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オウム病について

印刷用ページを表示する掲載日2011年12月1日

2001年末に松江市内の多数の鳥を飼育・展示している観光施設で、従業員と施設を訪れた来園者にオウム病の患者が発生していたことが、2002年はじめに判明しました。患者は最終的に16名となり、広島県でもこの施設を訪れた3名が発病していたことがわかっています。このオウム病というのは、どのような病気でどういう対策を取ればよいのでしょうか。

原因と症状

オウム病はクラミジア・シッタシ(Chlamydia psittaci)に感染することによって起こります。クラミジアは細菌の仲間で、感染した宿主の細胞内に侵入して増殖する微生物です。感染して症状が出るまでに1~2週間の潜伏期間があり、急な高熱,咳や痰などの気道炎症状,頭痛,全身の倦怠感,筋肉痛や関節痛などインフルエンザのような症状が出ます。肺炎を起こすなど重症化することもあるので、注意が必要です。

感染経路

感染のほとんどは、クラミジアに感染した鳥のフンや分泌物を吸いこむことによって起こります。松江市のケースでは、施設内の清掃に高圧の水を噴きつけてフンを洗浄する洗浄機を使用していたために、霧状になった水と一緒にフンの中のクラミジアが空気中に舞いあがり、それを人が吸い込んだため多くの患者が発生したのではないかと考えられています。一般家庭で発生するオウム病は、ペットの鳥から感染していると思われるケースがほとんどですが、ドバトや他の野鳥から感染したケースもあります。なお、オウム病の患者さんから他の人へ伝染することはまずありません。

診断と治療

病原診断のためには、患者さんの気道分泌液から簡易検査キットでクラミジアを検出したり、血液中のクラミジアに対する抗体価の上昇を調べたりしますが、それよりもまず患者さんが鳥を飼育しているか、クラミジア感染の疑いがある鳥との接触があったかどうかが、重要な診断の決め手となるので、心当たりがある場合はお医者さんにそのことを必ず伝えましょう。なお、クラミジアに効果のある抗生物質は複数あるので、必ず治療することができます。

対策

ペットに鳥を飼っている方は、鳥の健康管理に気をつけ、こまめにフンを掃除するなど衛生的な飼育を心がけましょう。口移しで餌をやったり、自分が食べているものを鳥に食べさせながら食べない、などの注意も必要です。なお、鳥がクラミジアを持っているかどうかは、見かけではわかりません。クラミジアに感染している鳥が必ずしも病気になるわけではなく、健康なままクラミジアを持っていることがあるからです。鳥が体調をくずすとフンの中に大量にクラミジアが排出されるので、こういう時は感染の危険性が高まります。鳥の体調に異常が見られるなど不安な場合は獣医さんに相談してください。抗生物質による治療などの対策を取ることができます。

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