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広島県地方産業教育審議会(第3回)議事録(要旨)

1 日時

 平成20年2月20日(水曜日) 13時30分~15時30分

2 開催場所

 広島県庁北館2階 第一会議室

3 出席者

 9名

4 議事内容

(1) 開会

(2) 委員紹介

(3) 会長挨拶

(4) 協議

 1 専門高校拠点校の機能の強化の具体的な方策及び内容について
 2 地域性を考慮した専門高校間のネットワークづくりの具体的な方策及び内容について
 3 中間報告(案)について
 4 パブリックコメントの実施について

(5) 閉会

5 協議概要  

1 専門高校拠点校の機能の強化の具体的な方策及び内容について
2 地域性を考慮した専門高校間のネットワークづくりの具体的な方策及び内容について

委員: 庄原実業高校の生徒が,地域に出て園芸福祉活動に取り組んだ。この取組みにより,子どもも老人も得るものが多かった。学校を飛び出し,地域と連携し,実践を通して教育をしていく必要がある。

会長: 学校の外で行う地域の様々な活動の中で,人とかかわることによって教育するシステムを活用していく必要がある。

委員: 地域へ出て園芸福祉活動として実習することで,学校の中では得られない体験をすることができる。老人も学校に対して感謝の気持ちを持ち,子どもも体験して成長している。

会長: 地域との連携について中間報告の「3」の5つの項目に取り入れたらよい。専門委員会でまとめている中間報告について説明をお願いする。

委員: キーワードは,「夢」「ネットワーク」である。
「1 産業社会の現状及び課題」
「2 本県の専門高校・専門学科の現状及び課題」
「3 『次代の産業を担う人づくり』の在り方・方策」で5つの諮問事項に対応させている。
「4 本県の専門教育の今後の在り方・方策」で次代の産業,起業家精神,国際化の視点で6つの専門学科が新たな教育内容を創造し,次代の産業を担う人材をつくる方向性を述べている。

会長: 本日の議題について意見交換をお願いしたい。

委員: 拠点校の個性化・機能化がポイントであると考える。拠点校は職業教育のセンター的な役割もあるが,それぞれの専門高校がどういう役割を持つ学校なのかはっきりさせ,就職を目指す学校,高度な資格を取得させる学校,大学進学を目指す学校など役割を持たせ,機能化を目指すことが必要なのではないか。

委員: 専門高校間のネットワークづくりについては,専門高校だけでなく,様々な教員から様々な形で情報が集約され,拠点校を中心とした「人材育成機構(仮称)」というものをつくって人材育成を行うことが大切である。
機構はつくるだけでなく,いかに運用するかが大切なので,学校と企業の両方がよく分かるコーディネーターが必要となる。

会長: 機構を設けるためには,コーディネーター等,運用面でも工夫が必要である。
拠点校を機能化するといっても分かりにくい。例えば,工業高校で,A・B・Cの3つの学校が同じことをするのではなく,役割により違う特色を持たせるという方が分かりやすい。

委員: 各学校の機能分担についての理屈は分かる。しかし,広島県という広い範囲を考えたら,全県一円だからどこの学校でも受験できるが,物理的な問題がある。地域によっては,専門高校がないところがある。保護者として,子どもに専門高校で勉強させたくても地域に専門高校がないケースもある。例えば,工業の拠点校として,広島工業高校と福山工業高校が特色のある学校であっても,広島と福山の間の地域に住む子どもたちはどうするのか。また,三次の子どもは,農業が基幹産業となる地域だから農業科へという話にはならないであろう。
また,県北部の工業系の企業は,県北に工業高校がないのにどこの学校から採用するのかと思う。

会長: 採用する側は広島でも福山でも遠くから採用するが,高校を選ぶ子どもは大変である。

委員: 農業の場合,教育内容等の中身がよくても志願者数が少ない。教育の中身に対して選ばれるようにしなければならない。子どもが地域で学ぶとはいっても,地域ごとにすべての学科を置くことも難しい。すべての学科のニーズもないし,生徒の数の問題もある。地域の企業等に確実に就職できるよう産業界等と連携を図る機構を活用し,地域を担う人材をつくることが望ましい。

委員: 機構の活用は,産業界と学校はできる。要は,子どもが通えるかどうかの物理的な問題だと申しあげている。拠点校で機能化・個性化を言っても,通学のために毎日3時間では実際には通えない。どんどん公共交通機関が無くなっており,県北ではJRもほとんど路線がなく,庄原にいたっては他地域から通えない。キャリア教育など様々な取組みをして,子どもが将来の夢を持っても通う高校がなくなる。これが一番大きな問題だと思っている。

会長: 諮問にある専門高校拠点校の機能の強化について教育内容はもちろんだが,生徒が通える配慮がいるのではないかということである。

委員: 専門高校の進学率が50%以上となっているが,生徒の多様な進路希望に対し進路のどこに焦点をあわせて教育しているのか。

委員: 専門高校の場合,農業・工業・商業で進路の状況は微妙に違うが,大学・専門学校・就職に対しだいたい3分の1ずつである。

委員: 専門高校は,就職してもすぐに役立つ教育をしている。例えば,ある農業高校には,こういう特徴があって,卒業したらどういう将来の道があるというようなことが子どもには分からない。子どもに「誇り」を持たせる教育をすべきである。今では,交通アクセスもよくなっており,例えば,広島-福山間も新幹線で30分で行ける。福山から岡山に通っている例もある。

委員: 一部の保護者は遠くの学校へ通わせる方がいるが,多くの保護者は,福山から広島へ通わせることができないのが現実である。

会長: 大学・専門学校に進学,就職という進路に対して,どこを目標に教育を行っていくのか考えると難しい。
人材を受け入れる側ではどうか。

委員: 高等学校の教育内容は,企業ニーズに直結したカリキュラムになっているのか。技能者の技術も進歩していかないといけないし,機械についても一世代古い機械を使っていてはいけない。学校も時代の最先端の機械が使えるようにならなければ,時代に置いていかれてしまう。

委員: 県は,「専門高校を卒業した生徒はどのような状況なのか」,「専門高校の教育内容に対して,要望はないか」,「ニーズはどうか」ということをアンケートを取って,企業等に尋ねたことはないのか。
企業がどういう教育行政を望んでいるか等,審議会を開く前に,アンケートを取っておくべきではないのか。

事務局: 専門高校に限ってのものはないが,教育モニター等の形で企業の方にも伺っている。

委員: 企業には企業の持っている独特の言語・風土があり,入社した途端にそれを理解できることが大事であろう。工業であれば,この機械は何のためにあるのかということが即理解できることが大事なのであり,本当に企業の人はその機械が使えることを望んでいるのだろうかと思う。

委員: 実際に社会から「どういう生徒を育てていくべきか」などについて聞いてはいる。ただ,それらの意見にマッチした教育となっているかどうかは自信がない。企業から,どういう生徒がほしいからそういう生徒をつくれというものではない。どちらかというと学校と産業界が一緒になって人材育成を行うシステムをつくるという考え方で,地域や産業界からニーズなどを聞き,社会の中で機構をつくってほしい。

会長: 限られた高校の空間だけで人材育成を行うのではなく,人材育成の機構を社会の中につくってほしいということであった。

委員: 企業の見学も入っているのか。農業高校の場合は食品加工の関係の企業も多いので,工場見学をすることで生徒の意識が変わるのではないか。企業は機械化が進んでおり,企業を視察すると,生徒は自分の選んだ道に誇りを持ち,勇気が出てくるのではないか。

会長: 中間報告(案)では,「『オンリーワン企業』,『ナンバーワン企業』をはじめとして」とあり,「基幹産業など特徴的な企業から起業家精神について学ぶ機会を設ける」とあるので,勉強する意欲を身に付けるということであろう。

委員: 起業家精神というのは,アントレプレナーシップとして,「自立した職業人」と捉えている。

会長: 起業家精神を養うには工場見学を行って刺激を受けて,業を起こすことを連想させることであろう。こういう気持ちを養うという意味で工場見学に行くとよいということであろう。起業家精神を「自立した職業人」というイメージはストレートに伝わらない。中間報告は答申になる前にパブリックコメントを求めるためのものであるが,中間報告は分かりやすい構成になっているだろうか。パブリックコメントの実施について事務局から説明をお願いする。

事務局: 4月1日から4月30日まで広く県民の皆様より御意見をいただく。公表方法は,県教育委員会ホームページへの掲載,行政情報コーナー・各教育事務所における閲覧,報道機関への資料提供とする。

会長: 最終の報告を出す前に,パブリックコメントを行うということである。質問の内容を問う場合もあるので,記名式で行うということである。

委員: 中間報告(案)にどんな人間を育てたいかという理想像が散りばめられているのだが,まとまりがない気がする。理想像がはっきりしていると,最後にまとめやすい。

会長: この審議会が受け取った内容は,現在の高校が抱える問題についてどういう解釈の仕方をすればよいかということで,専門高校がどういう人材を育成するかということについて,1章,2章で現状を踏まえて書いてある。委員: 専門高校がどういう人材を育成するかということについて中間報告(案)に散りばめてあるが,「生きる力」とか「働く意義」が非常に欠落しているのだと思う。委員: 今後,道州制になった時,各県がしっかり特徴を持っておかないといけない。広島県人として何を誇りとするのか,明確にすべきである。

委員: 専門委員会では,最初に専門高校が目指すスペシャリスト像はどんなものかについて議論してきた。具体的には,人材育成と目指すスペシャリスト像との具体的な関係はどうか。人材育成ということで考えると,将来のスペシャリストをどう育成するかなどである。

会長: 一般論はともかく,広島県のとなると難しい問題である。岡山県とは違う人材育成とはということである。本県のという時に,人材育成をするのに県内の資源等をいかに使えばよいのかという議論である。

委員: 本県では,キャリア教育を様々な場面で取り組んでいる。そこでは「生きる力」が議論されている。キャリア教育を推進する中で進学する子も就職する子もいる。そのような中で「高校を出てスペシャリストを育てるにはどうしたらいいのか」ということについて,「専門高校の在り方はこうなる」という議論であると思わざるをえない。専門高校における人材育成をキャリア教育の中の一つとして捉えないといけない。
中間報告で強調してほしいのは,小・中学校とのネットワークについてである。「スペシャリストの祭典」のようなものをもっと小・中学生に見せてほしい。

会長:高等学校の枠の中でなく,小・中学校を巻き込んだ形でのネットワークづくりが必要であるということである。

委員: いくら拠点校をつくっても子どもが来なければどうにもならない。

会長: 今日,出た意見は専門委員会でまとめてもらいたい。

広島県地方産業教育審議会について

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