3 |
土壌環境の保全 |
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● |
現状と課題 |
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生活水準の高度化,産業活動の進展等に伴い,市街地などへの有害物質の負荷が増大する傾向にあります。
工場跡地等の土壌汚染については,全国における平成14年度の調査事例では635件中260件で土壌汚染が判明するなど,全国的に高い水準で推移しており,県内においても,有害物質を使用していた工場の跡地等で,土壌汚染が判明する事例が発生しています。土壌は,いったん汚染された場合,その影響が長期にわたるとともに地下水環境への影響も考えられることから,適切な未然防止対策を講じるとともに,有害物質を扱う工場・事業場等が閉鎖される場合などには必要な調査を実施し,汚染が判明した場合には適切な措置を講じる必要があります。
また,農用地における土壌汚染は,農作物に対しても影響を与えることとなります。平成9年度に実施した農用地におけるカドミウム,亜鉛,銅についての土壌環境基礎調査では汚染は確認されませんでしたが,肥料や農薬の適切な使用を指導することが必要です。 |
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[施策の方向] |
■ |
工場・事業場等における土壌汚染調査及びリスク管理の観点に立った土壌汚染対策の推進 |
■ |
農用地の土壌調査や施肥指導による汚染防止対策の推進 |
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● |
施策の展開 |
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(1)工場・事業場等における土壌汚染対策の推進 |
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○ |
「土壌汚染対策法」に基づき,有害物質を取り扱う工場・事業場が閉鎖される場合などには,汚染状況調査の実施の徹底を図るとともに,調査の結果,汚染が判明した場合には,浄化・封じ込めなど,状況に応じた改善措置の指導を行います。 |
○ |
土壌汚染の発見と適切な処理の推進を図るため,大規模な土地の改変を行う者に対して土地履歴調査等の実施の徹底を図ります。 |
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平成16年度に講じた施策・平成17年度に講じる施策 |
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ア |
土壌汚染状況調査等の実施指導[環境対策室] |
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平成15年2月に施行された土壌汚染対策法に基づき,土地所有者等に対し,有害物質を取り扱う工場・事業場が廃止された場合等に行う土壌汚染状況調査の実施の徹底について指導を行います。また,調査の結果,汚染が判明した場合には,法に基づき,汚染の除去等の措置の実施について指導を行います。 |
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[平成16年度事業実績] |
法に基づく土壌汚染状況調査結果の受理,指定地域の指定,事業者に対する指導等を行うとともに,自主的な土壌汚染対策に対し,法に準じた対策の実施について指導を行いました。 |
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図表 2-2-24 土壌汚染対策法に基づく報告等の件数(平成16年度) |
項目 |
件数 |
法第3条第1項に基づく土壌汚染状況調査結果の報告 |
4 |
法第3条第1項ただし書に基づく確認 |
11 |
法第4条第1項に基づく調査命令 |
0 |
指定区域の指定 |
2 |
指定区域の解除(一部解除を含む,延べ件数) |
1 |
法第7条に基づく措置命令 |
0 |
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資料:県環境対策室,広島市,呉市,福山市 |
[平成17年度事業内容] |
引き続き,法に基づく指導を行います。 |
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イ |
土地改変時の土地履歴調査等の実施指導[環境対策室] |
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土壌汚染の早期発見と適切な処理を推進し,土壌汚染問題の発生を未然に防止するため,一定規模の土地の改変を行う者に対する土地履歴調査等の実施について,そのしくみを構築し指導を行います。 |
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[平成16年度事業実績] |
土地改変時における土地履歴調査等の実施に関して,広島県生活環境の保全等に関する条例に規定を設け,平成16年10月から施行されたことに伴い,事業者を対象とした説明会を開催するとともに,対象となる土地改変者に対し,条例に基づく土地履歴調査等の実施について指導しました。 |
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図表 2-2-25 広島県生活環境の保全等に関する条例(土壌環境の保全)に基づく報告等の件数(平成16年度) |
項目 |
件数 |
土地履歴調査結果の報告 |
75 |
土壌汚染確認調査結果の届出 |
0 |
汚染拡散防止計画書の提出 |
0 |
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資料:県環境対策室,広島市,呉市,福山市 |
[平成17年度事業内容] |
引き続き,条例に基づく土地履歴調査等の実施について指導します。 |
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(2)農用地の汚染防止 |
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肥料や農薬の不適正使用による土壌汚染を防止するため,肥料生産者に対しては「肥料取締法」に基づいた品質管理,農薬使用者に対しては「農薬取締法」に基づいた適正使用等を指導します。 |
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平成16年度に講じた施策・平成17年度に講じる施策 |
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ア |
土壌機能増進対策事業[食品流通安全室] |
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環境と調和した農業の一層の展開を図り,健全な農業生産を推進するため,土壌の機能を増進させる実態調査を行うとともに,適正施肥の基準を策定するための試験等に取り組みます。 |
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[平成16年度事業実績] |
実態調査を44地点,施肥基準策定の試験・調査等を6地点で行いました。 |
[平成17年度事業内容] |
引き続き,土壌に対する影響を総合的に把握し,土壌の多面的な機能の増進を図ります。 |
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イ |
農薬適正使用推進対策事業[食品流通安全室] |
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農産物の安全性向上や農薬による危被害を防止するため,農薬販売者及び農薬使用者等に対する講習会の開催や農薬取締法に基づく立入検査等を実施します。また,農薬使用者等へ農薬に対する正しい知識の普及を行います。 |
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[平成16年度事業実績] |
危害防止講習会(県内4会場,453人),農薬管理士認定講習会(県内延6会場,372人)及び立入検査(388箇所,うち違反数245)を実施しました。 |
[平成17年度事業内容] |
農薬取締法の内容について講習会などにより周知を図るとともに,農薬取締法に基づく立入検査等を実施し,農薬の適性使用・保管管理の徹底を図ります。 |
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(3)大久野島土壌汚染対策 |
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平成7年に環境庁が実施した大久野島の土壌等の調査結果から,砒素による土壌等の汚染が判明したため,環境庁は,応急的対策を講じるとともに,学識者で構成する「大久野島土壌等汚染対策検討会」を平成9年2月に設置し,恒久的対策の検討を行い,平成10年10月から撤去処理等の工事に着手し,平成11年6月に当面の対策を完了しました。県では,周辺海域の水質調査を実施して,問題がないことを確認するとともに,国が実施する土地改変等に併せて恒久的対策が講じられるよう,必要な対応を行います。 |
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平成16年度に講じた施策・平成17年度に講じる施策 |
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ア |
環境調査等[環境対策室] |
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恒久的な対策が着実に講じられるよう,大久野島周辺環境の調査を定期的に実施します。 |
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[平成16年度事業実績] |
大久野島周辺海域5箇所において,砒素及び鉛に係る水質調査を実施したところ,全て定量下限値未満でした。 |
[平成17年度事業内容] |
引き続き,水質調査を実施します。 |
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