このページの本文へ
ページの先頭です。

令和5年広島県議会12月定例会(令和5年12月7日)

印刷用ページを表示する掲載日2023年12月7日

12月定例県議会の開会に当たり、ただいま提出いたしました議案の説明に先立ちまして、本年度主要施策の取組状況及び当面する県政の諸課題への対応について、御報告いたします。

1. 令和5年度主要施策の概要

【物価高騰・人手不足等への対応】

まず、「物価高騰・人手不足等への対応」についてでございます。

本県経済につきましては、コロナ禍での外出制限等からの反動需要が継続し、個人消費は観光・宿泊を中心に人流回復による好調が維持されており、製造業におきましては、半導体を含む部品不足の緩和により、県内の生産活動が持ち直しつつあり、県内景気は緩やかに回復しております。

一方で、世界的な金融引締めに伴う影響や、中国経済の先行きが懸念されるなどの海外景気の下振れ、中東地域をめぐる情勢など、県内経済への影響を引き続き注視する必要があります。

こうした情勢を踏まえ、国の交付金等を活用し、物価高騰対策などを9月補正に引き続き実施するため、必要な経費を12月補正予算に計上しております。

具体的には、直面する課題である「物価高騰による影響緩和」といたしまして、医療機関・社会福祉施設等に対して、原油価格・物価高騰による光熱費や食材費などの高騰の影響を緩和するため、引き続き、価格高騰の影響額の一部を支援してまいります。

また、農林水産業者に対しては、配合飼料価格の高騰による畜産経営体への影響を緩和するため、引き続き、配合飼料の購入金額の一部を支援するほか、和牛子牛の市場取引価格の急落による和牛繁殖経営体への影響を緩和するため、国の支援に加え、今回新たに県独自の支援を行ってまいります。

さらに、特別高圧契約により受電した電気を使用する県内中小事業者等や家庭業務用LPガスを使用している県内の一般家庭及び中小企業等に対し、引き続き、料金高騰の影響額の一部を支援するほか、中小企業等に対して、長期・低利の資金繰り支援の拡充を図るため、金融機関を活用した伴走支援型特別資金の融資枠を拡大いたします。

こうした取組に加え、「将来を見据えた構造的な課題に取り組む事業者への支援」といたしまして、交通事業者が行う、今後の持続可能な公共交通の実現に資する投資に係る経費の一部を支援するとともに、県内運輸事業者に対しましては、生産性向上や人材の確保に向けた支援をするほか、県内製造業者等に対し、研究開発投資を減退させることがないよう、応用・実用化開発に対する支援を行ってまいります。

また、中小企業等に対して、持続的に賃上げを実施できる環境を整備するため、生産性向上に資する設備投資等に要する経費を支援してまいります。

さらに、2024年問題に直面する運輸業や建設業、医療・福祉、宿泊業など特に人手不足が深刻な県内企業に対して、生産性向上やコスト削減につながるデジタルサービスの導入に向けた支援を行ってまいります。

【それぞれの欲張りなライフスタイルの実現】

次に、「それぞれの欲張りなライフスタイルの実現」についてでございます。

はじめに、県民が抱く不安を軽減し「安心」につなげる取組についてでございます。

持続可能な医療・介護提供体制の構築に向けましては、地域医療構想の実現を目指す取組において、本年9月に策定した「高度医療・人材育成拠点基本計画」に基づき、統合・再編対象病院など関係機関とも連携し、新病院の建設に向けた基本設計や、新病院の運営主体である地方独立行政法人の設立に向けた準備を進めてまいります。

県全域を対象とした地域公共交通政策のマスタープランである「広島県地域公共交通ビジョン」につきましては、今月下旬に開催予定の法定協議会で、目指す姿の実現に向けた施策や指標について議論することとしており、引き続き、関係者と議論を重ね、今年度中の策定に向けて、取り組んでまいります。

次に、激甚化・頻発化する気象災害への対応についてでございます。

令和3年豪雨により甚大な浸水被害が発生した6河川における改良復旧プロジェクトにつきましては、東広島市の三津大川で通行止めとなっていた橋梁の復旧工事を今月完成させるとともに、竹原市の本川や安芸高田市の多治比川においても、河道拡幅や築堤のための用地取得を行うなど、年度内の工事着手に向け、着実に事業を進めております。

また、被災した公共土木等施設の災害関連事業等につきましても、国の交付金等を活用し、早期の復旧・復興に取り組んでまいります。

流域治水につきましては、特定都市河川流域として指定した江の川上流域における総合的な浸水被害対策をとりまとめた「流域水害対策計画」の年度内の策定に向けて、今月「流域水害対策協議会」を開催するなど、協議を進めているところでございます。

また、流域治水の取組をより一層推進するため、自治体関係者を対象としたシンポジウムを先月開催し、取組に対する学識者からの助言や先進事例について情報交換を行ったところであり、引き続き、流域治水に対する市町や住民など流域全体のあらゆる関係者の意識醸成を図ってまいります。

野生鳥獣による農作物被害対策につきましては、更なる被害低減を目指し、県域で効果的な鳥獣被害対策に取り組むプロフェッショナル組織を、全国に先駆けて設立したところであり、来年度からの本格的な稼働に向けて、市町と連携して準備を進めてまいります。

高病原性鳥インフルエンザ対策につきましては、昨年度大規模な発生があったこと及び国が実施したウイルス分析を踏まえ、ウイルスが侵入する恐れのある鶏舎上部の入気口の点検など、これまでの衛生対策を一層強化しているところでございます。

また、外国人従業員を含めた農場関係者に対し、飼養衛生管理基準の遵守を徹底させる取組など、引き続き、高い水準での発生予防対策を講じるとともに、発生した場合に備え、民間委託による作業従事者の確保や市町との協力体制の構築、埋却予定地の事前確保など、迅速な防疫措置を行えるよう、万全を期してまいります。

次に、県民の「誇り」につながる強みを伸ばす取組についてでございます。

平和の取組に関しましては、核兵器を巡って依然として厳しい情勢が続いていることに加え、悲惨な状況が続いているイスラエル・パレスチナの武力闘争、またロシアによるウクライナ侵略の長期化など国際情勢が混迷を極めております。

これ以上、戦禍による犠牲者を増やさないために、国際社会が連携して、このような状況が、一刻も早く、そして平和的に解決されることを強く願っているところでございます。

こうした中、先週、ニューヨークで開催された「核兵器禁止条約第2回締約国会議」には、私自身が参加し、本体会議でのパネルディスカッション、カザフスタン・キリバス共和国や連携協定先のストックホルム国際平和研究所が主催したサイドイベントへのパネリストとしての登壇、本県によるサイドイベントの開催、バナー展示、そして各国政府や国際機関の要人との面会等を通じて、安全保障と持続可能性の2つの観点から、核兵器廃絶と核軍縮の重要性を多面的に訴え、賛同者拡大の働きかけを行ったところでございます。

こうした現地での取組により、様々な団体との連携や、各国政府関係者をメンバーとする核軍縮と持続可能性に関する「フレンズ会合」開催の準備に向けて、関係者から前向きな反応をいただくなどの成果を得ることができたと考えております。

また、若者をG7各国に派遣し、現地の若者との対話を通じて、サミットで議論された、平和をはじめとした地球規模の課題の解決に向けた機運醸成を図る「G7広島サミット レガシー・プロジェクト「若者たちのピース・キャラバン」」につきましては、イギリス・フランス、及びアメリカ・カナダへの2班の派遣が終了し、現在、ドイツ・イタリアに派遣を行っているところでございます。

派遣の様子は、現地のメディアでも取り上げられたほか、参加者からは、「対話イベントの成果を生かし、実際の行動に移したい。」との声をいただくなど国際感覚やチャレンジ精神を涵養できたほか、サミットの成果が、今後につながる取組になったものと考えております。

今後とも、サミットの成果を、平和の取組に生かし、核兵器のない平和な世界の実現に積極的に取り組んでまいります。

広島の食の魅力発信につきましては、県産農林水産物において、多様な食の磨き上げと情報発信を行う「おいしい!広島」プロジェクトを推進しているところでございます。

具体的には、生産者と飲食店等のマッチング、県民の皆様のアイデアや協賛する企業により開発された新商品のお披露目会のほか、食を目的に来広を促進するEatrip HIROSHIMAキャンペーンの開催など、ひろしまの食を磨き上げ、PRする取組を実施しており、県産食材を活用したメニューや商品が堪能できる「食べんさい店」の登録は、1,000店舗を超えたところでございます。

また、広島を代表する特産品である牡蠣と日本酒につきましては、10月に、フランスで現地輸入業者やメディア等に対し、売り込みを行ってまいりました。

現地では、県産の牡蠣と日本酒を使ったペアリング試食会を実施し、加熱調理という新しい牡蠣の味わい方や日本酒との相性等について、高い評価を得たところでございます。

また、県産日本酒を取り扱う現地の酒類卸会社と、フランスを中心にEUへの販路拡大も視野に入れた基本合意書を締結し、より強固な関係構築を図るとともに、現地の大手航空会社や著名な雑誌社を訪問して、県産牡蠣と日本酒等の魅力発信や観光誘客につながる連携施策について協議を行い、好感触を得ることができました。

こうした取組を通じて構築した、フランスでのネットワークを生かし、県産牡蠣と日本酒の販路拡大や2025年の大阪・関西万博や世界バラ会議福山大会を見据えた欧州からの観光誘客につなげてまいります。

さらに、観光客の更なる誘客促進に向けましては、サミット開催効果を持続させ、宿泊需要を確実に取り込むため、冬の閑散期を対象に、広島県宿泊促進キャンペーンを先月から開始し、販売状況は好調に推移しているところでございます。

また、開港30年を迎えた広島空港では、新型コロナウイルス感染症の影響で休止していた大連・北京線、上海線、台北線の3つの国際定期路線の運航が再開し、ソウル線につきましては、7月に週3便で新規就航後、10月29日から週7便に増便し、毎日運航となったところでございます。

こうした動きは、観光客の受入拡大に大きく資するものと期待しているところであり、引き続き、本県の魅力発信や県内全域の観光需要の喚起に取り組んでまいります。

次に、県民一人一人の夢や希望の実現に向けた「挑戦」を後押しする取組についてでございます。

産業イノベーションの取組につきましては、「ひろしまユニコーン10」プロジェクトにおいて、昨年度に引き続き、スタートアップ企業等の事業成長を支援するプログラムにて、採択企業16社に対し、9月から伴走支援を行っているところでございます。

先月には、東京で採択企業等によるベンチャーキャピタル向けのプレゼンテーションイベントを実施し、資金調達につながる機会を提供したほか、JETRO広島と連携して、海外展開の支援にも取り組んでいるところであり、引き続き、挑戦心のある企業の事業成長を後押ししてまいります。

次に、企業誘致につきましては、三原市の本郷産業団地において、先月、データセンターの立地が決定し、全区画完売となりました。

今後、施設整備に向けた具体的な設計等に入っていくと伺っており、地元三原市と連携し、操業開始に向けて、引き続き支援するとともに、今回のデータセンターの誘致が、本県への更なるデジタル系企業の誘致につながり、本県が企業の魅力的な進出先として、世界的に認知されるよう、取り組んでまいります。

また、半導体関連大手のディスコが、先月、新たな産業用地取得に向けて呉市と売買契約を締結するとともに、マイクロンメモリジャパンが今後、約5,000億円もの設備投資を行うことを今年5月に発表するなど、大規模な投資に向けた動きが出てきております。

マイクロンメモリジャパンの設備投資につきましては、この10月に国が最大1,920億円の助成を決定した一方で、県においては、国に対して、工業用水道施設や高速道路インターチェンジアクセス道路の整備に係る財政支援を要望しているところでございます。

私自身も、先月、アメリカアイダホ州のボイジーに所在するマイクロンテクノロジー本社を訪問し、広島工場への継続的な投資の要請や意見交換を行ってまいりました。

さらに、企業の海外展開の促進につきましては、先月、議長をはじめとした県議会訪問団の皆様とインド共和国タミル・ナドゥ州を訪問し、訪問団のご尽力もあり、双方向での企業進出や投資、人材交流の促進を盛り込んだ、経済交流推進のための覚書を締結いたしました。

引き続き、県内産業の振興に向けて、県外企業の誘致や県内企業の投資促進、海外進出につながる環境整備に、地元自治体とも連携し、スピード感を持って、取り組んでまいりたいと考えております。

次に、ネット・ゼロカーボン社会の実現に向けた取組についてでございます。

カーボンリサイクルにつきましては、国が主催する「第5回カーボンリサイクル産学官国際会議」が9月27日に地方開催としては初めて本県で開催され、20の国・地域から、オンラインを含め818名の国内外の関係者に御参加いただいたところございます。

パネルディスカッションにおいては、本県や大崎上島町のカーボンリサイクル実証研究拠点の取組が社会実装に向けて重要な役割を果たすことが確認され、産学官連携組織である「ⅭHANCE」の会員企業22者がポスターセッションに出展し、取組の発信を行うとともに、県独自の取組として、国際会議参加者と県内の高校生や大学生との交流事業を実施したところでございます。 

国際会議の出席者からは、「広島県での先進的な取組に感銘を受けた」「次世代を担う若者が参加することは大変意義がある」との声を頂いたところであり、今後とも、国などと連携しながら、カーボンリサイクルの取組を加速してまいります。

加えて、海洋プラスチックごみの削減やカーボンニュートラルの実現に向けましては、ポストサミットの一環として、次世代を担う若者が主体となって、環境問題の課題解決策を考えるプログラムを11月から開始いたしました。

環境問題の実情を体感し、考え、共有するというステップを通して、環境問題を自分事として捉え、行動するきっかけや気づきを得てもらうとともに、アイデアを実践につなげていくことを目指し、企業等と連携しながら取り組んでまいります。

次に、労働市場の流動化に対応した人への投資の促進についてでございます。

人材獲得競争が激化する中、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで中長期的な企業価値の向上につながる人的資本経営の推進やその情報開示が重要であると認識しております。

そのため、人的資本経営の先進事例や具体的なノウハウを共有する研究会を設立し、講演会やワークショップを開催したところ、延べ100名以上に参加いただき、人的資本経営の実践手法の選択肢が広がったといった声を頂いております。

引き続き、研究会活動を通じて、県内企業への支援を充実してまいります。

次に、「DXの推進」につきましては、「広島県DX加速プラン」に基づき、県内の様々な主体に対するDXへの理解・実践意識の醸成や、DXの実践までのモデルケースの創出などに取り組んでいるところでございます。

具体的には、民間事業者等による自律的な取組を後押しするため、今年度から開始した「DX実践道場」において、参加事業者40社の個々の状況を踏まえ、DX実行計画の策定やITツールの選定など、専門家による伴走支援に取り組んでいるところでございます。

また、県内企業の経営支援に携わっている商工会議所や商工会、金融機関など地域の支援機関に対して、デジタルリテラシーや支援スキルの向上を図るため、先月から、「DX実践支援研修」を実施しております。

建設事業者に対しては、「広島デジフラ構想」に基づく「ICT活用工事」の更なる普及拡大に向けて、3次元設計データの作成など実践的な講習を行う「ICTチャレンジ実践講座」を継続的に実施しているところでございます。

さらに、次世代を担うデジタル人材の育成等を目的として、来月20日に、インフラマネジメント基盤「DoboX」のデータを用いて製作した地域課題の解決に有効なアプリケーションやアイデアなどの優秀作品を選考するコンテストを開催するとともに、県立広島大学の2年生を対象に、データを活用した地域課題解決を図るためのシステム開発演習を行っているところでございます。

こうした取組を通じて、全県的なDXを推進してまいります。

次に、「特性を生かした適散・適集な地域づくり」についてでございます。

中山間地域の振興につきましては、地域づくり人材のプラットフォームである「ひろしま里山・チーム500」の登録者が行う地域の皆様方と協働して行う新たな取組が、これまでに累計で100件を超え、地域に元気をもたらす活動が各地で展開されております。

具体的には、地域内外の人と協働してリノベーションした空き家のスペースを、多世代が交流する拠点として解放する廿日市市における取組や、子供を対象としたプログラミングの学習機会を創出するため、出前授業や体験イベント等を実施する江田島市における取組などがございます。

これらの取組が、将来に向けて地域の活力の向上につながっていくよう、今後とも、市町と連携して積極的に支援してまいります。

また、集落対策につきましては、安芸太田町及び神石高原町の御協力のもと、  地区・集落の生活実態等をつぶさに聞き取りながら、本年6月から、有識者で構成する「広島県集落対策に関する検討会議」において、持続可能な地域運営の仕組みや安心して暮らせる生活環境の在り方等について議論いただいております。

10月には、概ね30年後の地域の将来像を踏まえた生活機能の確保策など、関係者が一体的に取り組む新たな集落対策の方向性に関する意見を「中間整理」として、まとめられたところでございます。

有識者からの御意見を踏まえ、引き続き、関係市町との密接な連携の下、集落の実態に応じた取組を検討してまいります。

次に、魅力ある都心空間の創出についてでございます。

広島市都心につきましては、サッカースタジアムの整備が12月末の完成に向けて順調に進められているほか、県庁舎敷地の有効活用に向けましては、第一駐車場敷地の埋蔵文化財調査が終了したところであり、来年2月を目途に事業用定期借地権設定契約を締結し、令和7年春の施設開業を目指し、着実に取組を進めているところでございます。

また、基町相生通地区につきましては、10月に施行区域内の建物等の権利変換計画が認可され、今月には基町駐車場等の解体工事に着手する予定であるなど、都心の拠点性の向上に資する取組が着実に進んでいるところでございます。

福山駅周辺地区につきましては、三之丸町の旧キャスパ等跡地の再開発において、今年度末に北棟及び南棟が竣工される予定であり、周辺エリアのまちづくりとも連携しながら、福山駅周辺の再生に向けた取組が進められているところでございます。

引き続き、広島市や福山市等と連携して、広島市都心の活性化や福山駅周辺地区の拠点性の向上に向けて取り組んでまいります。

2. 当面する県政の諸課題への対応

次に、当面する県政の諸課題への対応について、御報告いたします。

まず、旧広島陸軍被服支廠につきましては、先月24日に国の文化審議会から、重要文化財指定の答申が行われたところでございます。

今回、指定の答申をいただけたことは、旧広島陸軍被服支廠の価値が認められ、国による今後の支援につながるものであり、大きな進展であると考えております。

今後は、喫緊の課題である旧広島陸軍被服支廠の安全対策の実施に向けて、事業に係る財政負担について、引き続き、国や広島市と調整を進めてまいります。

次に、広島高速5号線についてでございます。

シールドトンネル工事につきましては、地表面変位の抑制などの対策を取りながら慎重に工事を進めており、先月末時点において住宅地区間は9割以上進捗しております。

受注者から建設工事紛争審査会に調停申請されていることにつきましては、事業主体である広島高速道路公社や広島市と連携し、適切に対応してまいります。

引き続き、住民の皆様の不信や不安を可能な限り払拭できるよう、適切かつ丁寧な対応に努めながら、着実な事業推進に取り組んでまいります。

次に、ローカル線についてでございます。

本年10月に、ローカル鉄道に関する議論や支援の枠組の創設及び拡充が規定された「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律」が施行され、同月3日、JR西日本から国に対して、JR芸備線の一部区間について、再構築協議会を設置することの要請がされたところでございます。

これを受け、本県及び岡山県、庄原市、新見市に対し、中国運輸局による再構築協議会の組織に関する意見聴取が行われ、本県としては、再構築協議会に参加する意向を回答いたしました。

また、併せて、国に対して、庄原市以外の全沿線市とも、芸備線の広域的な取組について議論ができるよう調整する必要があること、「内部補助の枠組整理を踏まえた全国的な鉄道ネットワークの方向性」や、JRの代替交通への責任などの「実質的な持続可能性」について、可能な限り早期に整理いただきたいことなどについて意見したところでございます。

今後、今回回答した2県2市と、その他の沿線市の意見を踏まえた上で、再構築協議会の設置が決定されることが想定されます。

本県といたしましては、この再構築協議会が設置された際には、一部区間だけでなく、広域的な観点から、ローカル鉄道である芸備線と沿線地域の活性化を含めた幅広い議論ができるよう、引き続き、様々な関係者と協力しながら、取り組んでまいりたいと考えております。

次に、「給食調理業務等における入札・契約手続」についてでございます。

9月1日から県立学校6校の寄宿舎で停止した給食につきましては、10月に新たな事業者により提供が再開されました。その間、地域住民の皆様や事業者の皆様から温かい御支援を頂いたことに対し、改めて感謝を申し上げます。

また、本件における契約解除により、食事提供の停止という県民の皆様に直接的な影響が生じたことから、価格のみではなく、それ以外の事項も判断要素とする総合評価方式等により、契約の相手方を選定することとしたところでございます。

給食調理業務等について、安定的な業務の履行が確保できるよう、引き続き、入札・契約手続の適正化を図ってまいります。

3. 令和5年度補正予算案等の概要

次に、今回提出いたしました議案について、その概要を御説明いたします。

まず、一般会計補正予算案につきましては、9月補正予算編成後の状況変化等を踏まえ、必要性が認められる事業に適切に対応することを基本として、編成しております。

具体的な補正の内容でございますが、物価高騰・人手不足等への対応、社会的基盤の強化の取組などに、時機を逃さず対応するための経費について、予算を計上しております。

また、職員の給与について、去る10月2日に行われました、人事委員会の勧告等の趣旨を尊重し、給料月額や勤勉手当などを引き上げる措置を講ずることとしております。

これらの結果、一般会計の歳入歳出補正予算額は、303億639万円の増額となり、本年度予算の累計額は、1兆2,101億9,420万円となります。

次に、予算以外の議案といたしましては、「職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例」などの条例案6件、人事案件といたしまして、「広島県収用委員会委員及び予備委員の任命の同意について」の1件、その他の議案では、「工事請負契約の締結について」など16件を提出しております。

また、報告事項として、専決処分報告を提出しております。

どうぞ、慎重に御審議いただき、適切な御議決をいただきますよう、よろしくお願いいたします。

おすすめコンテンツ

みなさんの声を聞かせてください

満足度 この記事の内容に満足はできましたか? 
容易度 この記事は容易に見つけられましたか?