
コロナ禍の制約を受ける社会状況から抜け出しつつある中で、経済が活発化し、物価高騰により実質賃金は減少していますが、消費額は拡大傾向にあります。
このような中、令和6年度はデフレから完全に脱却して賃金と物価の好循環を描き、イノベーションが活発化する経済に移行できるかどうかの分かれ道にあります。
そのため、足元を支える物価高騰への対応に加えて新たにプロジェクト・チームを設置して人口減少対策を講じるなど、さまざまな取組を強力に推進し、県民の皆さまと一緒に広島発で経済の正のスパイラルを描き、広島の元気をぐぐっと押し上げていきます。
広島県 令和6年度予算

用途 | 金額 |
---|---|
学校教育など | 1,993億円(18%) |
福祉や医療など | 2,361億円(21%) |
道路・河川の整備など | 1,135億円(10%) |
警察活動など | 657億円(6%) |
地域振興や防災・危機管理など | 577億円(5%) |
商工業振興など | 1,157億円(10%) |
農林水産業振興など | 331億円(3%) |
借入金の返済 | 1,470億円(13%) |
災害復旧 | 86億円(1%) |
その他 | 1,473億円(13%) |
安心
「安心」の土台づくり
インクルーシブな社会の実現に向けた環境整備
子育て・健康・地域共生

多様でインクルーシブ(包括的)な社会の実現に向けた環境の整備に取り組みます。
核家族や共働き家庭が増える中、依然として女性に家事・育児の負担が偏っている傾向にあるため、男性の家事・育児参画への意識を醸成するためのプロモーション等を展開していきます。
また、本県の女性の健康寿命の全国順位が低いことから、女性の健康に関する課題を要因分析するための調査を実施します。このほか、地域の多様な主体による困りごとを抱える人の早期発見・解決に向けた仕組みの構築を推進していきます。
重点事業
- ひろしま子育てもっと応援事業
- 健康ひろしま21等推進事業
- 地域共生社会推進事業
県民の希望出生率と社会動態の均衡実現
人口減少対策・人手不足対策

広島県では「県民の希望出生率」と「社会動態の均衡」を実現させることで、人口減少の抑制を目指しています。
本県の合計特殊出生率は、全国平均を上回っているものの低下傾向で、子供を持ちたいという希望の実現を阻害している課題に対応した対策を講じていく必要があります。また、若年層を中心とした転出超過が依然として拡大し、本県の人口動態は厳しい状況にあります。
このため、徹底した要因分析に基づく社会減対策の再構築など、全庁をあげた総合対策を実施していきます。加えて、2024年問題に直面している運輸、建設業界等を中心に深刻化する人手不足にも対策を講じていきます。
- 子供未来応援プロジェクト・チーム
- 若者減少・人手不足対策プロジェクト・チーム
新病院の設置に向け基本設計に着手
高度医療・人材育成拠点整備

広島県が目指している医療の未来の中核をなす、高度医療・人材育成拠点である新病院の2030年度の設置に向けて、基本設計に着手します。
医療資源を集約する新病院において、県民の皆さまが全国トップレベルの医療を受けられ、それに伴う症例の集積化など、医療職にとって魅力ある環境が整備されることで医療人材不足の解消を目指します。
また、医療人材が増えることによって、地域間・診療科間の医師偏在が解消されるという好循環を生み出し、将来にわたって持続可能な医療提供体制を構築していきます。
誇り
「誇り」につながる強みづくり
多様でおいしい広島の「食」の魅力を創り伝える
広島和牛や瀬戸内さかな等


昨年の「G7広島サミット」で、広島県の自然・食・文化などの多様な魅力を世界に向けて発信したことで、本県に対する国内外からの注目・関心が高まっています。
このような広島のプレゼンス(存在感)の高まりを追い風に、「ひろしまブランド」の価値の更なる向上に取り組みます。
具体的には、広島和牛や瀬戸内さかなといった、広島県の多様でおいしい「食」の魅力や価値を創り伝えるため、県内外の方々をおもてなしする「おいしい!広島」プロジェクトを強力に推進していきます。
何度も訪れてもらえるリピータブルな観光地づくり
観光地ひろしま推進

2025年の大阪・関西万博や世界バラ会議福山大会の開催を見据え、県内のおいしい食や平和など、多彩な観光資源を活かした観光プロダクト(体験メニュー)の開発や、海外の旅行会社と強いパイプを有する日本政府観光局と連携したプロモーションに取り組みます。
また、広島が好きなら誰でも応募できる「HITひろしま観光大使」の皆さまに広島の魅力を発信していただく取組なども行います。
こうした取組によって、観光客の期待値を超える価値を提供し、何度も訪れてもらえる観光地づくりにつなげていきます。
挑戦
「挑戦」を後押しする環境づくり
人的資本経営の導入と社内環境整備の促進
リスキリング推進企業サポート

企業等の経営戦略や人材戦略のもと、従業員が今後の新たな業務などで必要となる知識やスキルを習得し、活用することを意味する「リスキリング」。
昨年8月には、企業等がリスキリングを実践する際の取組指針となるガイドラインと、その取組を支える施策のロードマップを策定しました。
これらに基づいて、企業価値向上に向けて、リスキリングや働き方改革などで人材を大事にする経営、いわゆる人的資本経営の導入に取り組む事業者の支援や、ダイバーシティ推進に向けた女性幹部登用の加速など、県内企業の環境整備を促進していきます。
世界市場を獲得しユニコーン企業へ飛躍せよ
イノベーション・エコシステム形成

「イノベーション・エコシステム」とは、民間企業や大学、行政、金融機関などが相互につながり、生態系のように影響を与え合うことで、イノベーションが次々と生み出される状態です。
平和都市としての国際的な知名度も生かしつつ、国内外で「イノベーション創出拠点ひろしま」としての認知を高め、世界で選ばれる拠点都市を目指します。その一環として、広島から世界に羽ばたく起業家を育てる「ひろしまユニコーン10」プロジェクトに取り組んでいます。
令和6年度は、海外での事業展開を狙うスタートアップ企業等を対象に、海外拠点の開設や事業パートナーとの関係構築等を新たに支援することで、成長のスピードを速め、より大きな社会的インパクトを生み出していきます。
こんな施策にも注力していきます!
持続可能な地域公共交通の実現
「広島県地域公共交通ビジョン」の推進

県全域を対象とした地域公共交通政策のマスタープランとして、「広島県地域公共交通ビジョン」を策定しました。
公共交通ビジョンの目指す姿の実現に向けて、市町や交通事業者と一体となって、今年度から様々な調査事業や実証事業等に取り組みます。
またこうした取組の基盤となるデータ整備や人材育成も進めるとともに、関係者がそれぞれの役割を果たすために必要なマネジメントを行うことで、本県の地域公共交通の持続可能性を高めます。
影響を受ける県民や事業者を支える取組
長期化する物価高騰への対応
長期化する物価高騰に対し、「足元の影響緩和」と「将来を見据えた構造的な課題の解消に取り組む事業者等への支援」の両面から対策を実施します。
まず「足元の影響緩和」として、物価高騰による影響の緩和を図るため、電力・ガスの料金高騰等への支援を当面継続します。
また、将来を見据え、「エネルギー価格等に左右されにくい経済社会への転換」や「生産性向上等による持続的な賃上げの実現」に向けた事業者等の取組を支援します。