感染性胃腸炎の流行に伴うノロウイルスの感染予防対策について
感染性胃腸炎の患者発生は,例年,12 月の中旬ころにピークとなる傾向があります。この時期に発生する感染性胃腸炎のうち,特に集団発生例の多くは,ノロウイルスによるものであると推測されており,ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒の発生動向には注意が必要となります。
この時期に発生する感染性胃腸炎のうち,特にノロウイルスによる集団発生例が多く見られます。
ノロウイルスの食中毒においては,約8割は調理従事者を介した食品の汚染が原因とされており,手洗いや就業前の健康状態の確認といった,調理従事者の衛生管理の徹底が予防対策として重要です。
また,ノロウイルスは「食品から人」だけではなく,「人から人」へ感染します。その感染力は非常に強く,わずか10~100個程度の少量のウイルス量でも感染する可能性があります。
感染拡大を防止するためには,日常からの手洗い,手指消毒の徹底や流行シーズン時の環境消毒や嘔吐物の適切な処理が大切です。
ノロウイルスによる感染性胃腸炎が急増するシーズンに備え,「ノロウイルスに関するQ&A」等を参考に,食中毒や発生防止,高齢者や幼児,児童,学生の多数が集まる学校,施設などでの集団感染防止対策の徹底,各家庭での健康管理などに気を付けましょう。
○広島県内のノロウイルスによる集団感染発生状況(施設別発生件数)
医療機関 |
高齢者福祉施設 |
その他施設 |
計 |
|||||
施設数 |
患者数 |
施設数 |
患者数 |
施設数 |
患者数 |
施設数 |
患者数 |
|
平成30年度 |
1 | 14 | 9 | 170 | 22 | 534 | 32(2) | 718 |
平成29年度 |
0 |
0 |
8 |
169 |
28 |
653 |
36(4) |
822 |
平成28年度 |
0 |
0 |
0 |
0 |
44 |
1,838 |
44(6) |
1,838 |
()内は,当保健所支所管内の施設数
○感染性胃腸炎予防のポイント
(1)食品の取扱い |
食品は,衛生的に取り扱い,十分に加熱調理しましょう。 |
(2)手洗いの励行 |
帰宅時,トイレの後,調理の前,食事の前に必ず石けんで手を洗いましょう。 |
(3)吐物等処理 |
嘔吐したもの,便で汚れたものには,直接手で触れず,手袋を使って処理し,汚染箇所は次亜塩素酸ナトリウムで消毒しましょう。 |
(4)入浴 |
下痢のある時は,シャワーだけにするか,入浴する順番を最後にし,お尻は石けんをつけて,ていねいに洗いましょう。 |
(5)その他 |
吐いたり,下痢症状がある時には,ほかの人とタオルなどを共用しないようにしましょう。 |
参考資料
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