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令和2年広島県議会9月定例会(令和2年9月18日)

印刷用ページを表示する掲載日2020年9月18日

知事説明要旨

9月定例県議会の開会に当たり、ただいま提出いたしました議案の説明に先立ちまして、新型コロナウイルス感染症への対応及び本年度主要施策の取組状況について、御報告いたします。

1,本県を取り巻く情勢と認識

まず、令和2年7月豪雨災害への対応についてでございます。

近年、非常に活発な梅雨前線などに伴う、短時間の記録的な豪雨により、大規模な河川の氾濫や土砂災害が全国各地で相次いでおり、この度も、九州をはじめとする各地で甚大な被害をもたらしました。

本県におきましても、2名の方がお亡くなりになられており、衷心より哀悼の意を表しますとともに、被災された多くの方々に、心からお見舞いを申し上げます。

この豪雨により、県内では、県が管理する公共土木施設で318箇所57億円、農林水産関係で1,265箇所31億円の被害が発生しており、被災直後から道路に流出した土砂の撤去や、堤防の一部が崩壊した箇所の応急復旧などに取り組んでまいりました。

早期の災害復旧及び防災・減災対策を進めるため、必要な経費を9月補正予算に計上しており、引き続き、県民の皆様の安全・安心の確保に努めてまいります。

あわせて、先の台風第10号でも公共交通機関を中心に影響が出るなど、台風が多く発生する時期を迎えておりますことから、引き続き、緊張感をもって対応に当たってまいります。

2,新型コロナウイルス感染症への対応

続きまして、新型コロナウイルス感染症への対応について、御説明いたします。

本県では、新規感染者が5月上旬から約2か月発生しておりませんでしたが、6月末から300人を超える感染者が発生しており、感染経路が不明な感染者の割合も高くなっております。

しかしながら、感染者は7月末をピークに、8月には減少傾向を示しており、現在は散発的な発生に抑制されております。
また、検査体制や医療提供体制にも特段の支障はないことから、専門家の御意見も踏まえ総合的に判断して、感染状況は国が示すステージ1に相当すると考えております。

一方、新型コロナウイルス感染症の拡大による経済への影響は極めて厳しく、本年4月から6月までの間の我が国の実質経済成長率は年率換算でマイナス28.1パーセントと戦後最大の落ち込みであり、県内経済についても、幅広い業種で深刻な影響を受けております。

一部、生産や輸出では持ち直しの動きも見られますが、個人消費の回復は足踏み、観光では8月の宮島来島者数が前年比約4割となるなど、依然として厳しい状態が続いております。

また、県内各地の人の往来につきましては、本年1月下旬と比較して、5月の大型連休時には約2割にまで減少いたしましたが、6月以降は、平日では約8割から9割、休日は約6割から7割で推移しております。

こうした中、感染拡大を最小限に抑えるためには、感染者を早期に発見し、治療につなげることで、感染の連鎖を遮断していくことが重要であり、本県では、県民と事業者の皆様、そして行政が一体となって、積極的に感染拡大防止対策を展開するため、7月21日に「広島積極ガード宣言」を発表いたしました。

具体的には、県民及び事業者の皆様に、3密の回避やマスク着用、ガイドラインに沿った感染防止策など徹底した予防対策に取り組んでいただくと同時に、行政では「検査体制の拡充」と「検査対象の拡大」に取り組み、できるだけ早期に新規感染者を発見し入院等の措置を行う感染拡大防止対策を進めております。

また、国において、感染状況を4つのステージに分け、状況の悪化を示す指標が示されたことを踏まえ、先月末、本県では、4つのステージに区分した上で、行動制限が必要となるステージ3に移行しないように対策を講じる目安となる独自の警戒基準値を設定いたしました。

本県といたしましては、ステージ3の状態になる前に対策を講じて、県民の皆様が日常の生活を続けられる状態を維持しながら、感染拡大を抑えていきたいと考えております。

さらに、イベントの開催につきましては、参加人数の上限を5,000人以下とすることなどを条件としておりましたが、国の分科会の提言を踏まえ、明日から緩和することとしております。

これらを踏まえ、引き続き新型コロナウイルス感染症の拡大による様々な課題に迅速かつ適切に対処し、感染拡大の防止と社会経済活動を両立させていくため、必要な経費を9月補正予算に計上しております。

これまでの取組状況と合わせて、その主な内容を御説明いたします。

はじめに、「感染拡大防止対策」についてでございます。

検査体制につきましては、これまでも医療機関や検査機関の協力の下、段階的に強化しているところでございますが、今後、秋から冬にかけて、季節性インフルエンザの流行期を迎え、風邪症状を呈する患者の増加が見込まれておりますことから、更なる検査機器の導入支援等により、県外の検査機関を含めた検査能力を、現在の1日3,800件から、年内には5,100件、年度末には5,700件に拡充してまいります。

また、国の取組に先駆けて、県内の内科系・小児科系医療機関の約4割に当たる770を超える機関の協力を得て、保健所を経由せず身近な医療機関での唾液によるPCR検査を順次実施しており、検査の窓口を大幅に広げるとともに、検査までの時間の短縮を図っております。

さらに、感染症指定医療機関等の医療従事者に対する定期的な検査に加えて、重症化しやすい高齢者や重度の障害者が入所する介護施設等の職員を対象に、定期的な検査を実施してまいります。

あわせて、クラスター発生時の応援体制といたしまして、市町及び関係団体と連携して介護施設等の間で職員を派遣する体制を構築しておりますほか、災害医療の専門チームであるDMATやDPAT等の隊員への研修を実施し、感染症の専門家と協働して、現地で支援活動を行う新たな仕組みを構築してまいります。

また、県と保健所設置3市それぞれが保管・分析していた感染者や疫学調査の情報を一元化し、分析を行うため、情報分析センターを設置したところであり、これまで以上に迅速かつ効果的な感染予防策に取り組むとともに、分析結果を踏まえた感染リスクの内容等を周知することで、県民の皆様の安心の醸成と感染予防に対する自主的行動につなげてまいります。

次に、「医療提供体制等の確保」についてでございます。

現在、突発的なクラスターの発生にも対応できる体制として、医療機関の協力を得て17病院222床の入院病床を確保するとともに、軽症者等が宿泊療養するためのホテルを借り上げ、約300室を運用しております。

今後の感染拡大に備え、ピーク時においては最大500床の入院病床と、最大700室の宿泊療養施設を既に確保しており、患者数に応じた効率的・弾力的な運用により、万全の医療提供体制を確保してまいります。

次に、「安全・安心な県民生活」についてでございます。

店舗における感染症対策を「見える化」する仕組みとして開始した新型コロナウイルス感染症対策取組宣言店について、これまでに7,400件を超える店舗から宣言をいただいております。

先月28日には、業界団体と連携して飲食店を集中的に訪問し、この取組への参加を呼びかけるとともに、宣言店における感染症対策の実地確認を行うなど、県民の皆様が安心して飲食店等をご利用いただけるよう、引き続き取り組んでまいります。

また、「広島積極ガード宣言」に基づき、県独自にQRコードを活用して、感染者と同じ時間帯に同じ施設を利用した方に対して、感染者と接触した可能性のあることを通知するサービス「広島コロナお知らせQR」を先月14日から開始いたしました。

このサービスは、利用者が通知を受けた場合には、PCR検査の申込みフォームへ案内されるため、利用者が問合せ先を探すことなくスムーズに検査申込ができるもので、これは国の接触確認アプリCOCOAでの実施に先駆けた、本県独自の仕組みとなっております。

より多くの皆様に、このサービスをご利用いただくことにより、感染者に接触した可能性がある方に対して素早く注意喚起し、これまでの調査では把握しきれなかった不特定多数の施設利用者に対する検査の促進や、お知らせを受けた方への円滑なPCR検査の実施につながるものと考えております。

開始から1か月で、事業者の皆様の登録は2,200件、県民の皆様の登録は延べ14,400人を超えており、引き続き、多くの方にご利用いただけるよう普及・啓発を図ってまいります。

また、新型コロナウイルスへの不安を抱える妊産婦が安心して妊娠・出産できるよう、7月から助産師によるオンラインでの相談体制を整備するとともに、医療機関、市町と連携して、感染が確認された妊産婦に対する退院後の寄り添い型支援の体制を構築しております。

あわせて、小児医療、透析医療、精神疾患等の医療体制についても、関係医療機関と調整し、重症度に応じた受入体制の整備を進めております。

次に、本県経済の回復につきましては、短期的な取組として、感染拡大により厳しい状況にある事業の継続と雇用維持を支える取組を行いながら、中長期的な取組として、新しい生活様式に対応した事業の展開を支援するとともに、経済活動の安定的発展に向けた取組を推進していく必要があると考えております。

まず、短期的な取組である「3密を避けた事業継続と雇用維持」についてでございます。

中小企業者への金融支援として創設いたしました実質無利子・無担保の融資制度につきましては、今月15日までに約21,000社に対し、約3,300億円を融資しているところであり、社会保険労務士や各商工団体等と連携して設置しております雇用・経営相談窓口と合わせて、引き続き中小企業等の事業継続を支援してまいります。

観光・飲食関連事業者に対するクラウドファンディングを活用した資金調達支援につきましては、先月末に募集が終了いたしました飲食関連では、1,230事業者に対し1億6,500万円を超える支援をいただいたところでございます。

11月末までを募集期間としております観光関連では、これまでに192事業者に対して4,400万円以上の支援をいただいており、引き続き、各事業者の取組をPRするなど、更なる資金調達支援に努めてまいります。

また、本県や近隣県の皆様を対象とした、宿泊割引プラン等につきましては、先月末までに延べ45,000人以上の観光客の皆様にご利用いただいているところでございます。

今後、これらの割引制度や、来月から開始を予定している「せとうち広島デスティネーションキャンペーン」などを活用し、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえながら、誘客促進を強化してまいります。

県産品販売支援のためのキャンペーンサイト「ひろしまモール」につきましては、6月の運用開始から、商品の掲載件数を増やすとともに、SNSや新聞等でのPRを進めることにより、サイトの魅力向上や売上増加を図るなど、引き続き県産品の消費拡大に取り組んでまいります。

これらの取組に加えて、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている様々な事業者の皆様の事業継続を新たに支援してまいります。

外出自粛要請等により、利用者が大幅に減少し、収益が悪化している公共交通事業者につきましては、県民の移動手段の確保を図るため、運行継続を支援するとともに、利用者の需要喚起を図る取組や新しい生活様式に対応するための設備投資への支援を行ってまいります。

また、入場制限等により経営を圧迫されている地元プロスポーツチームの支援や県民の皆様が安心してスポーツを「する」「見る」「支える」ための環境づくりを行うとともに、イベントの中止・自粛が続いている文化芸術活動の維持や活性化を図るため、新しい生活様式に則したイベント開催を支援してまいります。

さらに、寄附金等の収入が減少し、社会貢献活動の継続に支障が生じているNPO法人等につきましても、その活動の継続を支援してまいります。

次に、中長期的な取組であります「新しい生活様式を踏まえた経済活動の安定的発展」についてでございます。

飲食店等が行うテイクアウトやデリバリー等への新規参入支援につきましては、意欲的に取り組む事業者が多く、予算規模を拡大して支援を行った結果、約1,500件の事業者の参入が図られております。

また、ICTツールの導入が遅れている県内中小企業者に対して、サービス産業等に係る新しい生活様式に対応した新たなビジネスモデルの展開と、県内企業の事業継続に向けた新事業展開や業態の抜本的転換の後押しをしてまいります。

さらに、国内観光客はもとより、将来のインバウンド需要の回復も見据え、誰もがストレスなく、安全・安心に県内周遊観光を楽しめるよう、自動チェックインシステムの導入やAIカメラ等による観光施設の混雑状況の可視化など、デジタル技術等を活用した受入環境の整備を図ってまいります。

あわせて、「ひろしまサンドボックス推進協議会」に集まる1,200者を超える会員の更なるチャレンジの促進と、より多様な人材の集積を図るため、デジタル技術を活用した新しい生活様式に適応する製品やサービスの提案を全国から募集し、県内外のプレーヤーが協働して新たな価値を創造できるよう、県内フィールドでの開発から実証までを支援してまいります。

新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に生活を重視するライフスタイルへの関心が高まり、働き方も見直される中、地方移住希望者や地方移転に関心を持つ企業が増えつつあります。

このため、移住につきましては、地域と関わりながらより創造的な仕事ができる環境の整備や求めるライフスタイルが体験できるコンテンツ作成などを行い、ウィズコロナを見据えた移住先としてのブランドを構築いたします。

また、企業の移転については、本社・研究開発機能やIT企業などの誘致の強化に取り組むとともに、製造業を中心にAI導入やロボット化などの生産性向上に向けた抜本的な見直しを行う企業の設備投資を促進するため、期間限定で新たな助成制度を創設いたします。

次に、「教育機会の確保」についてでございます。

県立学校の校内通信ネットワーク整備につきましては、国庫補助金を活用し、普通教室への無線LAN整備を進めておりますが、新型コロナウイルス感染症による臨時休業を契機に、学習用クラウドサービスを通じた課題配信や授業での活用が大幅に増加したことを踏まえ、整備対象教室を特別教室等へ拡大するとともに通信回線を増強してまいります。

次に、「事業見直し」についてでございます。

5月補正予算におきまして、更なる新型コロナウイルス感染症対策や経済の低迷により想定される税収減などへの備えが必要となることから、歳入・歳出両面であらゆる財源確保策に取り組むため、全事業を対象に事業見直しを実施いたしました。

現時点におきましても、今後の見通しが不透明な状況にあることから、その後の状況変化を踏まえたフォローアップを実施し、感染症対策のための地方創生臨時交付金対象事業の見直しを含めて、約43億円の財源を確保いたしました。

新型コロナウイルス感染症につきましては、今後も状況が刻々と変化していくことが予想されますが、引き続き、検査体制の拡充や検査対象の拡大、積極的疫学調査の徹底などの感染拡大防止対策に取り組むことで、再度の行動を制限する事態に陥ることを極力回避し、感染拡大防止と社会経済活動の両立に全力で取り組んでまいります。

3 ,令和2年度主要施策の概要

続きまして、平成30年度7月豪雨災害からの復旧・復興及び県民の皆様の欲張りなライフスタイルの実現を一層応援するための施策について、主な事業の取組状況を御説明いたします。

【創造的復興による新たな広島県づくり】

まず、「創造的復興による新たな広島県づくり」に向けた取組でございます。

はじめに、被災された方々の住宅再建につきましては、発災後2年間での仮住居の解消に向け取組を進めた結果、呉市の災害公営住宅への入居が始まるなど先月末時点で入居世帯は108世帯となり、ピーク時の約1割まで減少いたしました。

引き続き、災害関連事業の進捗等により再建が遅れる世帯の方々への応急仮設住宅の供与期間を延長するとともに、そのほかの世帯の方々については、市町や関係機関と密に連携しながら個々の事情や状況に応じたきめ細かな支援を実施するなど、早期の住宅再建に向けて取り組んでまいります。

次に、インフラの復旧についてでございます。

早期の復旧・復興に向けて取り組んでおります災害関連工事の進捗状況といたしましては、公共土木施設の災害復旧事業では、先月末時点で全2,550箇所のうち、2,133箇所の工事に着手し、このうち1,155箇所の工事が完成しております。

砂防・治山の災害関連緊急事業につきましては、本県が実施する全170箇所のうち、先月末時点で166箇所の工事に着手し、このうち66箇所が完成しております。

農地・農業用施設の災害復旧事業につきましては、全4,370箇所のうち、先月末時点で2,900箇所の工事に着手し、このうち1,488箇所の工事が完成しております。

これらの災害関連工事につきましては、県実施の工事では、今年度末までに全体の約8割の完成を目指して取り組むとともに、市町が事業主体である農地・農業用施設の復旧では、被災箇所の一部を県が受託して早期の工事完成に努めるなど、市町と連携して早期の復旧・復興に努めてまいります。

また、中・長期的な視点に立った計画的な事前防災を進めるため、今後の水害・土砂災害対策の実施方針の検討を進めており、先般開催した検討会議で有識者の方々から御意見をいただいたところでございます。

この実施方針等を踏まえ、今年度、次期「社会資本未来プラン」や事業別整備計画を策定することとしており、より効果的なハード対策による事前防災を推進するとともに、災害リスクに対して適切に判断し、命を守る行動につなげるためのソフト対策の充実・強化を図ることで、将来にわたって県民の皆様が安全・安心に暮らすことができるよう県土の強靭化に取り組んでまいります。

次に「みんなで減災」県民総ぐるみ運動についてでございます。

災害が発生するおそれが生じた際の行動や、自分と家族の避難のタイミングを、あらかじめ決めておく、「ひろしまマイ・タイムライン」につきまして、全ての児童を対象に、授業や宿題などの機会を活用して、取り組んでいただけるよう、7月上旬に県内全小学校に教材を配布したところでございます。

引き続き、全ての小学校において、教材が活用され、マイ・タイムラインの作成が進むよう、市町教育委員会等と密接に連携し、取組を促進してまいります。

また、パソコンやスマートフォン等でもマイ・タイムラインを気軽に作成できるよう、7月14日に、専用Webサイトを開設し、幅広い層の県民の皆様に向けて、活用を促しているところでございます。

引き続き、より効果の高い被害防止策を実施し、災害に強い広島県の実現を目指します。

【欲張りなライフスタイルの実現】

次に、「欲張りなライフスタイルの実現」に向けた取組でございます。

はじめに、「デジタルトランスフォーメーションの推進」についてでございます。

新型コロナウイルス感染症を契機として、デジタル技術の有益性が改めて認識されており、今後、オンライン教育やテレワークなどを快適に行い、「新しい生活様式」を実践していくためには光ファイバ等の情報通信基盤の整備が不可欠でございます。

このため、県内全域で光ファイバ等が利用できる環境の実現に向け、新たに光ファイバの整備や設備の増強を行う市町を支援することとし、必要な経費を9月補正予算に計上しております。

また、「新しい生活様式」に対応した取組では、「広島コロナお知らせQR」などに加えて、スポーツや観光などの新たな分野においても、デジタル技術を活用した取組を進めてまいります。

さらに、複数の交通手段を一つのサービスとして利用できるMaaSの取組を進め、利便性の高い新たな地域公共交通体制を整備するため、県内全域で使える定額デジタルチケットの試験運用により、事業者間連携や事業性の検証を進めることとし、必要な経費を9月補正予算に計上しております。

この事業の実施に当たりましては、本年7月末に経済産業省のMaaS推進事業に採択されたモビリティデータ連携基盤を構築する実証事業とも連携して取り組んでまいります。

このほか、デジタル技術を活用したインフラマネジメントにより、河川水位や土砂災害警戒情報などの災害リスク情報を個人に最適化してリアルタイムで提供するなど、様々な取組で県民の利便性・安全性の向上等を目指すこととし、「広島デジフラ構想」として推進してまいります。

これまでに、県が保有するインフラデータの一元化やオープン化、民間企業等とのデータ連携による建設分野の生産性向上、新たなサービス創出の推進を柱とした、システム基盤の全体像を取りまとめたところであり、引き続き検討を進め、令和4年の運用開始を目標に取り組んでまいります。

上下水道事業についても、将来にわたり、安心・安全な水を安定供給できるよう、デジタル技術を活用した業務の効率化について調査・検討を進めており、来月から、職員の知識や経験に依存していた浄水場における薬品注入を、AIにより自動化する技術の実証実験に取り組むこととしております。

こうしたデジタル技術を活用した取組を全県に広げ、変革のスピードを加速させるためには、県民が一体となって推進する必要があると認識しております。

このため、企業、教育機関、研究機関、金融機関、行政で目指す姿を共有し、地域課題の解決や地域経済の発展を実現する機運の醸成、共に実践できる環境の整備に向けて、今後、これらの関係者が参画する推進協議会を設立し、取組を進めてまいります。

次に、「社会で活躍する人材の育成」についてでございます。

来年4月の開学を目指しております叡啓大学につきましては、先日、新型コロナウイルス感染症の拡大防止への対応のため、設置認可申請に係る審査スケジュールに遅れが生じている旨、文部科学省が公表したところでございます。

本県といたしましては、来年度の開学に支障を来さないよう、公立大学法人県立広島大学と連携して、文部科学省との調整や入学志願者確保に向けた広報活動、カリキュラムの整理、施設の改修など、必要な準備に取り組んでまいります。

次に、「イノベーション・エコシステムの共通基盤の強化」についてでございます。

本年7月には、内閣府より、広島地域が「スタートアップ・エコシステム拠点都市」に選定され、今後は、特に、グローバルな視点で取組を進めていくこととしております。

世界でも有数のIT大国インドにおいて新事業の創出や創業を支援する最大級の施設である「T-Hub」と、日本の自治体で初めてパートナーシップを結び、インドの企業やデジタル人材と、県内企業が共同して、新たな事業を創造するプログラムを開始いたします。

また、各分野のトップレベルの専門家を講師として、様々な社会的課題を解決する人材を育成するビジネススクールを、来月23日にイノベーション・ハブ・ひろしまCampsで開校いたします。

引き続き、新しい事業が次々と生まれる事業環境の形成を推進してまいります。

次に、「担い手が生活設計を描ける農林水産業の確立」についてでございます。

本県農業における担い手の育成を行うため、産地の核となる若手農業者を対象として、経営発展意欲の醸成を図る講座を農業経営者学校に新設いたしました。

本年7月から県内4地域で実施したところ、定員を上回る50名が受講し、そのうち22名が次のステップの経営発展実践コースの受講につながっています。

また、新たな農業ビジネスを創造する人材の育成を目指して、県立広島大学と連携して昨年度新設したアグリ・フードマネジメント講座につきましては、11月の開講に向けた準備を進めております。

こうした経営発展段階に応じた支援を着実に実施することにより、経営力の高い担い手の育成につなげてまいりたいと考えております。

次に、「中山間地域の地域力強化」についてでございます。

地域づくりをリードする人材のプラットフォームである「ひろしま里山・チーム500」には、これまでに350名を超える方々が登録され、地域に根差した様々な活動が実践されております。

こうした活動の継続と発展を後押しするため、「ひろしま『ひと・夢』未来塾」に昨年度新設した起業支援の専門コースを、今年度はオンラインで実施することで、先月26日に開講いたしました。

また、新しい生活様式への対応が求められる状況下で、テレワークが急速に普及し、地方での分散勤務への注目が高まっている中、中山間地域へのサテライトオフィス誘致に取り組んでおり、現在、数社の企業で進出に向けて具体的に検討をいただいているところでございます。

今後とも、進出企業の情報等を発信しつつ、中山間地域ならではのワークスタイルの実現につながるよう積極的に取り組んでまいります。

次期「広島県中山間地域振興計画」につきましては、目指す姿や課題などを整理した「中間まとめ」を踏まえ、現在、地域の課題解決に向けた意欲ある方々の主体的な活動への後押しやデジタル技術を活用した新たな生活サービスの導入に対する市町への支援など、取組の方向性を加えた素案の作成を進めております。

今後、県議会をはじめ、関係市町や、県民の皆様の御意見を伺いながら、年内の計画策定に向けて、引き続き、全庁的な体制の下でしっかり検討を深めてまいります。

次に、「都市圏の活力強化」についてでございます。

広島市都心の拠点性向上につきましては、今月16日に広島駅周辺及び紙屋町・八丁堀の都市再生緊急整備地域のうち、都市の国際競争力の強化を図る上で特に有効な地域が、特定都市再生緊急整備地域に指定され、税制面の特例や都市拠点インフラの整備に対する予算支援など支援措置の拡充が図られることになりました。

引き続き、これらの支援措置も活用しながら、広島市と連携して中枢都市にふさわしい都市機能の充実・強化に向けた取組を推進してまいります。

サッカースタジアムにつきましては、本年3月に策定した基本計画に基づき、発注に向けた検討を進め、まず、スタジアム本体や隣接する広場などの設計施工を一括発注し、その後、広場の賑わい創出に係るPark-PFI事業者の募集を行うこととしたところであり、この度、広島市におきまして、スタジアム本体等の設計施工の発注に伴う、債務負担行為予算案が市議会に提案されたところでございます。

引き続き、県議会の皆様の御意見を伺いながら、基本計画に沿ったスケジュールを念頭に、広島の新たなシンボルとして、県民の皆様に楽しんでいただき、年間を通じて賑わいを生み出す拠点の実現に向け、引き続き、事業主体である広島市と連携し取り組んでまいります。

広島空港の経営改革につきましては、来年7月からの空港運営の民営化に向けて国において運営権者の選定手続が進められているところであり、今月11日に、三井不動産を代表企業として地元企業10社を含む16社で構成する「MTHSコンソーシアム」が、優先交渉権者に選定されました。

県といたしましては、空港経営改革の導入が更なる地域活性化の契機となるよう、国や新たな運営権者と連携しながら、引き続き、広島空港の利便性向上と機能強化に取り組んでまいります。

次に、「スポーツを核とした地域づくり」についてでございます。

本年4月に設置いたしましたスポーツを通じて地域活性化を支援する「スポーツアクティベーションひろしま」におきまして、県内各市町のスポーツ資源を活用した取組「わがまち・スポーツ」(・はハートマーク)を推進しております。

現在、モデル事業として、福山市、府中市、北広島町の取組を支援しており、Webサイトによるスポーツ情報の戦略的発信とあわせて、スポーツを核とした豊かな地域づくりを推進してまいります。

次に、「国際平和拠点ひろしまの形成」についてでございます。

被爆・終戦から75年を迎え、核兵器廃絶に向けた機運を高め、賛同者の更なる拡大を図るため、オバマ前米国大統領やローマ教皇を始めとした、核兵器廃絶に積極的に取り組んでいる世界的な著名人から、今後の広島へのメッセージをいただき、Webサイトから発信いたしました。

また、7月から8月にかけて、グローバルに活躍できるリーダーの育成を目指す「核兵器と安全保障を学ぶ広島-ICANアカデミー」を開講し、世界に具体的に貢献できる人材の養成に取り組んだほか、国連と連携した国際平和のための対話イベント「UN75 in Hiroshima」を開催し、核軍縮に向けた国際的な機運醸成を図ったところでございます。

さらに、「2020世界平和経済人会議ひろしま」では、ビジネスと平和構築の在り方との関係を多面的に議論し、「積極的平和」の実現に向けた新たな行動を始めるための「2020広島宣言」を発表いただきました。

今回、オンラインで開催したことで、県外を中心に例年の倍以上の方々に御参加いただくとともに、多数のグローバル企業のトップの登壇が実現し、発信力の強化につながったものと考えております。

今後も、こうした取組を通じて、被爆地広島から核兵器廃絶の実現に向け、力強い平和のメッセージを発信し、国際平和拠点として核兵器のない平和な世界の実現に貢献できるよう取り組んでまいります。

4,当面する県政の諸課題への対応

次に、当面する県政の諸課題への対応について、御報告いたします。

まず、「旧広島陸軍被服支廠」についてでございます。

旧広島陸軍被服支廠につきましては、新たな知見が得られたことから、これに基づいて、煉瓦建築等の専門家で構成する検討会議を設置して、意見を聴取しながら、安全対策と新たな耐震補強工法に関する調査・検討を行うこととしており必要な経費を9月補正予算に計上しております。

年内を目途に、安全対策等について、取りまとめていきたいと考えており、その報告を踏まえて、県議会の皆様の御意見を伺いながら、最終的な方向性を整理してまいりたいと考えております。

あわせて、国・広島市との連携等につきましては、国・県・市で構成する研究会の場などを活用しながら、検討を進めてまいります。

次に、「広島高速5号線」についてでございます。

広島高速道路公社の組織風土を抜本的に改革していくため、本年7月に民間出身の理事長を任命するとともに、公社役員へ外部人材を登用するなど、公社の業務執行体制や組織体制等の改善に向けて取り組んでいるところでございます。

県といたしましては、引き続き、広島市及び公社と連携し、再発防止や公社の風土改革に向けた取組を進め、その状況を節目節目で議会へ報告するなど、県民の皆様に対しまして、適切かつ丁寧な対応に努めながら、着実な事業推進に取り組んでまいります。

次に、「広島市東部地区連続立体交差事業」についてでございます。

当事業につきましては、1期区間である向洋駅周辺における鉄道工事着手に向けて、先月、JR西日本が準備工事を発注したところでございます。

今後、県、広島市及びJR西日本が共同で工事に関する説明会を実施することとしており、地元住民の皆様の御理解と御協力を得ながら、引き続き、共同事業者である広島市と連携し、早期の工事着工に向けて取り組んでまいります。

次に、「動物愛護センター移転事業」についてでございます。

現施設は開設から40年が経過する中、老朽化し、感染対策も不十分で犬猫の譲渡促進が困難な状況となっていることから、収容頭数削減対策と返還譲渡促進策を推進するため、来年度以降、PFIにより中央森林公園隣接地に移転整備を進めていくこととし、事業者との契約に向けた手続きを進めてまいりたいと考えております。

次に、新たな総合計画となります「安心・誇り・挑戦 ひろしまビジョン」(・は右向き白三角)についてでございます。

先月、広島県総合計画審議会から答申をいただき、県議会をはじめ県民の皆様の御意見も伺いながら、新たな広島県づくりに向けて、10年後の目指す姿とその実現に向けた取組の方向性を取りまとめたところでございます。

先行きが不透明で変化が激しい時代におきましても、県民の皆様お一人お一人の生活の基軸は、仕事と暮らしの充実であることに変わりありません。

このため、新たなビジョンでは、県民の皆様お一人お一人の暮らす環境や立場がそれぞれ異なる中におきましても、まずは、県民の皆様が抱く不安を軽減して安心につなげるとともに、誇りにつながる本県独自の強みを伸ばして、安心の土台と誇りの高まりにより、県内のどこに住んでいても、県民一人一人が、夢や希望に挑戦できる社会を目指してまいります。

また、新型コロナウイルスによる危機は、改めて、基本的な安全・安心の大切さを認識させるとともに、これまで効率性・利便性を追求してきた密の状態から、人と人との距離を保つ分散の大切さへの気付きをもたらしました。

こうした新たな価値観を前提とした今後の社会におきまして、新しい生活様式や働き方、適切な空間の確保などが求められる中、本県の強みである密過ぎない都市と、美しく自然豊かな中山間地域による「都市と自然の近接性」を最大限生かした「適切な分散」と、多様なイノベーションを創出する知の集積などに必要な「適切な集中」をうまく組み合わせ、それぞれの地域特性を生かした適散・適集な地域づくりを進め、県全体の持続的な発展につなげてまいります。

今を生きる私たちが、未来を担う次の世代にしっかりとバトンを託すため、ビジョンに掲げる目指す姿を県民の皆様と共有し、共感を得ることで、一緒に新たな広島県づくりを推進してまいります。

5, 令和2年度補正予算案等の概要

次に、今回提出いたしました議案について、その概要を御説明いたします。

まず、一般会計補正予算案につきましては、6月補正予算に引き続き、新型コロナウイルス感染症緊急対応策を実施するとともに、6月補正予算編成後の状況変化等を踏まえ、必要性が認められる事業に適切に対応することを基本として、編成しております。

具体的な補正の内容でございますが、新型コロナウイルス感染症緊急対応のほか、創造的復興による新たな広島県づくりや令和2年7月豪雨災害への対応などに、時機を逃さず対応するための経費について、予算を計上しております。

これらの結果、一般会計の歳入歳出補正予算額は、333億8,398万円の増額となり、本年度予算の累計額は、1兆2,397億2,169万円となります。

また、公の施設の管理業務を指定管理者に委託するなどのため、一般会計において、債務負担行為予算を計上しております。

次に、予算以外の議案といたしましては、「漁業法等の一部を改正する等の法律等の施行に伴う関係条例の整備に関する条例」などの条例案10件、人事案件といたしましては、「広島県教育委員会委員の任命の同意について」など2件、その他の議案では、「工事請負契約の締結について」など11件を提出するとともに、報告事項として、専決処分報告などを提出しております。

これらの議案のうち、サージカルガウンなど3件の財産の取得につきましては、議決を経ず契約していたことが判明したものであり、事後ではございますが、今次定例会に議案を提出したものでございます。

この度の事案につきましては、法律で定められた適正な手続きを経ることなく物品を購入したものであり、県議会をはじめ県民の皆様に対しまして、心からお詫びを申し上げます。

また、関係の皆様にも、多大な御迷惑をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。

今後は、議決案件の適切な取扱いが徹底されるよう、速やかに再発防止策を講じて取り組んでまいります。

最後となりますが、どうぞ、慎重に御審議いただき、適切な御議決をいただきますよう、よろしくお願いいたします。

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