「クリティカル・イッシューズ・フォーラム(CIF)国際会議」を開催しました
世界の高校生を集めて核不拡散・軍縮問題に関する討議を行う「クリティカル・イッシューズ・フォーラム(CIF)国際会議」が,被爆70周年に初めて広島で開催されました。会議の開催結果を報告します。
開催概要
2 場所:広島国際会議場 ダリア
3 主催:ジェームズ・マーティン不拡散研究センター(CNS),広島女学院中学高等学校,国際平和拠点ひろしま構想推進連携事業実行委員会(広島県,広島市)
4 参加者:約200名
開催結果
米国カリフォルニア州のジェームズ・マーティン不拡散研究センター(CNS),広島女学院中学高等学校,国際平和拠点ひろしま構想推進連携事業実行委員会(広島県,広島市)の主催で,米日財団後援の『クリティカル・イッシューズ・フォーラム(CIF)国際会議』が,被爆70周年に初めて,広島で開催されました。
日本・米国・ロシアの高校生対象のCIFプログラムでは,年間を通して,CNSの核軍縮不拡散専門家と,参加している各高校とが連携をとりながら準備をしてきました。
3日間にわたる国際会議の初日と2日目は,主に参加者を対象とした形式で行い,広島女学院高校の講堂で参加各校による研究発表及びゲストスピーカーによる基調講演等を行い,3日目の最終日には,広島国際会議場で一般公開のシンポジウムを開催しました。
シンポジウムでは,岸田文雄外務大臣,小溝泰義広島平和文化センター理事長が来賓の挨拶を行い,湯崎英彦広島県知事が歓迎の挨拶を行いました。外務大臣はスピーチの中で,核軍縮を前進させるためには,外交努力に加え,軍縮不拡散教育が重要であると強調しました。
基調講演では,中村吉利外務省軍縮不拡散・科学部審議官が,「日本の核軍縮・不拡散政策と軍縮・不拡散教育の役割」と題して,これまで日本が核軍縮に果たしてきた役割や今後の展望などについて語りました。
会議のハイライトは,秋山信将一橋大学大学院教授がモデレーターを務めた日本・米国・ロシアの高校生によるパネルディスカッションと,日米高校生による合同研究発表でした。パネルディスカッションでは,活水高校(長崎県)の小柳雅樹さん,広島女学院高校(広島県)のキャパー結生さん,パサデナ高校(米国)のアマディア・タナーさん,ハーカー高校(米国)のイーサン・マーさん,そしてジムナジア164(ロシア)のバレリア・セルコバさんが,それぞれの学校での軍縮不拡散教育を通しての経験と,このCIFを通して学んだこと,大きく視野を広げることができたこと,核軍縮を進めるためには世界中の若者の交流などが必要であることなどを発表し,その後,会場に参加していた他の高校生たちと活発な意見交換をしました。
合同の研究発表では,米国コネチカット州のチョート・ローズマリー・ホール高校と,東京の開成学園高校の生徒が,2015年のCIFテーマであった「核兵器の非人道性と核軍縮」に基づいて,核兵器のない世界を目指すためには現在核兵器のために使われている予算をもっと人道的目的のために使用する必要があるなど,研究に基づいた自分たちの意見を発表しました。
参加した日本・米国・ロシアの高校生は,この国際会議に向けて真剣に研究・学習を行い,核軍縮の進捗状況の現状の厳しさを見据えつつ,斬新で創造性豊かな発表を行い,互いに触発し合いながら,学び,友好を深めることができました。
(英語の報告書はこちらのウェブサイトをご参照下さい。)http://sites.miis.edu/criticalissuesforum/2015/04/21/cif-2015-student-conference-report/
岸田外務大臣による挨拶
日本・米国・ロシアの高校生によるパネルディスカッションの様子
日米高校生による合同研究発表の様子