第2部    環境の現状と県の取組
 
第3章   自然と人がふれあう潤いのある広島
第2節   身近な自然と快適で潤いをもたらす環境の保全と創造
1   身近な自然環境の保全
2   自然とのふれあいの増進
3   優れた景観,歴史的・文化的環境の保全と創造
 
第2節 身近な自然と快適で潤いをもたらす
環境の保全と創造
 
1 身近な自然環境の保全
 
現状と課題
 
 農山村地域等は,里山,水田,畑などの耕作地や集落などで構成される多様な環境が存在し,その中で多くの生物が生息していますが,過疎化・高齢化の進行により,里山・農地等の有する環境保全機能の維持が困難な地域も発生しています。
 一方,都市域及び都市近郊では,地域住民の良好な生活環境の維持に資する自然環境の保全を図るとともに,公園や緑地等の整備・保全等により,安らぎのある快適な生活環境を創造していく必要があります。また,都市の主要なみどりを構成する街路樹についても,都市景観の美化,緑蔭の提供による安らぎや快適性の向上,防塵,防風等効用,空気の清浄化等の働きや公園や緑地を結ぶ生態空間としての重要性が認識されつつあります。
 河川,渓流,海岸などの水辺については,地域の人々が親しみやすく,憩いの場となるような水辺環境の整備を進める必要がありますが,全国1位のプレジャーボート保有県であり,適切な係留を行っていない放置艇があることなどから,沈廃船等による海域環境への悪影響が発生しています。
 
図表3-2-1 都市公園面積及び1人当たり都市公園面積
資料:県都市整備室
 
図表3-2-2 緑地環境保全地域数及び面積(平成16.4.1現在)
区分 地域数 総面積(ha)
緑地環境保全地域 22 818
資料:県自然環境保全室
 
[施策の方向]
身近な生き物やみどりとのふれあいの場となる農用地や里山林,都市公園などの保全と創造
 
施策の展開
 
(1) 農用地の保全
 
 農用地は,生産基盤や水源かん養の機能に加え,営農活動と調和して多様な生物が生息する空間であり,みどりの空間を保持し,県民にやすらぎを与える機能を持っていることから,こうした機能の維持・増進のため,中山間地域では集落等を単位とする地域ぐるみの永続的な農業生産活動を推進し,都市近郊では,みどり空間として地域ぐるみで計画的・集団的土地利用を図るなど,その保全管理と有効利用を誘導します。
 
平成15年度に講じた施策・平成16年度に講じる施策
 
中山間地域等直接支払事業[農地保全室]
 農用地の持つ水源かん養などの公益的機能の維持を目的に,農業生産条件の不利な中山間地域等を対象として,集落等を単位とする農業生産活動を推進し,耕作放棄の原因となる農地生産条件の不利性を補正する直接支払を実施します。
[平成15年度事業実績] 協定面積17,579haに対し,2,693,654千円を交付しました。
[平成16年度事業内容] 平成15年度の協定面積が維持され,拡大も見込まれます。
 
中山間ふるさと水と土保全基金事業[土地改良室]
 非農家を含めた中山間地域の住民一体による共同活動を支援し,地域コミュニティーを発展させることにより,農地及び土地改良施設(用水路,ため池,農地法面等)の維持保全活動を活発化させて,農業農村のもつ公益的・多面的機能の良好な発揮や自然環境の保全・再生を推進します。
 また,都市住民に対する情報提供や啓発・普及活動を進め,農村と都市との共生・対流を促すことにより,中山間地域のもつ資源が県民全体の財産として評価され,利活用されていくことを目指します。
[平成15年度事業実績]
基本的対策作成(ワークショップ手法による地域資源の保全を進めるための将来構想の作成)
  実施地区:尾道市木梨地区
畦畔管理省力化実証展示(農地法面へのシバザクラの植栽による管理省力化のモデル展示)
  実施地区:三次市青河下地区
「ひろしまの農村フォトコンテスト」開催
美土里町桑田の庄において,「ふるさと水と土探検隊」を開催しました。
[平成16年度事業内容]
基本的対策作成
  実施地区:湯来町砂谷地区
畦畔管理省力化実証展示
  実施地区:御調郡御調河内地区,三次市青河下地区
「ひろしまの農村フォトコンテスト」開催
吉田町可愛地区において,「ふるさと水と土探検隊」(広島市立広瀬小学校5年生約37人参加予定)を開催します。
 
棚田地域水と土保全基金事業[土地改良室]
 美しい日本の原風景といわれる棚田の公益的・多面的機能を広く県民にPRし,維持保全に対する理解と認識の向上を図ることにより,地域住民だけでなく都市住民やボランティア団体による保全・利活用活動の活性化につなげます。
[平成15年度事業実績] 「ひろしまの棚田ポストカード」を作成し,棚田の魅力について広くPRしました。
[平成16年度事業内容] 棚田ウォーキングを開催し,主に都市住民から参加を募り,棚田に対する理解向上を図ります。
 
中山間地域緊急保全対策事業[生活基盤室]
 中山間地域の中で最も条件不利地域である棚田地域を対象に,緊急的な整備や持続的保全に係る支援を実施し,棚田のもつ国土保全,環境保全の機能を良好に発揮させます。
[平成15年度事業実績] 該当地区なし
[平成16年度事業内容] 該当地区なし
  
(2) 里山林の保全
 
 都市周辺の森林において緑豊かで良好な生活環境や自然環境の保全・形成に努めるとともに,多様な生物の生息・生育環境等として貴重な存在となっている里山林において地域住民と都市住民との交流・協力等によりその保全を推進します。
 
平成15年度に講じた施策・平成16年度に講じる施策
 
里山林整備推進事業[森林保全室](再掲)
 身近な里山林の整備・保全を促進するため,広く県民に「森林育ての親」として,森林整備活動への参加を呼びかけるとともに,森林所有者と地域住民・森林ボランティア等の都市住民とが協力した災害に強い森林づくりを実施します。
[平成15年度事業実績] 甲山町において,里山利用林の設定や講習会の開催などを実施し,活動を呼びかけた結果,ボランティア団体が結成され,継続的な森林整備が行なわれるようになりました。
[平成16年度事業内容] 森林ボランティア活動の場として整備する「みどり世紀の森」づくりを支援します。
 
共生保安林整備事業[治山室]
 都市周辺の森林において,緑豊かで良好な生活環境や自然環境の保全・形成を図るため,保健休養・自然環境保全機能の高い森林を整備します。
[平成15年度事業実績] 保安林の機能を多目的かつ高度に発揮させるための造成改良整備等により保健休養・自然環境保全機能の高い森林整備を9地区で実施しました。
[平成16年度事業内容] 引き続き,同様の事業を7地区で実施します。
 
(3) まちのみどりの保全・創造
 
 「広島県自然環境保全条例」に基づく緑地環境保全地域の指定により,市街地やその周辺地域の緑地等の保全を図ります。
 また,住区基幹公園,都市基幹公園等の重点的な整備や,風致地区,緑地保全地区の指定等により,都市域及び都市近郊の良好な生活環境の形成を推進します。
 さらに,街路樹の植栽などによる道路緑化,法面における自然植生の回復等により良好な道路環境の整備を推進します。
 
平成15年度に講じた施策・平成16年度に講じる施策
 
緑地環境保全地域の指定等[自然環境保全室]
 「広島県自然環境保全条例」に基づく緑地環境保全地域を指定し,市街地やその周辺地域の緑地等の保全を図ります。
(緑地環境保全地域指定状況は,資料編「自然環境5」参照)
[平成15年度事業実績] 県内22箇所の緑地環境保全地域の保全に努めました。
[平成16年度事業内容] 引き続き,緑地環境保全地域の保全に努めていきます。
 
植樹帯などによる道路緑化[道路企画室]
 みどりに恵まれた快適な環境が身近な空間に創出されるよう,道路改良や維持修繕の際,植樹帯や法面の緑化などを必要に応じ行い,良好な道路環境の整備を推進します。
 
緑の斜面整備事業[砂防室]
 緑豊かな自然の活用や,斜面空間の利用により,地域の環境にとけ込んだ斜面整備を推進するため,補強土工法を実施し,既存木の保存を行います。
[平成15年度事業実績] 広島市・飯室土居地区において整備しました。
[平成16年度事業内容] 呉市・天応中学下地区において整備します。
 
都市公園事業[都市整備室](再掲)
 都市公園の整備や都市における緑化の推進は,都市環境を改善するとともに自然的環境を創出し,快適で潤いのある生活環境を形成します。
[平成15年度事業実績] 福山城公園(福山市),上野総合公園(庄原市)他16箇所で緑化を行いました。
[平成16年度事業内容] 新宮中央公園(廿日市市),東広島運動公園(東広島市)他15箇所で緑化を行います。
 
街路事業[都市整備室](再掲)
→詳細はこちら
 
(4) 親水施設の整備
 
 河川環境は地域の自然,生活,文化等の形成に大きな役割を果たしていることから,その環境整備においては,それら多面的な価値を十分に活かし,長期的・広域的な視野に立った川づくりを推進します。
 港湾,漁港,海岸の環境整備においては,交流の促進,生活環境の向上等を目的とし,緑地や親水施設等の整備を推進します。
 
平成15年度に講じた施策・平成16年度に講じる施策
 
漁港環境整備事業[漁港漁場整備室]
 漁港における景観の保持・美化を図り,快適にして潤いのある漁港環境を形成するため,植栽,休憩所,親水施設等を整備します。
[平成15年度事業実績] 豊島漁港・田尻漁港において,緑地等を整備しました。
[平成16年度事業内容] 引き続き,豊島漁港・田尻漁港において整備します。
 
漁港海岸環境整備事業[漁港漁場整備室]
 国土の保全と併せて,海岸部の総合的レクリエーション機能の整備をします。
[平成15年度事業実績] 豊島漁港において,人工海浜等を整備しました。
[平成16年度事業内容] 引き続き,豊島漁港において整備します。
 
農地海岸環境整備事業[生産基盤室]
 農地海岸において,農地の保全を図るとともにレクリエーション活動の場とするため,植栽や人工海浜及び突堤を設置し環境整備を行います。
[平成15年度事業実績] 植栽及び護岸の修景(相川海岸),階段式護岸(大野浦海岸)を整備しました。
[平成16年度事業内容] 階段式護岸(大野浦海岸)の整備を行います。
 
河川環境整備事業[河川企画整備室]
 河川環境は地域の自然,生活,文化等の形成に大きな役割を果たしていることから,その環境整備においてはそれら多面的な価値を十分に活かし,長期的・広域的な視野に立った川づくり推進します。
[平成15年度事業実績] 三篠川・出口川・四川などにおいて親水性護岸等の河川整備を行いました。
[平成16年度事業内容] 引き続き,親水性護岸等の河川整備を行います。
 
自然再生事業(緑の砂防ゾーン創出)[砂防室]
 荒廃した渓流の渓流内部や渓流周辺において砂防設備としての樹林帯や遊砂地を設け,土砂の移動の抑制や流出土砂の捕捉を図るとともに,流域及び渓流周辺の自然環境を保全します。
[平成15年度事業実績] 向山支川において用地買収,八幡川・市場川において用地買収・管理用道路工事を行いました。
[平成16年度事業内容] 引き続き,八幡川・市場川において用地買収・管理用道路工事,向山支川において用地買収を行います。
 
環境学習事業(水辺の楽校プロジェクト)[砂防室]
 子ども達の自然とのふれあいを通した遊びや生活体験等の機会が減少しているため,河川等のもつ様々な機能を活かし,河川等が身近な遊びの場,教育の場となるように,水辺の整備を推進します。
[平成15年度事業実績] 御衣尾川において,護岸工事を行いました。
[平成16年度事業内容] 引き続き,御衣尾川の護岸工事を行います。
 
防砂の歴史・文化拠点づくり[砂防室]
 地域の文化・歴史に配慮し,歴史的な遺産や砂防施設を積極的に保存するとともに,周辺の環境整備を行い,地域の人々に砂防に対する啓発活動を展開し「砂防の歴史・文化拠点づくり」を行います。
[平成15年度事業実績] 大通院川において護岸工事・管理用道路工事,堂々川において調査を行いました。
[平成16年度事業内容] 引き続き,大通院川において護岸工事・管理用道路工事,堂々川において調査を行います。
堂々川 6番砂留と堂々公園
堂々川 6番砂留と堂々公園
 
放置艇の規制[港湾管理室](再掲)
 広島県プレジャーボートの係留保管の適正化に関する条例,及び港湾法第37条第3項に基づき,禁止区域を順次指定して水域の適正な管理を行います。
[平成15年度事業実績] 広島港内において禁止区域を追加しました。
[平成16年度事業内容] 引き続き,水域の適切な管理を行います。
 
港湾環境整備事業[港湾企画整備室](再掲)
 港湾におけるアメニティを高め,人々が集い,賑わい,やすらぐ場とするため,緑地などの環境整備を行います。
[平成15年度事業実績] 干潟(県内3箇所),緑地(県内7港)を整備しました。
[平成16年度事業内容] 引き続き,干潟・緑地を整備します。
 
●コラム●田んぼの生きもの調査in安芸高田市来原
 
  [実施主体名] 田んぼでのかえる調査
 広島県,広島県土地改良事業団体連合会(水土里ネットひろしま)
 
[協力団体等]
 安芸高田市,高宮土地改良区
 
[参加者]
 安芸高田市来原小学校5年生(13名)及び教職員(2名)
 
田んぼでのかえる調査
(あみを持ち,かえるを追いかけ回していました)
[目的]
 「田んぼの生きもの調査」は,農業農村整備事業実施後の地区において,どういう生きものが,どのくらい,どのような環境で生息しているのかを把握し,生きものや環境に配慮したより良い施設整備を推進していくことを目的とし,また地域の環境教育,環境保全活動に資するため,平成13年度から全国で実施され,今年で4回目です。 水路での魚調査
 
[活動概要]
 平成16年7月7日(水)安芸高田市高宮町原田(県営ほ場整備事業:原田地区)で地元の安芸高田市立来原小学校5年生の児童13名,教頭先生,教諭と安芸高田市産業振興部,芸北地域事務所農林局高田地方農村整備事業所,県農林水産部農村整備総室,水土里ネットひろしまが共同で「田んぼの生きもの調査2004」を行ないました。
水路での魚調査
(水路からなかなかでませんでした)
田んぼの生きもの調査2004  地元の小学生でも,最近ではめったに水路に入って遊ぶ機会がないようで,ずぶぬれになりながら魚をおいかけ,終了後もなかなか水路からあがらない児童たちもいました。
 水路ではカワムツ,ドンコ,ギギ,ヨシノボリ,ブルーギル,田んぼでは,トノサマガエル,アマガエルを捕まえ,それぞれ種類ごとに体長を測り写真撮影しました。
 児童たちは,それぞれの役割に目を輝かせて取り組んでいました。
 また,RCCテレビの取材も受け,夕方の放送を楽しみにしていました。
 今後も,田んぼの生きもの調査を地域の方々と一緒に行い,自然環境や農業農村が有している多面的機能の重要性を認識していただくとともに,環境との調和に配慮する農業農村整備事業を広くPRしていきます。
 当日は天候にも恵まれ,児童たちは,5,6時間目の総合学習の時間に,水路の幅や水深を測る「測量班」,魚を捕まえるためのわなを設置する「わな班」,水温や水質を調べる「環境班」の3班に分かれて調査を行ないました。
 各班の調査を実施後は,あみを持って水路に入り,魚を捕まえたり,田んぼの畦畔でかえるを捕まえたりしました。
地域の方々
 
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2 自然とのふれあいの増進
 
現状と課題
 
 余暇時間の増加等に伴い自然とのふれあいを求める県民ニーズが高まっているものの,生活様式の変化等により自然公園等に求められる機能が多様化しており,施設・設備の老朽化等もあいまって,利用者数は概ね減少傾向にあります。
(自然公園等位置図は,資料編「自然環境1」参照)
 
図表3-2-3 自然公園等利用者数
帝釈峡(雄橋)
資料:県自然環境保全室 帝釈峡(雄橋)
 
図表3-2-4 自然公園利用者数
(単位:千人)
区分 平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度
国立公園 5,436 4,876 4,708 4,717 4,831
国定公園 1,298 1,403 1,486 1,415 1,549
県立自然公園 578 775 757 769 785
合計 7,312 7,054 6,951 6,901 7,165
資料:県自然環境保全室
 
図表3-2-5 野外レクリエーション施設等利用者数
(単位:千人)
区分 平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度
県民の森 210 198 202 174 150
もみのき森林公園 252 243 218 203 204
県民の浜 111 122 106 97 77
中央森林公園 252 221 243 285 305
県自然歩道 45 46 41 36 47
中国自然歩道 200 302 311 336 330
合計 1,070 1,132 1,121 1,132 1,113
資料:県自然環境保全室
 
図表3-2-6 野外レクリエーション施設等(平成16.4.1現在)
区分 規模
県民の森 1,164ha
もみのき森林公園 400ha
県民の浜 23ha
中央森林公園 270ha
県自然歩道 127km
中国自然歩道 464km
資料:県自然環境保全室
 
[施策の方向]
県民の自然とのふれあいを増進する自然公園や野外レクリエーション施設の整備の推進
 
施策の展開
 
 自然公園等においては,地元市町村,関連機関等との密接な連携のもと,県民の自然とのふれあいを増進する施設等の計画的な整備を推進します。
 幅広い年齢層を対象として,体験を通じ,自ら考え,調べ,学び,行動するという過程を重視した環境学習を推進するため,豊かな自然に恵まれ,宿泊研修機能を備えた県立の自然公園や野外レクリエーション施設について,体験型環境学習拠点としての機能を強化します。
 
平成15年度に講じた施策・平成16年度に講じる施策
 
自然公園等施設整備事業[自然環境保全室]
 自然公園等(国立公園,国定公園,県立自然公園,野外レクリエーション施設及び長距離自然歩道(県自然歩道,中国自然歩道))においては,地元市町村,関連機関等との密接な連携のもと,県民の自然とのふれあいを増進する施設の計画的な整備・改修を推進します。
 県内の自然公園や野外レクリエーション施設については,ユニバーサルデザインの導入や環境学習機能の強化といった利用者のニーズに沿った適切な整備を図ります。
[平成15年度事業実績]
公園名 事業箇所 内容
瀬戸内海国立公園 宮島(紅葉谷弥山線歩道) 歩道
神峰山 公衆トイレ,展望施設
筆影山 公衆トイレ,サイト造園等
後山 サイト造園,園路,休憩所等
西中国山地国定公園 三段峡 歩道
立野(細見谷) 炊事棟兼休憩所,サイト造園等
臥竜山麓八幡原(再掲) 湿原地区自然再生推進計画調査
牛小屋高原 車道,公共下水道
比婆道後帝釈国定公園 帝釈峡 歩道,電気施設
道後山 公衆トイレ,駐車場
県立自然公園 南原峡 公衆トイレ,修景緑化
三倉岳 歩道
山野峡 橋梁
神之瀬峡 公衆トイレ,園地
野外レクリエーション施設 もみのき森林公園 給水施設等
中央森林公園 自転車道(木橋)
※1箇所当たりの事業費が500万円以上のものを掲載
 
かっぱ橋(山野峡キヤンプ場)
かっぱ橋(山野峡キヤンプ場)
[平成16年度事業内容]
公園名 事業箇所 内容
瀬戸内海国立公園 宮島(紅葉谷弥山線歩道) 歩道
野呂山 サイト造園,休憩所,駐車場
観音山 歩道
仙酔島・後山 護岸復旧,休憩所等
西中国山地国定公園 三段峡 歩道
臥竜山麓八幡原(再掲) 湿原地区自然再生推進計画調査
比婆道後帝釈国定公園 中国自然歩道(帝釈峡ルート等) 歩道,休憩所
道後山 公衆トイレ,駐車場,休憩所
県民の森(六の原) スキー場リフト,売店兼食堂
野外レクリエーション施設等 県民の浜 給水施設,修景緑化
中央森林公園 自転車道(木橋),三景園休憩所
県民の森(再掲) スキー場リフト,売店兼食堂
中国自然歩道(帝釈峡ルート等)〈再掲〉 歩道,休憩所
中国自然歩道(矢口・極楽寺ルート西) 歩道,橋梁
坂町ふるさと自然のみち 歩道,公衆トイレ,観察施設等
※1箇所当たりの事業費が500万円以上のものを掲載
 
自然歩道等利用促進事業[自然環境保全室]
 自然とのふれあいの増進を図るため,緊急雇用創出基金事業により,長距離自然歩道等に対して,草刈,簡易修繕等を実施し,利用促進を図ります。
[平成15年度事業実績] 草刈等のほか,現況調査結果に基づいた簡易修繕作業を実施しました。
[平成16年度事業内容] 草刈等のほか,現況調査結果に基づいた簡易修繕作業を実施します。
 
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3 優れた景観,歴史的・文化的環境の保全と創造
 
現状と課題
 
 本県は中国山地の自然美,瀬戸内の多島美,水とみどり豊かな田園景観,歴史と伝統に彩られた活力ある都市景観などを有しており,この優れた景観を県民共有の財産として守り育て,適切に次の世代に引き継ぐことが求められています。
 これら優れた景観の保全と創造には,地域に密着した市町村の果たす役割が大きく,市町村主体の景観対策が必要です。
 また,県内の数々の文化遺産のうち,国・県・市町村の文化財に指定・選定・登録された数は約2,500件,周知の埋蔵文化財包蔵地は約16,000件であり,いずれも全国的に件数の多い県になっています。この貴重な文化遺産を,県民共有の財産として保存し次世代に継承するとともに,県民の文化の向上に資するために整備・活用を進め,文化的な生活環境を形成することが求められています。
 
図表3-2-7 景観指定地域(17市町村)
名称 区域 種類 指定年月日
宮島・大野景観
指定地域
宮島町,大野町の全域 宮島町:景観モデル地域
大野町:景観形成地域
H3.12.25
新広島空港周辺景観
指定地域
大和町,河内町及び
本郷町の全域
全域:景観形成地域 H4.4.1
西中国山地国定公園周辺
景観指定地域
廿日市市吉和の区域並びに
筒賀村,戸河内町及び
芸北町の全域
全域:景観形成地域 H5.2.10
西瀬戸自動車道景観
指定地域
尾道市,因島市,瀬戸田町
及び向島町の全域
全域:景観形成地域 H5.4.1
安芸灘架橋景観
指定地域
呉市下蒲刈町及び
川尻町の区域
並びに蒲刈町,豊浜町
及び豊町の全域
全域:景観形成地域 H6.4.1
 
図表3-2-8 大規模行為届出対象地域(33市町村)
大規模行為届出対象地域
安芸高田市(八千代町の区域に限る。),倉橋町,能美町,沖美町,大柿町,豊栄町,安芸津町,大崎上島町,久井町,沼隈町,豊松村,(神)三和町,西城町,東城町,高野町,三原市,東広島市,竹原市,福山市,府中市,庄原市,廿日市市(浅原,飯山,河津原,玖島,栗栖,津田,峠,友田,永原,中道,虫所山,渡瀬及び吉和の区域を除く。),府中町,海田町,熊野町,坂町,江田島町,音戸町,黒瀬町,安浦町,神辺町,大竹市,三次市
 
[施策の方向]
   瀬戸内の多島美,水とみどり豊かな田園景観など優れた景観の保全と創造
 貴重な文化財の活用と次世代への継承
 
施策の展開
 
(1) 自然景観の保全
 
 世界遺産に指定された宮島,世界に誇る瀬戸内海の多島美,美しい森林や多くの農山村の集落景観を有する中国山地など県特有の豊かな自然環境を,各種条例や関連法規の適正な運用等により,守り,育て,次代へ継承することに努めます。
 
平成15年度に講じた施策・平成16年度に講じる施策
 
景観条例に基づく届出制度の運用[環境調整室]
 ふるさと広島の景観の保全と創造に関する条例を制定し,49市町村を,景観指定地域や大規模行為届出対象地域に指定して,大規模建築物の建設や造成行為等の届出指導を行います。
[平成15年度事業実績] 届出制度による指導を行い,良好な景観の保全等に努めました。(届出実績:321件)
[平成16年度事業内容] 引き続き,届出指導により良好な景観の保全等に努めます。
 
(2) まちの景観の整備
 
 「景観形成基本方針」に基づき,市町村が主体となった景観対策を促進するとともに,公共事業等における周辺の景観との調和・統一に配慮した事業の推進等により地域の景観特性を重視した景観の保全・創造を図ります。
 
平成15年度に講じた施策・平成16年度に講じる施策
 
景観条例に基づく届出制度の運用[環境調整室](再掲)
 
市町村主体の景観施策の促進[環境調整室]
 地域の特性を生かしたまちの景観整備が進められるよう,まちづくりの主体である市町村における景観行政の一層の促進を図ります。
[平成15年度事業実績] 実施事例の研修,県民の景観形成活動に対する表彰(景観づくり大賞),広島県景観会議の運営支援を行いました。また,市町村の景観施策の促進のため,県内全市町村を対象に研修会を実施しました。
[平成16年度事業内容] 市町村主体の景観施策へ向けて促進を図ります。
 
道路環境整備事業[都市整備室]
 無電柱化推進計画に基づき,合意された路線の電線類を地中化することにより,優れた景観の形成を図ります。
[平成15年度事業実績] 鷹取奈良津線において電線類の地中化を行いました。
[平成16年度事業内容] 引き続き,鷹取奈良津線において電線類の地中化を行います。
 
(3) 歴史的・文化的環境の保全
 
 貴重な文化財の活用と次世代への継承を図るため,文化財の保存修理等に要する経費の助成,埋蔵文化財包蔵地の把握と周知など,文化財の保護を推進します。
 
平成15年度に講じた施策・平成16年度に講じる施策
 
指定文化財の管理及び保存・修理[文化課]
 所有者等が実施する保存修理事業等に要する経費の一部を助成するとともに,国指定文化財の防災設備保守点検,雪降ろしや小規模な修理,名勝等庭園の荒廃防止及び民家の環境整備事業に要する経費の一部を助成し,指定文化財の適切な保存と管理を推進します。
(ア)国指定文化財保存事業
 国指定文化財の保存修理・防災施設設置事業に対し助成します。
[平成15年度事業実績] 国宝厳島神社本社祓殿・西回廊をはじめとする国指定文化財4件に対し助成しました。
[平成16年度事業内容] 国宝厳島神社本社祓殿・西回廊をはじめとする国指定文化財4件に対し助成します。
 
(イ)県指定文化財等保存事業
 県指定文化財等に対し助成します。
[平成15年度事業実績] 広島県天然記念物新庄の宮の社叢をはじめとする県指定文化財等5件の事業に対し助成しました。
[平成16年度事業内容] 広島県天然記念物馬木八幡の社叢をはじめとする県指定文化財等9件の事業に対し助成します。
 
(ウ)指定文化財管理事業
 国指定文化財の防災設備保守点検,雪降ろし,名勝等庭園の荒廃防止及び民家の環境整備事業へ助成します。
[平成15年度事業実績] 国宝不動院金堂をはじめとする国指定文化財31件の防災設備保守点検等への助成を実施しました。
[平成16年度事業内容] 国宝厳島神社をはじめとする国指定文化財31件の防災設備保守点検等に要する経費の一部を助成します。
 
歴史的文化遺産の継承と活用[文化課]
 国・県指定文化財等の保存と活用を図るため,インターネットを通じて文化財情報の公開や県所有の文化財を公開します。
(ア)文化財ホームページ「広島県の文化財」の公開活用
 県内に所在する国・県指定文化財の所在地や内容,写真等の情報を広く紹介し,指定文化財の公開活用を推進します。
[平成15年度事業実績] 新指定文化財情報の追加等を行い,ホームページの充実を図りました。アクセス数54,000件
[平成16年度事業内容] 引き続き,新指定文化財情報の追加等を行い,ホームページの充実を図ります。
 
(イ)縮景園・みよし風土記の丘(浄楽寺・七ツ塚古墳群)の公開活用
 広島を代表する名勝縮景園や県北の古墳文化を象徴する史跡浄楽寺・七ツ塚古墳群を公開し,広島県の歴史と文化に関する学習機会を提供します。
[平成15年度事業実績] 縮景園は年間約16万人,浄楽寺・七ツ塚古墳群は年間約10万人が見学しました。
[平成16年度事業内容] 縮景園や浄楽寺・七ツ塚古墳群の環境整備や茶会等の行事を通じて,今後益々の利用促進と学習支援の充実を図ります。
 
(ウ)収蔵資料デジタル化事業の実施
 草戸千軒町遺跡出土品や江戸時代後期の漢詩人・儒学者・教育者である菅茶山ゆかりの黄葉夕陽文庫,重要有形民俗文化財「江の川流域の漁撈用具」など,県立歴史博物館及び県立歴史民俗資料館が収蔵する歴史民俗資料をデジタル写真に記録し,インターネット等を通じた公開活用を図ります。
[平成15年度事業実績] 写真撮影・デジタル化960件,文字情報入力18,450件を行いました。
[平成16年度事業内容] 文字情報入力1,200件を予定しています。
 
埋蔵文化財の保護[文化課]
 埋蔵文化財の保護と活用を図るため,「広島県遺跡地図」を作成し埋蔵文化財包蔵地を周知させるとともに,開発事業との調整により,埋蔵文化財の現状保存あるいは記録による保存を図ります。
(ア)県内遺跡詳細分布調査事業
 開発事業地内等の埋蔵文化財の有無について確認するための踏査・試掘調査を実施するとももに,埋蔵文化財保護と開発事業の調整を行います。
[平成15年度事業実績] 29件の開発事業に対応しました。
[平成16年度事業内容] 14事業の現地踏査,試掘調査を予定しています。
 
(イ)広島県遺跡地図作成事業
 県内の埋蔵文化財包蔵地地図を作成します。
[平成15年度事業実績] 三次市,庄原市において分布調査するとともに,昨年分布調査した広島市の地図を刊行しました。
[平成16年度事業内容] 三次市・庄原市において分布調査する予定です。
 
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