広島県水道企業団事業計画について
令和4年7月,広島県水道企業団設立準備協議会は,企業団の基本理念,組織・職員体制,業務運営,施設整備,財政運営などを盛り込んだ「広島県水道企業団事業計画」を取りまとめました。
1 事業計画の位置づけ
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水道事業は,人口減少による給水収益の減少,施設の老朽化に伴う更新費用の増加など,今後,急速に経営が悪化することが見込まれ,将来にわたって水道サービスを安定的に提供するためには,経営基盤の強化が必要であり,広域連携は大変有効な手段です。
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このような認識のもと,14市町と県は,令和3年度に設置した広島県水道企業団設立準備協議会において検討・準備を開始し,令和5年度から,それぞれが経営する水道事業,水道用水供給事業及び工業用水道事業を経営統合し,その経営主体として,令和4年度に「広島県水道広域連合企業団」(以下「企業団」という。)を設立することとしました。
- 「広島県水道企業団事業計画」は,企業団の基本理念を定めた上で,事業開始から10年間の企業団の組織・職員体制,業務運営,施設整備,財政運営などを取りまとめたものです。
2 計画期間
令和5年度から14年度までの10年間
3 基本理念
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多様な背景を持つ市町と県が統合し,相乗効果を発揮するとともに,環境の変化に的確に対応しながら,安全,安心,良質な水を適切な料金で安定供給する水道システムを構築することで,住民福祉の向上と地域経済の発展に寄与します。
- また,水道変革のフロントランナーとして,ノウハウや技術力を活用し,国内外の水道の発展に貢献します。
4 名称
広島県水道広域連合企業団
5 組織・職員
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企業団は,水道事業などを広域的に経営することを目的に設置する特別地方公共団体です。企業団には,地方自治法に基づき,企業団議会,企業長,監査委員,選挙管理委員会を設置します。
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企業団本部は,広島県庁舎内に置き,地方機関として,14市町と現在の県広島水道事務所に15の企業団事務所を設置します。
- 企業団が事業を開始する令和5年度から当分の間,職員は14市町と県からの派遣で対応し,令和8年度以降,企業団による職員採用を実施し,計画的に水道の専門人材を確保していきます。
6 業務運営
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企業団の事業開始時は,営業窓口や運転監視などの業務運営体制は,14市町と県の現在の体制を維持します。
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インターネットによる給水契約や給水装置工事の受付の開始,コンビニエンスストアの収納取扱店舗の拡大など,新規サービスを開始し,住民の利便性の向上を図ります。
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広域運転監視システムやAIを活用した管路劣化予測システムなど,デジタルトランスフォーメーションを推進し,維持管理業務の効率化を図ります。
- 組織・職員体制の拡充により,迅速かつ効果的な危機管理体制を構築します。
7 施設整備
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水需要の減少により非効率となる浄水場を廃止し,浄水能力が高く余力のある浄水場に集約するなど,全体最適の観点から,市町の枠を超えて施設の再編整備を行います。
- 施設の再編整備に併せ,基幹管路の耐震化率を全国平均以上に引き上げるなど施設の強靭化を図るとともに,海底管の二重化や緊急時連絡管を整備するなどバックアップ機能も強化し,給水安定性の向上を図ります。
8 財政運営
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企業団では,14市町と県が,現在,経営している事業ごとに会計を区分する「区分会計」を採用し,水道料金も,市町ごとの料金を維持します。
- 施設の再編整備や危機管理対策,サービス向上などの事業を着実に実施するため,効率的な財政運営を行います。
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施設の再編整備や業務運営の効率化によるコスト縮減,企業団設立を機に交付される国交付金の収入等により,40年間で985億円の統合効果が見込まれます。
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水道料金については,厳しい経営環境の中,将来的に値上げは必要となる見込みですが,統合効果を活用することで,14市町と県が単独経営を維持するより,値上げ幅を大幅に抑制することが可能です。
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