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米国政府による核実験の実施計画に対しての中止要請文の発出 (2025年4月3日)

印刷用ページを表示する掲載日2025年4月3日

 米国・エネルギー省核安全保障局(NNSA)が中国新聞社の取材に対して、2025年4月中に臨界前核実験を計画していると回答したことを受けて、米国政府に対して核実験中止要請文を発出しました。

 

 

要 請 文

 

 NPT運用検討会議第3回準備委員会の開催が間近に迫る中、貴国が今月にも、ネバダ州の核実験場内にある地下施設で臨界前核実験の実施を計画しているとの報道に接しました。

 貴国に対しては、2024年5月にも、臨界前核実験を実施したことに対して強く抗議を行ったところです。

 貴職が、就任当初から、ロシア及び中国との核軍縮交渉の実現に意欲を示されたり、核兵器による恫喝を繰り返すロシアによるウクライナ侵略の停戦に向け尽力されていることは、国際社会の核軍縮に向けた機運を大きく前進させるものであると期待しておりました。

 しかしながら、今回の臨界前核実験の計画が明らかになったことを受けて、広島県民は大きく失望しています。

 仮に貴国が核実験を行った場合、ロシアをはじめ、中国や北朝鮮など、他の核保有国に更なる核開発と核抑止力を強化する口実を与えることになり、国際社会が積み上げてきた核軍縮の取組を大きく後退させることは明白です。

 平和な世界を実現するために必要なことは、圧倒的な破壊力を持つ核兵器を維持・強化することではなく、どんなに厳しく困難な道のりに見えたとしても核軍縮の歩みを止めないことです。

 核抑止力への依存は、いずれは人類他地球上のすべての生命に破滅をもたらす大いなる恐怖であるということを貴職が強く認識し、決して核実験を実施しないよう、人類最初の原子爆弾による未曾有の惨禍を経験した広島県民を代表し、強く要請します。

 また、核超大国のリーダーとして、核軍縮交渉に率先して取り組み、世界の平和と安定に貢献していただくことを切に期待します。

 

 2025年 4月3日

 

 アメリカ合衆国 大統領

 ドナルド・トランプ 閣下

 

日本国 広島県知事 湯崎 英彦

 

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