広島の経営者にインタビュー~永本建設株式会社 永本清三さん~

広島の木」と「大工の手仕事」の家づくり

社屋外観 建物内観

パッケージ型インターンシップの参加学生が、住宅・建設業界で働く経営者を取材し、各社の経営理念やSDGsの取り組みなどについて記事にまとめました。

【企業名】
永本建設株式会社(廿日市市)
​[2021(R3)年度パッケージ型インターンシップ]

【事業内容】
・木造住宅設計施工
・リフォーム
・薪ストーブ販売及び設置施工

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代表取締役 永本清三さん

永本社長

社長ご自身もかつては大工として働かれていました。大工になったきっかけや大工としてのご経験を教えてください。

 工業高校を卒業後、設計事務所に就職しましたが、大学を出ていなかったため設計のことがなにもわかりませんでした。そこで現場の大工のもとへ通うようになりました。建物の図面は平面ですが、大工の頭の中ではそれが3Dになっていることがすごいと思ったので、大工の道を志しました。
 資格を取って宮大工になってから、「宮大工は地図に残る仕事だ」「建物が解体された時に恥ずかしくないように、見えないところこそ気を配れ」と棟梁には何度も言われ、今でも印象に残っています。また、棟梁には「きれいにできて当たり前、早くできて一人前」とも言われました。きれいにするのは誰でもできますが、一人前の大工は頭の中で早く図面を思い描かなければならないのです。

近年の大工のなり手不足についてはどのようにお考えですか?

 私の会社は大工の数は多いです。今年も広島の職業訓練校出身の人が入ってきました。ですが、左官や建設エンジニアの人材確保は深刻な課題です。左官や建設エンジニアが不足すれば、会社のシステムが崩れてしまいます。家づくりに影響するため、人材確保には力を入れていきたいです。

大工をはじめ、建築に関わる人が広島に増えてほしいと思われますか?

 私は、広島が好きだという自覚がある人は職種に関係なく応援したいです。いいところと悪いところの両方があっても、地元で暮らすのはやはりいいことではないかと思います。

働く上で大切にしていることはありますか?

 よく気配りをしろと言われますが、気配りができるとはどういうことなのか、考えながら働いています。手っ取り早い気配りは掃除です。ゴミはたまらないと気づかないものですが、気づく前に掃除するようにしています。

社長ご自身の将来の夢やビジョン、人生のゴールはなんですか?

 私はいつも夢を持っていて、それを膨らませています。ゴールがないのが夢です。振り返った時にゴールを超えたと感じるのがいいと思っています。
 会社はもっと社会に通用しなければいけない、もっと注目を浴びるべきだと思っています。そしていつかはランドマークとなるような会社にしたいです。
 これまでもこれからもブレないのは地域の木を使うことで、そのために関係企業などとどのようにネットワークを構築していくか、考えていかなければなりません。あとは後継者も決めなければなりませんし、経営理念も継続していかなければなりません。
 いずれにせよ、夢や希望はいつも持っておくべきだと思います。

 

【取材者】
広島市立大学 国際学部3年 浦井ひより
(インタビュー記事・会社概要・プロフィールは2021年9月時点)