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古墳時代の鉄をつくる

古墳時代の鉄をつくる―復元実験・古墳時代のたたら製鉄―

 我が国で本格的に製鉄が始まったのは、古墳時代(3~6世紀)からで、広島県内では、戸の丸山(とのまるやま)製鉄遺跡(庄原市)や白ヶ迫(しらがさこ)製鉄遺跡(三次市)などで6世紀頃の製鉄炉が見つかっています。
 当時の製鉄方法は、粘土で円筒形や箱形の炉を築き、これに「ふいご」で風を送りながら炭を燃やし、炉内の温度を1200℃以上にあげ、少しずつ砂鉄を振り入れて、炉の底に鉄のかたまり塊(けら)を作り出すという方法でした。
 復元実験では、この古墳時代の製鉄の原理を応用して江の川の砂鉄約20kgと松の炭約60kgを使い、6時間余かけて鉄塊約4kgができました。

古墳時代の鉄ができるまで

1.炉の乾燥
 炉内で薪を燃やして、炉壁を乾燥させる。
 そののち、炭を入れて燃やす。

実験に使った製鉄炉の写真

実験に使った製鉄炉
(炉の乾燥中)

2.炭と砂鉄の投入
 炭がよく燃え上がったところに、砂鉄を少しずつ投入する。

砂鉄を入れる写真

砂鉄を入れる

3.鉄滓(てっさい)を流し出す
 炉の底に鉄滓が溜まったころを見計らって、炉底付近に穴
(湯じ穴)をあけて鉄滓を流し出す。

鉄滓が流れ出る写真

鉄滓が流れ出る

 ↓

燃鉄完了写真

燃鉄完了

 ↓

4.鉄塊(けら)を取り出す
 炭と砂鉄の投入が完了したら、炭がほぼ燃えきるのを待って
炉底を壊し、鉄滓のなかの鉄塊を取り出す。

炉を壊して鉄を出す写真

炉を壊して鉄を出す

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出来た鉄塊(けら)の写真

出来た鉄塊(けら)