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令和4年広島県議会9月定例会(令和4年9月15日)

印刷用ページを表示する掲載日2022年9月15日

知事説明要旨

9月定例県議会の開会に当たり、ただいま提出いたしました議案の説明に先立ちまして、本年度主要施策の取組状況及び当面する県政の諸課題への対応について、御報告いたします。

1. 令和4年度主要施策の概要

【新型コロナウイルス感染症等への対応】

令和4年度主要施策の概要でございますが、まず、新型コロナウイルス感染症等への対応についてでございます。

6月下旬からオミクロン株のBA.5系統への置き換わり等による感染増加が続き、8月19日には新規感染者数が8千人を超えるなど、これまでのピークを大幅に上回る感染拡大となりました。

この感染拡大に対しましては、可能な限り新たな行動制限は行わず、医療で受け止める方針で対応しており、医療機関におかれましては、更なる入院病床の確保や一般医療の制限に御協力いただく中、コロナ陽性や濃厚接触者となり出勤できない医療スタッフの増加や一般病棟の閉鎖、救急搬送困難事例の増加などが発生し、極めて大きな負荷がかかることとなりました。

こうした厳しい状況にある医療を守るため、8月12日に、県独自の「医療非常事態警報」を発出し、県民の皆様に基本的な感染防止対策などへの協力を改めて呼びかけることといたしました。

その後、感染状況は8月下旬から減少傾向に転じ、感染の更なる拡大は抑えられておりますことから、9月13日をもって警報を解除したところでございます。

これまでの間、そして現在も、県民の皆様の尊い命と健康を守るため、ぎりぎりのところで奮闘いただいている医療関係者の皆様に対し、心からの敬意と感謝を申し上げます。

引き続き、県民の皆様に基本的な感染防止対策などへの協力を呼びかけるとともに、ワクチン接種や検査体制の整備、病床の確保などにより、医療体制のひっ迫を防ぎながら、重症化リスクのある高齢者等を守る対策や、自宅療養者への支援の充実などに、重点的に取り組んでまいります。

具体的には、ワクチン接種につきましては、重症化リスクの高い方のほか、医療機関や高齢者施設の従事者等を対象として、4回目接種を実施しているところであり、今後は、オミクロン株対応ワクチンにつきまして、9月下旬以降の接種開始に向けた準備を進めるため、必要な経費を9月補正予算に計上しております。

また、検査体制につきましては、感染に不安を抱えている方が、無料でいつでも検査できるよう県内13か所にPCRセンターを設置するほか、443か所の薬局等で抗原検査ができる体制を整えており、8月15日からは、PCRセンターの開設時間を各会場1時間ずつ延長し、検査枠の拡充を図っております。

さらに、自宅等において医療用抗原定性検査キットを用いた自己検査により陽性と判明した方につきまして、オンラインで陽性確定診断を行う「陽性者登録センター」を8月26日に開設し、診療・検査医療機関への受診集中の緩和を図るとともに、迅速に陽性判定ができる体制を整えたところでございます。

医療提供体制につきましては、「医療非常事態警報」の発出に加えて、8月24日には病床フェーズを最終段階である緊急フェーズ2に引き上げましたが、感染がピークアウトしたことを踏まえ、10月1日から、一般フェーズ4に引き下げることといたします。

また、重症化リスクの高い高齢者等を守るため、高齢者施設従事者への検査回数の増加や施設への往診体制の確保に加え、8月上旬からは保健所による疫学調査や健康観察を高齢者等に重点化して、高齢者等の重症化防止に取り組んでおります。

さらに、自宅療養者の支援につきましては、自宅療養セットの配送に加え、8月上旬からSMSを活用し迅速な情報提供を行うとともに、電話・オンライン診療が可能な医療機関を県ホームページに公表することや、オンライン診療センターを毎日開設することなどにより、電話・オンライン診療の充実を図ったところでございます。

また、世界的な感染拡大がみられるサル痘につきましては、WHOが7月23日に「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言し、国内でも7月25日に一例目の感染者が確認され、これまで合わせて4人の感染者が確認されました。

本県では、県内でサル痘の疑い患者が発生した場合に備え、感染症指定医療機関を中心とした相談・診療体制を整備しており、国や医療機関等と連携しながら、感染拡大防止や適切な医療の提供に取り組んでまいります。

【県内経済対策】

次に、県内経済対策についてでございます。

本県経済につきましては、中国のロックダウン解除による供給制約の緩和などにより、緩やかに持ち直しているものの、ウクライナ情勢を契機として、エネルギーや原材料、食料品などの価格が高騰し、企業収益や家計を圧迫していることに加え、中国のゼロコロナ政策、各国の金融引締めによる世界経済の減速、新型コロナウイルス感染症の再拡大など、多くのリスク要因も懸念されており、先行きは予断を許さない状況でございます。

こうした情勢を踏まえ、原油価格・物価高騰対策を、6月補正に引き続き実施するため、必要な経費を9月補正予算に計上しております。

具体的には、「物価高騰による影響緩和」といたしまして、公共交通事業者への燃油高騰に対する支援の継続に加え、航空会社等への航空ネットワーク維持に対する支援の継続や復便に向けた支援に取り組んでまいります。

また、農林水産業者への支援といたしまして、畜産業に使用する配合飼料や施設園芸・漁業に使用する燃料、鳥獣害対策に必要な資材に係る経費の一部支援に加え、経営改善等の取組に資する融資枠の拡大と利子補給を実施してまいります。

こうした取組に加え、エネルギーコストの節減に向けた「ネットゼロカーボン等の取組の後押し」といたしまして、再生可能エネルギーを活用した創エネや、省エネ・DX等による生産性向上に向けた設備投資に対する助成制度を創設いたします。

また、中小企業等に対して、地域の実情に応じたきめ細かな対策を市町と連携して行うほか、電力ひっ迫等にも対応できる事業継続計画の策定を支援するとともに、飲食事業者への取組支援も行ってまいります。

さらに、「医療非常事態警報」を解除したことを踏まえ、8月1日以降休止しておりました、宿泊事業者や旅行業者などに向けた県内旅行や宿泊の割引プラン等の支援、いわゆる中四国ブロック割を本日から再開いたします。

9月補正予算に計上するインバウンドの回復等を見据えた観光関連事業者が行う受入環境の整備とあわせ、観光・宿泊事業者をしっかりと支援してまいります。

【平和への取組とG7広島サミットへの対応】

次に、平和への取組とG7広島サミットへの対応についてでございます。

まず、平和の取組につきましては、ロシアによるウクライナ侵略により核兵器を取り巻く状況が厳しさを増す中、6月にオーストリアのウィーンで開催された「核兵器禁止条約第1回締約国会議」へ職員を派遣したほか、7月にニューヨークで開催された「国連ハイレベル政治フォーラム」には私自身が参加して、「核兵器と持続可能性」をテーマにした対話イベントを開催し、多くの方にこの問題について考えていただく機会を提供することができました。

訪問中は、国連等の関係機関と協議を行い、次期国連開発目標に核兵器廃絶を位置づける取組に賛同を得たほか、米国高官にG7広島サミット開催に向けた協力を依頼いたしました。

また、同じくニューヨークで8月に開催された「NPT運用検討会議」に参加し、サイドイベントを通じて、安全保障と持続可能性の2つの観点から、多面的に核兵器廃絶と核軍縮の取組の重要性を訴えることができました。

 イベント参加者や会議関係者等からは、持続可能性の観点から核兵器問題を提起するという、新しいアプローチについて賛同を得ることができました。

そして、この度、県議会団を派遣いただき、県を挙げて平和の取組を推進する姿勢を示すことができましたことは、大変意義深いことであり、今後も、県議会の皆様と一層の連携を図りながら、進めてまいりたいと考えております。

なお、NPT運用検討会議に先駆け、7月に開催した「ひろしまラウンドテーブル」の議長声明を、NPT全締約国に送付するとともに、NPT運用検討会議議長等に手交し、核軍縮の取組の進展を要請いたしました。

さらに、8月6日のグテーレス国連事務総長の広島訪問の際には、核兵器廃絶などに積極的に取り組んでいる若者との対話イベントを開催したほか、今月には、「世界平和経済人会議ひろしま」を開催し、ビジネスが積極的平和の実現に貢献することの重要性について議論いたしました。

今後も、多様な主体と連携した国際社会への働きかけや平和のメッセージの発信を行い、平和の取組への賛同者の拡大を図ってまいります。

次に、G7広島サミットについてでございます。

国際情勢が緊迫化する中、世界の平和と持続的な発展に向けた対話の場所としてこの広島の地が選ばれたことは、「国際平和文化都市」としての広島の発信力を重視されたことの表れであり、この機会を生かし、力強い平和のメッセージと広島の魅力を世界中に発信し、世界各国から広島を選び、訪れてもらえる契機となるよう、「オール広島」で取り組んでまいります。

このため、本年7月、官民連携組織である「広島サミット県民会議」を設立し、「安全・安心で円滑なサミット開催支援」、「おもてなし」、「平和の発信」、「広島の魅力の発信」、「若者の参画」の5つを、事業を実施する上での柱と位置付け、これに沿って着実に準備を進めていくことといたしました。

具体的には、「安全・安心で円滑なサミット開催支援」の取組といたしまして、首脳会議などのプログラムが円滑に実施できるよう政府を支援する取組のほか、防災・危機管理、保健・医療、公共インフラ、警備といった観点から準備体制を整えてまいります。

次に、「おもてなし」の取組といたしまして、歓迎バナーの設置、プレイベントの開催に加え、県有施設や観光施設などにおける受入環境の整備など、サミット関係者や他県から来広される人たちにとって満足度の高い滞在となるよう、ハードとソフトの両面から整備を進めてまいります。

また、「平和の発信」の取組といたしましては、これまでに行ってきた核兵器廃絶に向けた平和の取組を継続して行うことに加え、「広島でサミットを行うことの意義」の理解促進につながるような取組を実施いたします。

さらに、「広島の魅力の発信」の取組といたしまして、メディアを対象としたプレスツアーや、SNSでの発信、国際メディアセンターなどを活用した積極的な魅力発信に加え、食の磨き上げや県内ホテル等での県産農林水産物の提供に向けたマッチングなどに取り組んでまいります。

最後に、「若者の参画」の取組といたしまして、国際交流プログラムに若者が参画するという体験を通じて、サミット自体を身近に感じていただき、歓迎機運の醸成にもつなげていくとともに、サミットを契機に国際問題等に関心を持つ若者を増やし、そうした若者の挑戦を後押しする取組を進めてまいります。

こうした取組を、県、広島市、地元経済界等、そして様々な関係団体で構成する広島サミット県民会議が中心となって、県民、市民の皆様を含む広島県全体の総力を結集した「オール広島」で、サミットの成功に向けて着実に準備を進めてまいります。

【社会・経済の発展的回復とデジタル化への対応】

次に、社会・経済の発展的回復とデジタル化への対応についてでございます。

デジタル技術が急速に進展する中、地方が持つ様々な資源を生かして、地方を挑戦の場に変革していく、「ローカル・トランスフォーメーション」を実施していく観点から、様々な分野におけるDX施策や産業イノベーションの環境整備などを進めてまいります。

まず、DXの推進についてでございます。

本県の企業や団体等が自律的にDXに取り組む状態へと加速させるためのプランにつきまして、先般、素案をお示ししたところであり、今後、県議会をはじめ、県民の皆様の御意見を伺いながら、本年11月を目途にプランの策定を目指すこととし、「安心▷誇り▷挑戦 ひろしまビジョン」の目指す姿の実現に向けて、県民の皆様の理解・共感を得ながら、本県のDXの加速を図ってまいります。

分野別の取組状況といたしまして、農業分野につきましては、「ひろしまスマート農業推進協議会」において、セミナー等を開催し、スマート農業技術の実証結果を農業者が知り、体験する取組を行うとともに、開発が進んでいる軟弱野菜の収穫予測システムについては、有利販売に向け、実証フィールド以外の農業者にシステムの導入を進め、JA等と連携して、取組を開始しております。

建設分野につきましては、本年6月から運用を開始いたしましたインフラマネジメント基盤「DoboX」を活用し、自主防災組織への災害図上訓練を実施するなど、県民の利便性・安全性の向上等に向けた取組を開始したところでございます。

また、ひろしま空き家バンク「みんと。」におきましては、県外からの移住希望者など遠方在住者とのマッチングの更なる促進を図るため、ウェブ上でリアルな内覧が可能となるVRを用いた物件閲覧機能を新たに実装しました。

 こうした取組に加え、自治体のDX推進に必要となる人材の確保に向け、昨年度、市町との共同研究会を立ち上げたところであり、今年度は、複数の自治体で人材をシェアする仕組みを試行しており、引き続き、県・市町共同で確保・育成できる仕組みの構築を目指して取り組んでまいります。

次に、産業イノベーションの環境整備についてでございます。

本年3月に「ユニコーン10」プロジェクトを立ち上げ、スタートアップ等の伴走支援、ベンチャーキャピタルとのマッチングなどを進めております。

また、今年をスタートアップ創出元年と位置づけている国に対し、スタートアップ等が果敢に挑戦できる環境整備について提案しているところでございます。

「リスキリング推進企業応援プロジェクト」につきましては、今後習得が必要なスキルの明確化、労働市場流動化のための課題などについて検討する第2回協議会を先月開催したところであり、来年7月までのリスキリングの取組指針と労働移動が可能な社会の実現に向けたロードマップの策定に向けた検討を進めております。

また、ITパスポート取得の支援や、経営者を対象とした研修の実施など、引き続き県内企業におけるリスキリングの取組を積極的に後押ししてまいります。

さらに、県内ものづくり企業のDXを推進するため、「広島中央サイエンスパーク」にございます「ひろしま産学共同研究拠点」に新たな研究棟が本年7月に竣工いたしました。

こうした取組により、ものづくりプロセスのデジタル化を促進し、研究から社会実装までの期間を短縮するなど県内企業の競争力をより一層高めてまいります。

【適散・適集社会の実現】

次に、適散・適集社会の実現についてでございます。

まず、中山間地域の振興についてでございます。

中山間地域の地域づくりをリードする人材のプラットフォームである「ひろしま里山・チーム500」には、これまでに500名を超える方々が登録され、各地域で地域づくり活動が実践されております。

今年度から、チーム500の登録者が行う、地域に根付いた活動の後押しを目的として、地域の皆様方と協働して行う新たな活動の立ち上げを支援しているところでございます。

具体的には、これまでに45件の事業を採択しており、地域住民同士が交流しながら人材を育成していくための歴史的建造物の内部改修や、地域住民が協力し合って地域を活性化していくためのプランづくりを、大学生の感性を取り入れながら進めていくといった取組などが始まっているところでございます。

中山間地域に暮らす人々が、将来に向けて、地域の元気さを実感していただけるよう、引き続き、市町と連携して、これらの活動を積極的に支援してまいります。

次に、持続可能なまちづくりについてでございます。

広島市都心の拠点性向上につきましては、八丁堀周辺における公共空間を活用した社会実験の実施や基町相生通地区における再開発事業、広島JPビルディングの竣工に加え、富士見町地区の県有地等を活用し誘致された、国際会議を開催できるハイグレードなホテルであるヒルトン広島が、来月22日に、グランドオープンすることとなっており、広島市の都心としての競争力や国際的なブランド力の向上が期待されるなど、都心のまちづくりが着実に進んでいるところでございます。

【それぞれの欲張りなライフスタイルの実現】

次に、それぞれの欲張りなライフスタイルの実現についてでございます。

まず、学びの変革の推進についてでございます。

国の「英語教育実施状況調査」の結果を受け、本県において、とりわけ課題となっている、中学校英語「話すこと」に関する取組を重点的に行うこととし、県内中学生のスピーキング力評価のための予備調査を実施するなど、「話す事」に関する力の向上を図るため、必要な経費を9月補正予算に計上しております。

次に、持続可能な医療・介護提供体制の構築についてでございます。

地域医療構想の実現に向けた取組といたしまして、本県では有識者会議の提言である「高度医療・人材育成拠点ビジョン」を踏まえ、本年4月に推進会議を設置し、ビジョンの実現可能性の検討を進めているところでございます。

先般、新たな拠点に求められる医療機能や関係機関との機能分化・連携につきまして、中間とりまとめを発表したところであり、引き続き、関係機関と医療機能の分化・連携や医療人材の育成、交流に向けた協議を行うなど、ビジョンの実現可能性の検討を着実に進めてまいります。

次に、治安・暮らしの安全の確保についてでございます。

水道事業につきましては、本年7月、県と県内14市町で構成する「広島県水道企業団設立準備協議会」において、企業団の事業計画と規約案が了承されたことから、今次定例会に、企業団設立に関する議案を提出しております。

統合以外の連携を選択する7市町とは、業務の効率化による経営基盤の強化を図るため、職員研修の共同実施などの連携方策に取り組んでまいります。

引き続き、持続可能な水道システムを構築するため、水道事業の広域連携の推進に着実に取り組んでまいります。

また、自転車の利用促進と安全な利用が図られることを目的として、今次定例会に、自転車の活用の推進及び安全で適正な利用の促進に関する基本的事項等を定める条例案を提出しております。

次に、環境への負荷の少ない社会の構築についてでございます。

カーボンリサイクルにつきましては、国が整備した大崎上島町のカーボンリサイクル実証研究拠点において順次研究が開始されている10件のテーマに加え、今月、県が新たに創設した研究・実証支援制度「HIROSHIMA CARBON CIRCULAR PROJECT」において、9件の研究・実証テーマを採択するなど、カーボンリサイクル関連技術の拠点化に向けた取組を進めております。

海洋プラスチックごみ対策につきましては、「GREEN SEA 瀬戸内ひろしま・プラットフォーム」の参画企業と連携して、先月から順次、代替素材を活用したワンウェイプラスチックの削減やデポジット制による容器のリユースなど、プラスチックの使用量削減に向けたモデル事業を開始したところでございます。

企業のこれまでにない新たな取組を支援し、海洋プラスチックごみ削減に向けた取組をより一層加速してまいります。

また、産業廃棄物の埋立抑制等に向けた取組につきましては、これまで産業廃棄物埋立税の税収を活用して、デジタル技術を活用したリサイクル施設の整備等による3Rの推進、不法投棄監視体制や災害廃棄物処理体制の強化、環境学習の支援などに取り組んできたところでございます。

引き続き、これらの循環型社会の形成に関する施策を実施していくため、今次定例会に、産業廃棄物埋立税の課税期間を5年間延長する改正案を提出しております。

次に、観光・スポーツ資源を活用した地域づくりについてでございます。

来月30日には、しまなみ海道を舞台に、4年ぶりとなる国際サイクリング大会を開催いたします。

国内外の約7,000人の参加者の皆さんに、わが国を代表するサイクリングロードの魅力を存分に体感していただけるよう、盛り上げてまいりたいと考えております。

また、東京2020パラリンピック競技大会により、県民のパラスポーツへの関心が高まる中、来月20日から、世界10か国以上から約120人のセーラー達が、広島湾を舞台に熱戦を繰り広げる、ヨットの国際大会「2022ハンザクラスワールド」が開催されます。

さらに、11月には、全国から知的障害のあるアスリートが広島に集まり、日ごろの練習の成果を発揮し競い合う「スペシャルオリンピックス2022広島大会」が開催されるなど、こうした機運を捉え、「誰もがスポーツに親しむことができる環境の充実」に向け、引き続き取り組んでまいります。

【激甚化・頻発化する災害への対応】

次に、激甚化・頻発化する災害への対応についてでございます。

平成30年7月豪雨災害により被災した公共土木施設の災害復旧事業につきましては、先月末時点で全2,550箇所のうち、約9割に当たる2,338箇所の工事が完成しており、引き続き建設事業者の確保に向けた対策などを講じながら、本年度中の完成に向けて取り組んでまいります。

農地・農業用施設につきましては、先月末時点で全4,267箇所のうち、4,162箇所の工事に着手し、このうち9割に当たる3,692箇所が完成しております。

令和3年7月及び8月豪雨等に伴う災害につきましては、県が管理する公共土木施設では全951箇所、山地・治山施設、林道、農地・農業用施設では1,080箇所について、人家に近接するなど早期復旧が必要な箇所から工事を進めており、引き続き、早期完成に向けて取り組んでまいります。

令和3年豪雨により甚大な浸水被害が発生した6河川における改良復旧プロジェクトの進捗状況につきましては、三原市を流れる天井川では、堤防強化のための築堤工事などが3割程度進んでいるほか、東広島市の三津大川や竹原市の本川などでは、地元住民へ丁寧に説明を行いながら、測量・地質調査・設計を進めているところでございます。

本川流域及び江の川上流域につきましては、流域のあらゆる関係者が協働して治水対策を行う「流域治水」を強力に推進するため、本年7月に特定都市河川流域として指定し、流域の関係者で構成される流域水害対策協議会を、今月末に開催する予定としており、総合的な浸水被害対策等を取りまとめた流域水害対策計画を策定するための検討・協議を開始したところでございます。

引き続き、早期の復旧・復興に向けた取組を進めるとともに、県民の皆様の安全・安心の確保に努めてまいります。

2. 当面する県政の諸課題への対応

次に、当面する県政の諸課題への対応について、御報告いたします。

まず、広島高速5号線についてでございます。

牛田地区の住宅地区間におけるシールドトンネル工事につきましては、事業主体である広島高速道路公社において、住民の皆様の安全・安心の確保について十分な対策を取りながら、慎重に工事を進めているところでございます。

こうした中、安全に工事を進めるための対策費用等が必要となっており、これらの費用負担等に係る契約変更の内容について、受注者から公社に対して、建設工事紛争審査会に調停申請する意思が示されたところでございます。

公社及び受注者ともに、安全・安心を第一として、早期完成を目指し工事を継続していく意思を示しており、県といたしましても、引き続き、公社や広島市と連携し、公正性・透明性の確保を図りながらの早期の合意と、着実な事業推進に取り組んでまいります。

次に、鉄道ローカル線についてでございます。

本年7月に開催された国土交通省主催の有識者による検討会におきまして、「地域の将来と利用者の視点に立ったローカル鉄道の在り方に関する提言」が取りまとめられ、国土交通省に提出されたところでございます。

提言には、輸送密度1,000人未満の線区などを目安として、国が中心となって開催する「特定線区再構築協議会」を設置することなどが記載されており、今後、国において、検討会の提言を基に制度化がなされていくことになると思われます。

県といたしましては、ローカル線と沿線の活性化を含めた幅広い議論も行われるよう、引き続き国に要望してまいります。

3. 令和4年度補正予算案等の概要

次に、今回提出いたしました議案について、その概要を御説明いたします。

まず、一般会計補正予算案につきましては、6月補正予算編成後の状況変化等を踏まえ、必要性が認められる事業に適切に対応することを基本として、編成しております。

具体的な補正の内容でございますが、「原油価格・物価高騰対策」のほか、「新型コロナウイルス感染症対策」や「広島サミットの推進」の取組などに、時機を逃さず対応するための経費について、予算を計上しております。

これらの結果、一般会計の歳入歳出補正予算額は、473億2,423万円の増額となり、本年度予算の累計額は、1兆2,265億7,431万円となります。

次に、予算以外の議案といたしまして、「広島県個人情報の保護に関する法律施行条例」などの条例案11件、人事案件といたしまして、「広島県教育委員会委員の任命の同意について」など3件、その他の議案では、「工事請負契約の締結について」など8件を提出しております。

また、報告事項として、専決処分報告などを提出しております。

どうぞ、慎重に御審議いただき、適切な御議決をいただきますよう、よろしくお願いいたします。​

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