ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地ひろしまたてものがたり

たてもの情報(17)|磐台寺観音堂(阿伏兎観音)


印刷用ページを表示する 掲載日:2017年10月18日更新

磐台寺観音堂(阿伏兎観音)/Bandai-ji Kannon-do Temple、Abuto Kannon

瀬戸内海の大パノラマと融合する

急峻な岬に佇む朱塗りのお堂


 磐台寺1

鞆の浦の西に位置する沼隈半島・阿伏兎岬。その突端で海にせり出すようにして佇んでいる朱塗りのお堂が、盤台寺観音堂です。1570年頃、毛利輝元によって創建された臨済宗の寺で、岬の名前からとって「阿伏兎観音」とも呼ばれ親しまれています。国の重要文化財に指定されていて、歌川広重の浮世絵や、志賀直哉の小説「暗夜行路」の中で取り上げられるなど、時代を超えて人々の心に強く残る、自然と調和したすばらしい景観を臨むことができます。

境内に入ると、まず出迎えてくれるのが、県の重要文化財にも指定されている「磐台寺客殿」です。典型的な桃山様式の禅宗方丈建築で、優美さが感じられるデザインです。メインの観音堂には、裏手から続く石段を登って目指します。荘厳さを感じる朱塗りの柱に囲まれた階段廊下を上っていくと、次第と海の音が溶け合ってきます。すると、お堂の向こう側に、突然、瀬戸内海の大パノラマが広がります。外側の欄干の向こうにはさえぎる物がなく、廊下の一部が海側に向かって斜めになっていてスリル満点です。

観音堂の意匠を見てみると、平行に伸びた垂木から、日本古来より伝わる和様建築が基礎であることが分かります。しかし、柱や梁の先端に当たる「木鼻」と呼ばれる部分の装飾や屋根の反り具合などは、大陸から伝わった唐様を感じさせます。こうした、様々な様式を自由に融合させた様式を「折衷様」といい、尾道の浄土寺などと同じように、室町時代から瀬戸内海地域を中心に用いられた仏教建築に共通する部分です。堂内の天井は、規則正しく区切られた格天井。絵が描かれているのでこちらも注目したいところです。

また、この場所は古来より、航海など海の安全を願うお堂でしたが、いつしか、子授け・安産祈願所としても知れ渡ります。お堂内部の壁一面には、女性たちの思いが込められた、手作りの「おっぱい絵馬」が所狭しと納められているのもまた面白く、見ごたえがあります。


設計者/不詳
施工/1570~73年
住所/福山市沼隈町能登原阿伏兎1427-1
電話番号/084-987-3862
アクセス/JR福山駅からバスで観音入口下車徒歩約15分
見学可/8:00~17:00
料金/100円、子ども50円
撮影/可


写真データダウンロード(御自由にお使いください。)

磐台寺2

手すりが低く視界が広いのでスリル満点。瀬戸内海に沈む夕日を満喫することができる。 (その他のファイル)(12.03MB)

磐台寺3

観音堂につながる階段にあしらわれた朱色と緑色のコントラストが美しい。 (その他のファイル)(13.24MB)

磐台寺4

「おっぱい絵馬」が奉納されている本堂 (その他のファイル)(15.33MB)

 磐台寺5

石垣で組まれたお堂へ上る階段の土台 (その他のファイル)(9.3MB) 


今回ご紹介した建物は8時から17時まで一般公開されています!
詳しくは「たてものがたりフェスタ2017」のページをご覧下さい!

このページがお役にたちましたら、下のいいねボタンを押してください。