>
 行政(教育委員会),(福祉部局),(青少年育成部局),学校との連携を希望する団体が多い。

(7 )その他
〇運営の課題について「活動・運営資金の確保」が70.5%で最も多い。次いで「スタッフ等人材の確保」,「学校との連携」,「広報」,「教育委員会との連携」となっており,いずれも50%を超えている。(p25 Q43)
〇支援活動の成果について主な意見(p26 Q45)
 ・居場所ができることでの安心感の発生
 ・少人数,学校外の活動による自己肯定感の育成
 ・保護者の支援による,親子関係の改善
〇その他連携について主な意見(p27 Q46)
 ・連携により児童生徒の情報が共有できることは,子供達にとって有益である。
 ・教育機会確保法が周知され,フリースクール等の存在も認めてほしい。
 ・団体,学校等との連携を図るため,協議会を設立してほしい。
<まとめ>
 「活動・運営資金の確保」,「スタッフ等人材の確保」,「学校との連携」,「広報」,「教育委員会との連携」 のそれぞれを運営の課題とする団体が50を超える 。

3 ヒアリング調査結果

(1)概要
 アンケート調査に回答のあった団体のうち,特徴的な取組を行っている団体に, 設立経緯,活動内容, 学校との連携等について 面談によるヒアリング調査を行った 。

(2)ヒアリング団体 について
 長期間運営されていること保護者への支援を行っていること学校と連携実績があること「指導要録上出席扱い」の実績があること 等の条件を満たし,学習以外にも,体験活動や障害のある児童生徒への支援を行っているなど特徴的な活動を行っている 8団体から,聴取した 。

<まとめ>
〇学習支援や多様な体験活動等により ,児童生徒の「社会的自立」を目指 している 。
〇積極的に学校との連携を進めようとし児童生徒の活動報告等定期的な情報共有を行っている。また,必要に応じて,学校と保護者との仲介を行っていることも多い。今後も更なる学校との連携を望んでいる。
〇不登校は学校だけでは対応が難しいと感じ家族への支援等に取り組んでいる。
〇「障害のある児童生徒への支援」が必要と考えている団体は多く,福祉部局,医療機関等との連携も求めている。
〇また,貧困家庭世帯を中心とした学習支援,ひきこもりなどで社会とつながりにくい人への支援などに取り組んでいる団体もある。

4 今後の方向性

 今後は,本調査結果を市町教育委員会等に情報提供することにより,学校と民間団体等との連携が更に進むよう促すとともに,いわゆる「教育機会確保法」(義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律)の趣旨を踏まえ,民間団体等との連携方策について,引き続き検討していく 。

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