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【レポート】モデル企業3社 合同キックオフ交流会を開催しました(令和4年度働きがい向上企業コンサルティング事業)

印刷用ページを表示する掲載日2022年8月22日

合同キックオフ交流会開催レポート 【ベンダ工業株式会社 × 株式会社イシカワ × 株式会社シンギ】

本事業は,県内企業の働き方改革を「働きやすさ」から「働きがい」へとステップアップするためのモデル事例創出プログラムです。

「働き方改革実践企業認定制度」認定企業3社を対象にコンサルティングを実施し,「働きがい」向上に取り組むことが経営上のメリットにつながることを実証し,その取組内容と成果を公表することで,県内企業の「働きがい」向上に対する取組意欲を引き上げることを狙いとしています。

今回事業への参加が決まったベンダ工業株式会社,株式会社イシカワ,株式会社シンギの3社合同キックオフ交流会を7月に開催し,「働きがい」向上に向けたスタートを切りました。

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1 オープニングミニ研修(県立広島大学大学院 教授 木谷 宏氏)

県立広島大学大学院 経営管理研究科 木谷宏教授より、「働きがい向上の必要性と取組みのポイント ~「つらくない働き方」から「おもしろい会社・職場・仕事」へ~」と題し、講義をしていただきました。

木谷先生―「働き方改革」のこれまでの経緯

2007年のワーク・ライフ・バランス憲章策定を機に、わが国でもワーク・ライフ・バランスの考え方や理念はかなり浸透してきています。しかし残念なことに憲章に掲げられた「フリーターの数の削減」や「男性育休取得率の向上」等の14の数値目標のほとんどが達成できませんでした。「早く帰ろう!」と掛け声だけかけても、「働き方」そのものを変えない限りワーク・ライフ・バランスの実現はできない。そうした反省から2016年、「働き方」そのものを変えるための働き方改革がスタートしています。働き方改革とは1つにはワーク・ライフ・バランス実現のための具体的な方法論であり、手段であるということです。

 

―これからの「働き方改革」

広島県では、これからの働き方改革の方向性を「働きやすさの実現」と「働きがいの実現」の両輪で考えています。「働きやすさの実現」とは、先ほどお話したワーク・ライフ・バランスの実現であり、言い換えれば「つらくない」職場づくりだと言えるでしょう。この点は広島県でもずいぶんと取組が進んできている実感があります。これに加えて、これからの働き方改革に重要なのが「働きがいの実現」です。先ほどの「つらくない」職場という守りの視点から、「おもしろい」職場という攻めの視点へと、働き方改革の取組をステップアップしていくのです。もちろんその土台となる「法令順守」も忘れてはいけません。「(1)法令順守」「(2)働きやすさの実現」「(3)働きがいの実現」と3段階で取り組むことで「全従業員が活躍する組織」となり、経営メリットの実現につながる。これが広島県ロールモデル(下の図)の考え方です。スライド

―「働きがい向上」へのアプローチ

こうした働きがいのある会社をつくるためには、制度づくり(ハード)、効果的なマネジメント(ソフト)、企業文化の醸成(ハート)の3区分から働きかけていくことが必要です。今回の事業では、これを「仕事」、「職場」「組織」という側面から、この働きかけを実践していくことになります。

2 参加企業によるプレゼンテーション

参加企業3社によるプレゼンテーションにおいて、事業に参加した思いや、各社の目指す姿について語っていただきました。


―ベンダ工業株式会社ベンダ工業

当社は自動車エンジン部品(金属リング製品)の設計・製造・販売を行っています。自動車のEV化に伴い2030年にエンジン車市場がピークアウトすると予想されており、当社でも2030年までに、既存商品以外の、電動化商品と未来商品の売上比率を50%にまで高める中期経営ビジョンを掲げています。また当社では「社員の皆さんに健康で長く働いていただきたい」という想いから2017年より健康経営に取り組んできました。働き方改革もその延長線上にスタートしています。働き方改革で最初に取り組んだのが「働きやすさの整備」です。働き方の多様性を推進し、付加価値と生産性を高めつつ、ワーク・ライフ・バランスの整った会社を目指して取組を続けてまいりました。

そして今、次のステップとして「働きがい」にも取り組み始めているところです。当社では毎年実施している全社アンケートで、社員の働きやすさと働きがいを調査しました。従業員の声を元に、働きがいを感じてもらうためにどんなことをすればよいのかを委員会メンバーを中心に検討し、取組を始めています。具体的には、社員の自己成長を支援し、正当な評価・フィードバック・達成感が得られるように、Bendaグループ全体で、目標管理制度と人事制度、能力管理制度を連動させていく取組等を進めています。


―株式会社イシカワイシカワ

当社は1927年に創業した、豆菓子等の食品メーカーです。これまで当社では有給休暇取得率の向上や福利厚生の充実などを通じた「働きやすさ」の改善に取り組んでまいりました。「働きやすさは改善し始めたけど、従業員の働きがいはどうだろう?」という社長の想いから、これまで着手していなかった「働きがいの向上」に取り組むべく今回の事業に参加しました。当社は本事業の参加にあたり、「ミッション・ビジョン・バリュー(MVV:経営理念)を浸透させ、従業員の幸福度を高め、自走型組織を創る」を目指すべき姿として掲げました。まず、「ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)」については、現在既存の経営理念を一度白紙に戻し、従業員と一緒にMVVを再検討しているところです。そして、「幸福度」とは「やりがい」を意味します。社員が前向きに働けているか、仕事に没頭できるか、仕事に意味を見出せるか、などを数値化して高めていきます。最後に「自走型組織」とは、従業員一人ひとりが自ら考えて行動する組織になることです。​


―株式会社シンギシンギ

当社は食品パッケージの企画・製造・販売を行う会社です。2020年から新型コロナの影響で業績を下げましたが、ようやく回復してきています。また近年は、働く人の価値観や働き方が変わり、採用や定着も従来から大きく変化しています。こうした社会変化の中で、経営的な視点から「人材の成長」が重要なファクターであると考えています。そこで当社は今年度のスローガンを「Something NEW」とし、創立100周年に向けたあるべき姿として「環境問題と食文化の発展に貢献するパッケージカンパニー」を掲げました。そのために取り組み始めているのが「ウェルビーイング」の実践です。現在,「キャリア」,「ソーシャル」,「フィナンシャル」,「フィジカル」の4テーマから社員一人ひとりのウェルビーイングの実現を目指して様々な取組をスタートさせています。当社は経営理念である「顧客第一主義」の実現に向け,「強い会社」と「やさしい会社」の両立を目指しています。

3 グループワークとスローガンの発表 

合同キックオフ交流会に先立って実施した従業員サーベイの結果を元に、自社の課題や目指す姿について、活発な意見交換が行われました。最後には、各社の取組スローガンの発表とともに、「働きがいのある会社」に向けた決意表明が行われました。


―ベンダ工業株式会社 【もっと² One Benda】

ベンダ工業

私たちの強みである「つながり」をより高めるために、取組に関心の低い約3割の従業員を巻き込みながら「もっと²One Benda」を目指します。


―株式会社イシカワ 【ウェルビーンズ】

イシカワ

​今回の取組を通じて、社員の幸福度を高めたいと思います。


―株式会社シンギ 【シン・シンギらしく ~Let’s Shining~】

10年後の創立100周年を目指し、社員のあるべき姿の明確化やスキルアップ研修の充実に取り組みます。副題の「Let’s Shining」は現在改装中の社員食堂「シャインカフェ」にちなみ、社員が輝いていく状態を目指そうという気持ちを込めています。

シンギ


全体写真

事業スケジュール

令和4年7月~ 取組テーマ・目標の設定と取組計画の策定,各社へのコンサルティング支援(実践支援)

令和5年3月  合同成果発表会

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