今日は,第9回県政知事懇談「湯崎英彦の宝さがし」として安芸太田町を訪ねました。開始以来の初めての本格的な雨の中での宝探しとなりました。
まず初めに,農林水産省の日本の棚田100選にも選ばれている井仁の棚田を訪問しました。地元の方々が自ら棚田の景観と歴史を地域資源として再評価し,維持管理に取り組んでおられるところです。年2回,棚田まつりを開催し,広島市内や呉市から100名近い子どもたちが参加されるそうです。農業体験のみでなく地域と都市部との交流として取り組まれているそうです。
次に,戸河内IC近くにある太田川産直市とパン工房クローバータウンを訪問しました。産直市では,タケノコやワラビなど地元で採れた新鮮な野菜がたくさん売られていました。クローバータウンは,障がいを持つ方々の雇用の場の一つとして今年4月にオープンしたパン工房です。こちらでは米粉を使ったパンを作っておられますが,モチモチとした食感があって,とっても美味しかったです。今では,高校生の方々が,人が居て暖かくホッとするからという理由で,登下校時にお店で待ち合わせをされるようになって,コミュニティセンターのように活用されていることを喜んでおられました。一番の人気パンは,メロンパンだそうです。皆さんも是非お立ち寄りください。
この後,吉和郷集落で,コウラ蓑づくりや戸河内挽物など,伝統文化の伝承に取り組まれている「YUN(ゆん)プロジェクト」の作業場を訪れました。休耕地を活用してヒマワリを栽培し景観保持を図るとともに,そのヒマワリの種からヒマワリ油を採ることも試みておられました。YUNプロジェクト実行委員の横畠さんは,プロジェクトで得た売上で,作業場を拡張すること,そして,メンバー皆で海外旅行に行くことが夢だそうです。夢を持って,事業に取り組むこと,素晴らしいことですね。
午前中の最後は,加計街ぐるみ博物館を訪れました。加計の通り全体を博物館に見立て,懐かしさを感じてもらえる空間を目指して取組を進められており,鍛冶屋館,灯りの館,流木館,民話の館,お菓子の館,木炭車の館など,全部で20以上の館があります。特に,木炭車の館は,使用されなくなった保育園を改造して作られており,また,木炭車もきれいに管理されており見応えがありました。
午後から,川・森・文化・交流センターで県政知事懇談会を行いました。今回も,地域における様々な課題解決に取り組まれている方々に参加いただきましたが,今回は特に,林業に携わる方,その木材から伝統的工芸品である「戸河内挽物」を作られる職人の方,スキー場を経営される方,農業規模の拡大に取り組まれる方と,安芸太田町という山間地域の特性に応じたお仕事に関わっておられる方に多く参加いただきました。やはり,高齢化が進んでいますが,皆さん「熱い情熱」を持っておられ,エネルギーの方向性が大切であることを実感させられました。