3 |
水辺の保全・再生 |
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● |
現状と課題 |
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河川整備においては,災害防止の観点とともに,生物の生育・育成,水の浄化等の機能を保全・創造することの重要性が認識され,自然環境や生態系の保全に配慮した多自然型工法の導入や親水性や景観に配慮した護岸整備が進められています。
一方で,自然海岸は,高度経済成長期から行われた各種の開発行為等により,約31.5%が残存するのみとなっていることから,優れた環境を有する自然海岸の保全を図るため「広島県自然海浜保全条例」に基づき「自然海浜保全地区」に指定しています。
水質の浄化機能を有し,魚介類の産卵・育成等の場として重要である藻場・干潟についても,沿岸域の環境変化や開発行為等により減少していることから,残された藻場・干潟を保護・保全するとともに,周辺の景観や生態系などの自然環境と調和した人工海浜や離岸堤,緩傾斜護岸の整備等を行う必要があります。
また,ダム貯水池,ため池,農業用水路などの水辺は,魚,昆虫をはじめ野鳥が活動し,水生植物などを含む豊かな生物相が育まれており,地域住民にとって,散策,レクリエーションなどの憩いの場所として,重要な役割を果たしています。 |
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(自然海浜保全地区指定状況は,資料編「自然環境4」参照) |
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図表 3-1-7 自然海浜保全地区数及び面積(平成17.4.1現在) |
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区分 |
地区数 |
陸域面積(ha) |
自然海浜保全地区 |
19 |
17 |
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資料:県自然環境保全室 |
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図表 3-1-8 海岸線の状況 |
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自然海岸 |
半自然海岸 |
人工海岸 |
河口部 |
総延長 |
延長km |
% |
延長km |
% |
延長km |
% |
延長km |
% |
km |
H8 |
県 |
349.0 |
31.5 |
59.3 |
5.3 |
692.9 |
62.5 |
8.3 |
0.7 |
1,109.5 |
全国 |
17,413.9 |
53.1 |
4,252.8 |
13.0 |
10,821.6 |
33.0 |
310.7 |
0.9 |
32,799.0 |
H5 |
県 |
355.3 |
33.0 |
49.4 |
4.6 |
663.7 |
61.7 |
6.9 |
0.7 |
1,075.3 |
全国 |
18,105.7 |
55.2 |
4,467.5 |
13.6 |
9,941.8 |
30.3 |
264.0 |
0.8 |
32,778.9 |
S59 |
県 |
366.0 |
34.3 |
57.5 |
5.4 |
637.0 |
59.7 |
6.9 |
0.6 |
1,067.3 |
全国 |
18,402.1 |
56.7 |
4,511.4 |
13.9 |
9,294.5 |
28.6 |
263.8 |
0.8 |
32,471.9 |
S53 |
県 |
369.6 |
35.0 |
59.0 |
5.5 |
621.0 |
58.8 |
6.9 |
0.7 |
1,056.5 |
全国 |
18,967.2 |
59.0 |
4,340.4 |
13.5 |
8,599.0 |
26.7 |
263.7 |
0.8 |
32,170.2 |
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出典:環境庁第2回〜第5回自然環境保全基礎調査 |
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図表 3-1-9 藻場・干潟の現存面積と消滅面積 |
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藻場(ha) |
干潟(ha) |
現存面積 |
消滅面積(昭和53年度以降) |
現存面積 |
消滅面積(昭和53年度以降) |
広島県 |
1,842 |
251 |
1,068 |
99 |
全国 |
142,459 |
65,156 |
49,380 |
5,920 |
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出典:環境庁第5回(平成7・8年度)自然環境保全基礎調査 |
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[施策の方向] |
■ |
自然とのふれあいの場である河川や海岸・海浜などの水辺の生物の生息・育成環境に配慮した保全・再生 |
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(1) 自然環境に配慮した河川の整備 |
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水生生物の移動の分断を回避する魚道の整備,水際部の水生植物の維持・回復のための自然石を使った岩組み・石積み,魚巣ブロック・ホタル護岸など,地域の状況を考慮した工法の採用等により,自然環境に配慮した河川の整備を進めます。 |
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平成16年度に講じた施策・平成17年度に講じる施策 |
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ア |
多自然型川づくり[河川企画整備室] |
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水生生物の移動の分断を回避する魚道の整備,水際部の水生植物の維持・回復のための自然石を使った岩組み・石積み,魚巣ブロック・ホタル護岸など,地域の状況を考慮した工法の採用等により,自然環境に配慮した河川の整備を進めます。 |
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[平成16年度事業実績] |
江の川,長瀬川,安川などにおいて地域の状況を考慮した工法により整備をしました。 |
[平成17年度事業内容] |
引き続き,地域の状況を考慮した工法により整備を行います。 |
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(2)海岸・海浜や海の自然の保全と再生 |
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○ |
優れた環境を有する海岸は「広島県自然海浜保全条例」に基づき,自然海浜保全地区に指定し保全に努めます。 |
○ |
藻場や干潟は,水質の浄化機能を有し,魚介類の産卵・生育等の場としても重要であることから,自然に残された貴重な藻場・干潟の保護・保全と再生を図ります。 |
○ |
ミティゲーションの考え方に基づき,自然と調和のとれた港湾の整備を行うとともに,自然環境や生態系の保全・再生を積極的に進めるとともに,藻場,干潟や湿地等の保全・復元などの自然再生事業を推進します。 |
○ |
水産試験場を水産海洋技術センターに再編整備し,藻場・干潟等の浅海域の環境保全・修復技術等に関する調査研究を進めます。 |
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平成16年度に講じた施策・平成17年度に講じる施策 |
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ア |
自然海浜保全地区の指定等[自然環境保全室] |
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優れた環境を有する自然海岸を自然海浜保全地区に指定し,自然海浜の保全及び適正な利用を図ります。 |
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[平成16年度事業実績] |
県内19箇所で指定されている自然海浜保全地区の保全と適正な利用に努めました。 |
[平成17年度事業内容] |
引き続き,自然海浜の保全と適正な利用に努めていきます。 |
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イ |
水産基盤整備事業[漁港漁場整備室] |
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藻場や干潟などの魚介類の産卵,幼稚魚育成の場づくりや優良な漁場を構成するとともに,海底に堆積したゴミを除去して漁場環境を保全することで,漁場生産量の増大を図ります。 |
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[平成16年度事業実績] |
藻場の造成(豊浜2.3ha,因島3.0ha,横島0.9ha),魚礁の設置(呉市他4箇所8,133空m3),海底の清掃(広島市他2箇所12.3km2)を行いました。 |
[平成17年度事業内容] |
藻場の造成(因島3.0ha,横島1.1ha),魚礁の設置(呉市他3箇所7,299空m3)海底の清掃(広島市他2箇所19.2km2)を行います。 |
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ウ |
水産海洋技術センターの整備[研究開発推進室] |
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旧水産試験場を,瀬戸内海の環境保全や水産資源の維持増大を図る技術開発など,海,河川に関する幅広い要請に応えられる水産・海洋技術開発の拠点として,再整備します。 |
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[平成16年度事業実績] |
浅海実験棟,海洋環境実験棟等を整備しました。 |
[平成17年度事業内容] |
水産海洋技術センターに名称変更しました。 |
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エ |
河川清掃等業務委託事業[河川管理室] |
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|
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オ |
河川清掃「クリーン太田川」[河川管理室] |
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カ |
広島県ラブリバー制度推進事業[河川管理室] |
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|
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キ |
放置艇の規制[港湾管理室] |
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|
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ク |
エココースト事業[港湾企画整備室] |
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良好な自然環境を積極的に保全・回復する必要性が高い竹原港海岸において,高潮・津波などの自然災害から海岸を防護することと併せ,生態系や自然景観等の周辺の自然環境に配慮した海岸の形成を図り,自然と共生した海岸づくりを進めます。 |
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[平成16年度事業実績] |
護岸(水叩工,排水工)整備(L=90m)及び養浜工(A=8,400m2)を行いました(エココースト事業区間完成)。なお,生物分布状況調査により,干潟生物の生物種の増加が確認されました。 |
[平成17(18)年度事業内容] |
養浜工完成後,1年が経過した時点(H18年度)よりモニタリング調査を行います。 |
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ケ |
港湾環境整備事業[港湾企画整備室] |
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|
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