第1章 1.気象条件
本県の年平均降水量は、梅雨期・台風期を除けば概ね冬の降雪量、夏の降雨量とも少なく、沿岸部では1,200ミリメートル程度で、一方、中山間部では、2,500ミリメートル近くに及びます。
また、年降水量は、明治13年から昭和30年頃までは増加傾向にありましたが、それ以降は減少傾向にあります。
年平均降水量分布図(昭和34年~平成11年平均) 単位:mm
※棒グラフは昭和58年~平成10年平均の月別降水量
年降水量の経年変化(観測所:広島地方気象台)
既往渇水
本県は、瀬戸内型気候で全国に比べ年間降水量が少ないという特徴から、過去幾度かの渇水にみまわれています。
県内各地域の渇水発生状況を見ると、広島地域は、県人口の約6割が集積し使用水量も多く、過去県内で最も多く給水制限が実施されています。平成6年(1994年)の渇水時には広島市をはじめとする瀬戸内海沿岸および島しょ部に位置する市町で給水制限が実施されました。
備後地域は、県内で最も降水量が少なく、沿岸部に位置する福山市を中心とする産業集積地区においては水使用量も多く、過去多くの給水制限が実施されています。平成6年の渇水時には、瀬戸内海沿岸および世羅台地に位置する市町で給水制限が行われました。
備北地域は、県内では比較的降水量が多く、人口の集積が少なく水使用量も少ないため、過去に給水制限はほとんど実施されていません。しかし、平成6年の渇水時には、人口の集中している三次市や庄原市において給水制限が実施されました。
中国地方における過去の渇水発生状況
出典:「中国地方の地域づくり」1999年度(建設省 中国地方建設局企画部企画課)
※「上図における渇水の定義」…建設省の定める生活圏域の中で、上水道又は簡易水道事業主体が、断水や減圧給水を実施した年を渇水の発生した年とします。