ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

犯罪被害者の現状

印刷用ページを表示する 掲載日:2011年12月1日更新

 犯罪の被害者は様々な問題を抱えていますが,これまでわが国では被害者の現状についての理解が広まっておらず,被害者を支援する体制も整っていませんでした。
 そこで,被害者からの警察に対する期待が大きいことを踏まえ,平成8年から,警察庁及び全国警察では組織を挙げて被害者支援に取り組み始めました。
 広島県警察においても,被害者の人権に配慮した数々の取り組みを行っています。

犯罪による二次的被害

 犯罪の被害者は,一次的被害(直接的な被害のこと。体の傷,物を盗まれたなど)だけではなく,その結果として生じる精神的被害や経済的被害など,長期にわたって様々な問題に悩まされます。これが,「犯罪による二次的被害」と呼ばれているものです。この二次的被害はとても深刻で,被害者はこれまでの生活を続けることも難しくなってしまい,何らかの支援が必要な状態に陥ってしまうことも少なくありません。
 二次的被害の例として,周囲からの言葉や態度,司法機関での対応で配慮が欠けていた場合などが挙げられています。周囲の人にとってはささいな一言であったり,励ましのつもりで言ったことであっても,被害者の心情を理解してなかった場合にはこれが強烈な二次的被害となります。この一言が被害者の回復を遅らせ,ひどいときには一生にわたって被害者を苦しめ続けることにもなりかねません。
 特に性犯罪被害は,ほかの犯罪と異なり,性犯罪に対しては特有の誤解があるため,ほかの犯罪による被害者よりつらい立場に立たされることが多いようです。

精神的被害

 犯罪の被害を受けた後は,非常に強いストレスのために一種のショック状態が続き,心や身体の調子を崩したり,気持ちをうまくコントロールできなくなって,今までの日常生活を続けることが難しくなることが多く,被害者はこのまま気が狂ってしまうのではないかと不安になってしまいがちです。しかし,これは犯罪の被害を受けた人にはだれにでも起こりうる,異常な事態に対する自然な反応です。この反応が収まるまでには,少なくとも数か月から数年の年月が必要となりますが,ストレス反応の度合いや回復までの期間は,被害の状況やその人の性格だけで決まるのではありません。被害者の回復に影響を与える要因の中でも,家族や友人など周囲の人々の対応が大きな影響を及ぼします。
 周囲の人は,被害者を責めたり,事件について尋ねたりせず,被害者から求められるまでは今後のアドバイスもつつしんでください。被害にあって悩んでいる人に無理な励ましは禁物ですが,孤独感を与えないようにご配慮ください。
 なお,犯罪の被害者によく見られる症状には,以下のようなものがあります。

  • 事件のことが頭を離れない
  • 恐怖や不安を強く感じる
  • イライラが続く
  • 自分を責め続ける
  • ぼーっとして,何も感じない
  • 人に会うのがつらい
  • 体調が崩れる
  • 疲れやすい
  • 食欲がなくなる,または急に増える
  • 眠れない,なかなか寝付けない

・・・など
 このような症状でつらい時には,ひとりで我慢せず,警察の相談窓口や専門の相談機関へご相談ください。

 警察の被害者支援カウンセリング制度については,事件を届け出た警察署の警務課または担当の捜査員にお問い合わせください。

性犯罪に関する誤解

 ほかの犯罪に比べ,性犯罪については一般的に誤ったイメージが根強く,そのために被害者はだれかに相談するだけでもとても勇気が必要だったり,警察に届け出にくかったり,周囲の人の対応が望ましいものでなくなったりする原因となっています。

 例えば,あなたは「性犯罪なんてめったに起こらない」と思っていませんか?

 多くの人にとっては,性犯罪の被害にあった人は周りにいないし,近所で事件が起きたという話も聞かないので,なかなか身近に感じられず,珍しいことのような印象があるのではないでしょうか。しかし,警察に届け出のある性犯罪は実際に起きている件数の一部とも言われていますし,被害者のプライバシー保護のため報道されることも少ないので,みなさんの耳には入りにくくなっていますが,実際には県内で数多くの性犯罪が起きていると考えられています。だれがいつどこで性犯罪の被害にあうかわからない状態なのです。

 また,「性犯罪の被害者はいつもと様子が変わってしまうから,会えばすぐわかる」と思っている人も多いかも知れません。
 しかし,性犯罪の被害者の多くは大変な努力をして,周りの人に気づかれないよう,いつもどおりに振る舞っているようです。感情が麻痺してぼーっとしてしまったり,物静かになったり,逆にいつもより活発になってしまったりしっかりしているように見える人も多く,性犯罪の被害を受けたからこうなると決まった状態はありません。パニックを起こしてしまう人より,落ち着いて見える被害者の方が精神的なショックが強いこともあります。被害者が冷静に見えても,周囲の支援や配慮は欠かせないものなのです。

 さらに,性犯罪に関しては,世間に広まっている迷信のようなものがあります。この迷信のために,被害者にもそれなりの責任があると見なされたり,周りの人が被害者を責める言動をしてしまう下地となっています。また,被害者は自分が悪かったのだと考えたり,だれかに相談しても自分が責められるのではないかと思って,人に知られないように一人で悩みを抱たままとなっていることが多いようです。
 その迷信の例を,いくつか挙げてみましょう。

性犯罪に関する迷信の例

被害者が加害者を挑発した結果,性犯罪が起きる

 「薄着やミニスカートなどの挑発的な服装を見て,急に性的欲求が高まった男性が性犯罪を起こすのだから,そのような服装をしている女性は被害にあっても仕方がない」と思っている人がいるのではないでしょうか。しかし,性犯罪は一部または全部が計画的に行われていることが多いようです。それには被害者の服装や容姿は関係なく,「だれでも良かった」というケースも多数含まれています。もちろん,パンツスーツや,ジーンズに丈の長いコートを着ていても被害にあうことがあります。

美しく若い女性が性犯罪の被害にあう

 被害者の年齢は幼児から80代まで,広範囲にわたっています。また,被害者の服装や外見,職業もバラバラです。幼児の場合は女児のみではなく,男児が被害にあって警察に届け出られるケースもあります。
 成人男性が性犯罪の被害を受けた場合は,だれかに相談したり警察に届け出ることもためらわれ,女性より深刻な状況に陥っていることも考えられます。

夜,一人歩きしなければ性犯罪にはあわない

 警察へ被害届が出された内容から,夜,一人歩きの女性が被害にあうことが多いのは事実ですが,午前中や夕方にも,性犯罪は起きています。自宅やいつもよく行く場所でも事件は発生しており,夜と屋外だけが危険なのではありません。

性犯罪は見知らぬ男性から受ける

 顔見知りからの被害は知人にも相談しにくいため,警察へ届け出ることはもっと難しいと考えられますので実態は把握できておりませんが,被害全体に占める割合は高いと考えられています。警察への届け出をされた事件にも,知人からの被害が多数あります。

いやだったら,被害者は最後まで抵抗するはずだ

 被害者は恐怖で体が硬直したり,声も出なかったりして抵抗できなくなることがありますが,加害者を受け入れる気持ちがあったわけではありません。

性犯罪は大都市でしか起こらない

 事件は地域に関係なくどこでも発生します。地方では周囲の目を気にして警察に届け出られない場合も少なくないと考えられていますが,実態は不明です。

性的欲求を爆発させた男性が衝動的に性犯罪を行う

 性犯罪は計画的に行われていることが多く,また,周りに人がいる時やだれかに見つかりそうな場所では行われていないことからも,コントロールできない行動ではないことが判ります。

性生活に不満を持っている異常な男だけが性犯罪の加害者となる

 加害者は見るからに異常な男性だろう思われがちですが,社会的に地位があり,信頼されている人物であることも少なくないのです。もちろん,妻や子,恋人と,家庭でも職場でも人と変わらない生活を送っている加害者もまれではありません。

性犯罪の被害にあわれた方,その相談を受けた方へ

 どんな場合でも,被害者は「被害にあっても構わない」と考えて行動していたわけではありません。周囲の方は,絶対に被害者を責めないでください。万が一,あなたが被害にあってしまった時も,自分を責めないようにしてください。

 性犯罪については,性犯罪の被害にあわないために性犯罪の被害にあわれた方へのページにも広島県警察からの詳しい情報を掲載しています。併せてご覧ください。

このページに関連する情報

このページがお役にたちましたら、下のいいねボタンを押してください。