学校の先生へ
広島県が目指すキャリア教育
「キャリア教育」が目指すもの
キャリア教育とは、一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育です。
また、キャリア発達とは、社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現していく過程をいいます。
これらの理念を踏まえて、広島県教育委員会では、これからの社会で活躍していく子供たちに、15歳の段階で身に付けておいてもらいたい「自己を認識し、自分の人生を選択し、表現することができる力」の育成に向けたキャリア教育を進めています。
「キャリア教育」では、地元企業と連携した体験活動等を重視しています
児童生徒に自らの将来を考えさせたり、仕事や職業を認識させたりするためには、学校内における教育活動だけではなく、具体的に多様な年齢・立場の人や社会や職業に関わる様々な現場を通して、自己と社会の双方についての多様な気付きや発見を経験させることが効果的です。
このため、地域・社会に数多く存在する社会人・職業人としての知識・経験が豊富なものの学校の教育活動への参画を得ることが不可欠なのです。
「キャリア教育」の趣旨を踏まえた体験活動の進め方
1. 体験活動後に、キャリア・パスポートに自己の将来について記入させたり、学級活動で振り返りをさせたりする
2. 体験活動を通して、「学校の学び」が社会を支えていることを感じるよう、学習を進めていく
地元企業でも「学校の学び」が常に活用され、それが私たちの暮らしを支えていくことに気付かせることが、学ぶことへの意欲につながります。
【学校の学びが社会で使われている例】
- 海外からの発注メールは、英語圏以外も含めて全て英語だ
- 社内の会議では「論理的に分かりやすく話す」ことが不可欠
- 料理の「さしすせそ」(砂糖が先で塩は後)は浸透圧の原理に依拠したもの
- エアコンで部屋が快適になるのは冷媒を使った熱交換によるもの
3. 企業等との資質・能力の共有
体験活動を通して資質・能力を育成するためには、企業等との資質・能力の共有が必要です。企業にとって分かりやすい資料で、自校の資質・能力や、それぞれの体験活動のねらいを説明することが求められます。
地元企業との連携の進め方
1. 「ミツカル!ひろしまカンパニー」で企業を検索する
本サイトに登録されている企業の中から、希望に合った条件で検索できます。業種や地域のほか、学校種類別/連携可能な項目別に探すことができます。 気になる企業は「★マーク」をクリックしてお気に入り登録しておくと、検討する際に便利です。
2. 企業への問い合わせから連携開始まで
連携を希望する企業が決まったら、詳細を問い合わせてみましょう。 下記は企業へ確認する項目をまとめた、メール文章テンプレートです。メールや電話で連絡する際の参考に利用いただけます。
※固有名詞は、適宜差し替えて使用してください。
3.「キャリア教育」の趣旨を踏まえた体験活動を進めるために
地元企業と連携した体験活動を通して資質・能力を育成するために、企業にとって分かりやすい資料で、自校の資質・能力や、それぞれの体験活動のねらいを説明しましょう。
また、児童生徒が自己の将来や生き方を考えることにつながるよう、体験活動後にキャリア・パスポートに自己の将来について記入させたり、学級活動・ホームルーム活動で振り返りをさせたりすることが考えられます。
本サイトの授業での活用
企業を探す ミツカル!ひろしまカンパニー(本サイト)
「ミツカル!ひろしまカンパニー」は、広島県にあるいろいろな企業やお店などを検索し、児童生徒が仕事の楽しさや魅力を知ることのできるWebサイトです。
住んでいる市町にどのような会社やお店などがあるのかを調べたり、キャリア教育の一環として行う職業調べ等に活用したりしていただくことができます。
適性を知る 職業適性診断
「児童生徒のみなさんへ」ページは、学級活動・ホームルーム活動の内容と関連させて、話合い活動等を通して「働くこと」や「自己の将来や生き方」について考えたり、職場体験活動の導入として自分に向いている職業を調べ、体験先を決定するためのきっかけとしたりすることが考えられます。
職業情報提供サイト「job tag」は、職業について、内容、その仕事に就く方法、求められる知識・スキルや、どのような人が向いているかなどが総合的に分かるWebサイトとなっているので、キャリア教育の推進に向けた取組に御活用ください。
地元企業と連携した体験活動の事例
活動内容の紹介
体験活動の種別に、活動のポイントと事例を紹介します
職場見学・職場体験活動
児童生徒にとって、企業を訪問したり、職場を見学したりすることは、社会を味わうことのできる1つの教室であり、先生であり、教科書です。このような活動から児童生徒は、自分たちの生活と職業との関係を考え、職業に対する基礎的な知識・理解を得ることになります。
実施の際は、活動の前に職業人講話を組み込んだり、活動後に学習したことを発表したりするなど、事前学習・事後学習を充実させ、より効果のある学習となるように留意することが大切です。

職業人講話
実際に社会で働いている大人に、働く喜びや苦労、学校でどのようなことを頑張っておくべきか等を語っていただくことは、児童生徒のキャリアプランニング能力育成に有効です。
実施の際は、講話をしていただく方の職業や担当している業務内容が、児童生徒にとって馴染みのない場合には分かりやすく説明できる資料を用意したり、話すポイントや児童生徒に話すときの配慮事項を講師と連携したりする等、話を聞く児童生徒の立場に立った配慮が重要となります。
起業的な活動
起業的な活動を通して、児童生徒の主体的な学びを実現することが期待できます。活動は、具体的には商品開発やイベント実施等が挙げられます。
より効果のある活動とするためには、事前の協力企業との綿密な連携が不可欠です。「児童生徒の資質・能力育成の場である」ことを踏まえ、企業はどの程度まで支援をすべきなのか、どのようなゴールイメージで活動を見取るのかなどを、学校と企業が共有しておく必要があります。
面接体験
児童生徒が、自分の好きなことや興味があること、自己の将来について他者に語って伝えることは、自己を見つめる機会となります。伝える対象はいろいろ考えられますが、企業の人に聞いてもらう、というのも考えられます。聞いた企業の人から励ましや助言をもらうことで、自分に自信をもったり、更に自分のよさについて考えたりすることにつながります。
インターンシップ
インターンシップとは、高校生や大学生が一定期間、企業や事業所等において、実際に仕事を体験することです。社会で求められる知識や技術について実感をもって学び、職業に関する体験によって自らの適性について考え、進路選択につなげていくことのできる貴重な活動です。
勤労観や職業観は、生徒一人一人が形成していくものであり、積み上げようとするキャリアも一人一人異なります。インターンシップという体験活動を契機に、生徒自身が自らのキャリアについて語る言葉を引き出し、その後の成長や探索につなげていくことが必要です。
