ひろしまの元気を創るひと

株式会社あじかん 開発本部研究部 平尾 凌さん

ひろしまブランドとは、「元気・美味しい・暮らしやすい」ひろしまをみんなで創る取り組みです。

ひろしまの素晴らしさをみんなで再認識し、誇り、自慢しながら、より良いひろしまを創っていくことを目指しています。

「元気なひろしま」インタビュー

株式会社あじかん 開発本部研究部 平尾 凌さん

平尾ひらお りょう さん

株式会社あじかん 開発本部研究部

鳥取県出身。広島大学大学院修了。2017年に株式会社あじかんに入社。偶然の発見をきっかけに、ゴボウを原料にした新スイーツ素材を開発。現在はそれを使用した商品づくりに取り組んでいる。

お皿に盛られたGOVOCE(ゴボーチェ)

チョコ風の新スイーツでゴボウをもっと身近に

ゴボウの幅広い楽しみ方を提案するため、独自技術で焙煎したゴボウを活かしたカカオ不使用のチョコレート風菓子「GOVOCE(ゴボーチェ)」を開発しました。広島県の研究開発への補助や広島大学の協力を得て生まれた、新発想の健康志向スイーツです。

今後は地元の食品メーカーとの協業にも力を入れ、「おいしくて、元気になれる」商品を広島から全国、さらには海外へ届けられるよう、日々研究を続けていきます。

商品開発の様子

勘違いと失敗から始まった商品開発

開発のきっかけは、植物性のバターを開発しようとしたことでした。ココアバターの代替品を作ろうとココナッツオイルとココアパウダーを混ぜてみたところ、できあがったのはバターではなくチョコレートで…。そもそもココアバターは乳製品ではなく植物性食品なので、スタートから勘違いしていたんですよね。

「失敗したな」と少し落ち込みながらも、ふと「ココアパウダーをゴボウの粉末に替えてみよう」と思いつきました。ゴボウ茶の全国シェア1位を誇る当社には、お茶の製造に使うゴボウパウダーがあったためです。すると、思いのほかチョコに近い風味が生まれました。

当社で独自に調べた結果、皮ごと焙った当社独自の焙煎ゴボウと市販のチョコレートには、10種類中8種類もの共通した香り成分が含まれることが分かりました。

ほうじ茶やきな粉といった他の焙煎食品や、カカオ代替として知られるキャロブでもチョコと一致する香り成分は2~3種類程度。私たちはこの特徴に可能性を感じ、新商品開発プロジェクトを立ち上げました。

開発メンバーでの試食

総菜メーカーが初めて挑んだスイーツ開発

総菜の製造から始まった当社は、もともときんぴらやサラダにゴボウを使用していました。その健康効果に着目し、約15年前からゴボウの研究にも取り組んでいます。ゴボウ茶がヒットした一方で、次のゴボウ商品をなかなか形にできていないことが課題としてありました。

一般家庭でのゴボウ消費量は年々減少しています。日常にゴボウを取り入れるハードルを下げ、若い方にも手に取ってもらいやすい商品として、チョコ風のスイーツはぴったりだったんです。

しかし、あじかんにとって、スイーツの開発・商品化は初めての挑戦。試作品を全国の支店を含め約500人の社員に試食してもらい、改善を重ねていきました。試作回数は1年半で128回にのぼります。

販売面では別部署の部長がつきっきりで販促を考え、営業チームとの連携も進めてくださいました。そうして、2024年に「GOVOCE」を発売。全社一丸となって生み出した商品です。

何度も品質の調整をする平尾さん

産官学連携で品質を高め、技術を守る

開発を進める中で、食品物理学者として油脂を専門に研究されている、広島大学の上野聡教授に協力をお願いしました。

教授には何度も試作品を試食してもらい、油脂の選び方や砂糖の粒度、ゴボウの苦みなど、改善すべき点を的確にご指摘いただきました。そのおかげで、ゴボウパウダーと砂糖を0.02mmまで細かくしてなめらかな食感にするなど、品質をより高めることができたのです。

また、広島県の研究開発への補助制度には、さまざまな面で支えていただきました。「GOVOCE」に使用しているゴボウ由来の新スイーツ素材「MelBurd(メルバード)」は、あじかん独自の製法。補助金を利用してベルギーやドイツといったチョコレートの本場で学会発表を行い、技術開発の先行性を世界に証明することができました。

こうした独自技術を守ることに加えて、ウェブサイトの構築・運用や新しい機械の導入など、広報と製造にも補助金を活用しています。

健康志向のおやつ GOVOCE(ゴボーチェ)

からだにうれしい、健康志向のおやつ

「GOVOCE」のコンセプトは、あくまでも「ゴボウの楽しみ方を広げる」こと。そのため、ゴボウの香ばしさはしっかり残しながら、チョコレートのような香りや口どけを実現しました。そこには、ゴボウ茶の製造で培った焙煎度合いを微調整する技術や、産地の異なるゴボウをブレンドする技術が活かされています。

現在はほろ苦い「ビター」とまろやかな「ミルク」の2種類を展開しており、自社オンラインショップをはじめ、「ビター」は県内のスーパーやサービスエリアなどでも販売しています。

評価は、日本でも欧米でも「好き」と「苦手」で真っ二つに分かれますね(笑)。しかし、それは嗜好品として一定のクオリティーに達している証拠だと考えています。

ノンカフェインのため、妊婦さんなどのカフェインを気にされる方にも安心して楽しめると好評です。「体質的にカカオ製品が食べられなかった母が、20年ぶりにチョコの風味を味わえた」という声をいただいたときは、開発して本当に良かったと思いました。

ゴボウ由来の食物繊維も含まれているので、腸内環境を整える「腸活」に良いお菓子としても注目され始めています。ゴボウ好きの方はもちろん、健康を意識する方にも知っていただきたいですね。

ごぼう生産者さん

広島からゴボウの魅力を国内外へ届けたい

鳥取県出身の私が広島の「元気を感じるところ」といえば、やはりスポーツに対する熱量の高さ。同じ目標に向かってみんなで進んでいく県民性が、チーム一丸となって新事業に挑戦するあじかんにも根付いていると感じます。

また、広島はおいしい飲食店が多いですよね。たくさんの飲食店が集まるなか、個性豊かなお店が長く愛され続けている。それは人々に「おいしいものをまちに残していこう」という気概があるからではないでしょうか。

私たちも、食を通じて広島の活性化に貢献したいと思っています。これまでに県内の製菓メーカーと協業し、ゴボウを使ったクッキーや豆菓子など、からだにやさしいお菓子を作ってきました。今後も協業のネットワークを広げていきたいですね。

「GOVOCE」には、国内で採れるゴボウを使用しています。世界にはゴボウを日常的に食べる文化がない国もありますが、この商品をきっかけに国内外へ栄養価の高さやおいしさを発信することで、国産ゴボウの需要を増やせたらと考えています。

消費者の方々の健康づくりはもちろん、国内のゴボウ生産者の皆さんにも貢献できるよう、あじかん全員で取り組んでいきたいです。

もっと素晴らしいひろしまへ!

豊かで穏やかな風土、平和への想いと行動力はひろしまの誇り。県民一人ひとりが大好きと思えるひろしまの素晴らしさがきっとある。より良いひろしまへ、みんなで創り上げていこう!

ENEGY OF PEACE ひろしま

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