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第2章 1.今後の課題

印刷用ページを表示する掲載日2011年12月1日

無駄のない水利用の推進

  近年、全国的に年間降水量が減少傾向にあり、本県においてもその傾向が見受けられます。このような気象変化と伴に本県では、沿岸部の急速な都市化や社会構造の変化により、近年渇水被害が頻発しています。このような自然環境・社会環境の変化の中で、平成6年(1994年)は、6月から10月の降水量が戦後最も少なく、生活用水や工業用水の取水が困難になり、日常生活から産業活動にわたって多くの被害を受けました。従って、平成6年の大渇水の経験を生かし、水利用の見直しや水の再利用・有効活用などを推進し、無駄のない水利用を行っていくことが重要です。さらに、水資源開発施設の建設は、長期間かかるため、既存施設の老朽化対策や再開発などの有効活用を行うことも必要です。

安定的な水資源の確保

  本県における既存の水資源開発は、近年の少雨傾向により10年未満の規模の渇水でも安定的に供給できなくなっています。しかし、現在建設中の水資源開発施設が完成すると、広域水道の供給区域では10年に1回程度生じる渇水時にも安定供給が可能になるため、これらの施設の早期完成が待たれます。また、大渇水や大震災のような天災あるいは水質事故等により水の安定供給が阻害される危機的状況に対しては、過去の経験や事例をもとに、被害を最小限にするため、迅速な情報収集・伝達や対応ができるような体制づくりや、非常時に備えた予備水源の確保等の対策を事前に講じておく必要があります。

水需要の多様化への対応

  県内における我々の生活に係わる水源の水質は、近年改善されつつあるものの、依然一部の河川では水質汚濁問題が懸念され、また一部のダム貯水池では、夏場にアオコが発生し水道水の異臭が問題となっています。このような水質に関する問題は、供給できる水量が減少するほか、高度処理などが必要になりコストも高くなるため、良質な水源の確保と保全は重要であり、水源地域周辺の森林や中山間地域の水田の保全等の広域的な対応が必要です。また、「広島県環境基本計画」の中でも、環境を配慮した水環境の役割、水を通じた地域間の交流や水源地域の活性化の場、「うるおい」や「やすらぎ」を与える場などの新たな水辺空間の要望があげられておりこれらの新たな水の役割にも対応していく必要があります。

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