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新王泊橋(しんおうどまりばし)

印刷用ページを表示する掲載日2015年3月11日

新王泊橋  

諸元

路線一般国道186号
所在地山県郡北広島町(王泊貯水池)
完成昭和32年11月
橋長151.75m
最大支間長149.45m
設計荷重1等橋 TL-20
上部工形式単径間2ヒンジ補剛構吊橋
塔の高さ29.428m
有効幅員5.5m
車道幅員5.5m
管理者広島県

吊橋の歴史を切り拓いた我が国戦後初の本格的道路吊橋

 旧橋は,王泊貯水池(仙水湖)に架かる木製補剛吊橋であったが,その性質上,戦後の交通量の増大や,これに伴う急速な老朽化による維持管理費用の増加に対応することが困難になりつつあった。

 折しも,昭和10年に建設された王泊貯水池は,昭和20年代後半の電力需要の増大に伴う水資源の有効活用のため,我が国で初めてとなる本格的なダムの嵩上げ工事が行われるところであった。

 この嵩上げによる水位の上昇により,旧橋は水没することを余儀なくされ,その補償工事として100mほど上流側に代替の橋を架けることとなったが,これを機に,今後の重要性を考慮して国庫補助金を加えて永久橋とすることとなったのである。

 橋梁形式は,架橋地点である瀧山狭の地形に適した工法で,かつ美観的にも優れるとして,旧橋と同じく吊橋が採用されることとなったが,昭和31年に改訂された鋼道路橋示方書を適用した初めての吊橋であり,本橋は我が国戦後初の本格的道路吊橋とされている。

 吊橋史としては,1940年にアメリカでタコマナローズ橋がわずか19m/sの風により崩落した直後の時代でもあったため,本橋でも風圧対策は最重要課題として位置づけ,様々な解析や模型実験などによる試行錯誤を繰り返し,細部構造にも工夫を凝らして完成に至った。

 完成後50年以上が経過した現在でも,現役の国道橋梁として本格的吊橋の構造的理論を実証し続けているとともに,四季折々に美しい仙水湖の風景に彩りを与えている。

位置図

アクセス情報

お車

  • 中国自動車道戸河内ICより,約21km,約40分

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