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犬猫の保護・引取り等の現状

印刷用ページを表示する掲載日2024年4月27日

 

保護・引取頭数の推移

保護・引取り頭数の状況

 広島県動物愛護センターは昭和55年(1980年)に開所しましたが、その当時の保護・引取頭数は、犬猫を合わせて2万頭以上もの頭数でした。その数は徐々に減少し、現状として、過去と比べて大幅に少なくなっていますが、保護・引取頭数は1,000頭近くもあるのが現状です。
 ※令和5年度は令和4年度と比較して、283頭減少(犬は368頭減少、猫は85頭増加)しています。

保護・引取の内訳 

保護・引取りの内訳

 保護・引取の内訳です。例年、保護・引取頭数の大部分が野良犬であり、これらを減らすことが当センターの大きな課題となっています。広島県は他県に比べて野良犬の頭数が特に多く、犬の頭数が猫の頭数を大きく上回っています。

 飼い主からの引取は、平成25年度の「動物の愛護及び管理に関する法律」の改正により、終生飼養の原則に反する場合は拒否できるようになりました。そのため、それ以前と比べ飼い主からの引取は大幅に減少しています。

 しかし、猫についてはここ数年、多頭飼育崩壊事例等で、やむを得ず引取りを行った案件が増加しており、飼い主の放棄が野良猫の引取頭数を上回る傾向にあります。

 また、「首輪をつけている」、「明らかに人に慣れている」など迷子の可能性が高い犬猫も、全体からすると少ない(数%程度)ですが、毎年、一定数の保護・引取があります。

犬(野良・迷子)の市町別保護・引取状況

犬の市町別保護引取状況

 ※迷子の頭数は全体の数%のため、グラフは、ほぼ野良犬の頭数となります。

 市町別の犬の保護・引取状況を見ていくと、特に東広島市と尾道市が多く、続いて三原市が多くなっています。犬の保護・引取頭数は市町別の偏りが大きく、例年この3市で全体の9割近くを占めています。

 野良犬が居ついている場所には、ほとんどの場合で付近に無責任に餌を与える人がいます。無責任な餌やり行為により、栄養状態が良くなった野良犬は繁殖し、その数を増やしていきます。

 当センターには、「野良犬に追いかけられた。」「野良犬が群れていて怖い。」などの相談が、野良犬の多い地域の住民から寄せられます。野良犬が多い地域では、野良犬が集まりやすい環境がつくられていたり、飼い犬が適正に飼育されていないことがありますので、そのことを地域全体の問題として考えていただきたいと思います。

 (参照:野良犬による迷惑を防ぐために ~地域の方へのお願い~

 なお、当センターでは、野良犬の保護作業に加えて、野良犬が増える主な原因となっている無責任な餌やりに対する指導も行っています。

猫(野良・迷子)の市町別保護・引取頭数

猫の市町別保護引取状況

 ※迷子の頭数は全体の数%のため、グラフは、ほぼ野良猫の頭数となります。

 次に、市町別の猫の保護・引取状況を見ていくと、犬に比べて市町別の偏りは小さいですが、尾道市、三原市及び東広島市が多くなっています。

 野良猫については、県のガイドラインに沿った地域猫活動に対して、無料で不妊去勢手術を行う制度を設けるなど、野良猫対策に取組む地域に対して、支援を行っています。

保護・引取後の措置 

保護・引取後の措置

 保護・引取後の措置です。現状では、保護・引取した犬猫の大部分を動物愛護団体や個人ボランティアへ団体譲渡しています。

 一方、当センターから直接個人の方へ譲渡した個人譲渡の頭数は少なく、これを増やすことが当センターの課題となっています。

 また、迷子として収容した犬猫については、動物愛護推進員等と連携するなどして返還に努め、元の飼い主が判明した場合は、速やかに返還しています。

 ※令和4年度に保護・引取りを実施し、令和5年度にその後の措置が決定したものを含みます。

殺処分頭数の推移

殺処分頭数の推移グラフ

 当センターでは、昭和55年の開所当時から多くの犬と猫を殺処分してきました。しかし、近年は、多くの動物愛護団体や個人ボランティアに団体譲渡のご協力をいただいていることもあり、平成28年度から現時点まで、炭酸ガス処分機を用いた殺処分は、一切行っていません。

 なお、当センターには、交通事故で負傷したり野外で病気になった犬猫が瀕死の状態で収容されることも多く、当センターの獣医師が回復困難と判断した場合は、痛みや苦しみを取り除くため、薬物注射による安楽死を行うことがあります。

殺処分の内訳 

殺処分の内訳

 殺処分頭数の内訳です。国(環境省)の殺処分の3分類に基づき、当センター収容中に自然死したものも殺処分頭数として計上しています。(表のマル3)

 表のマル1は、治癒見込みがない病気や攻撃性がある等、「譲渡することが適切でない (PDFファイル)(140KB)」犬猫の殺処分頭数になります。

 表のマル2は、収容頭数の限界など、マル1以外の理由での殺処分頭数であり、当センターではこの分類での殺処分はありません。

課題解決に向けた取組(主なもの)

課題解決に向けた取組

 犬猫の保護・引取等の現状から、本県の課題として次の2点が挙げられます。

課題(1) 保護・引取頭数の削減(特に野良犬・野良猫)

課題(2) 個人譲渡頭数の増加

 当センターではこれらの課題の解決に向け、様々な取組を行っています。

 保護・引取頭数の削減対策として、野良犬については、無責任な餌やりに対する指導や、子犬を優先した保護作業(保護しやすく、譲渡されやすい)、保護機等の貸し出しなどを行っています。

 野良猫については、地域猫活動の推進による野良猫を増やさないための対策を行っています。

 保護・引取頭数の削減(特に野良犬・野良猫)には、「野良犬・野良猫を生み出さないための県民の取組」を県全域に浸透させるなど、県内の「動物愛護」と「適正飼養」の普及啓発を更に推進する必要があります。このため、県内各地域で県の動物愛護管理業務にご協力いただいている動物愛護推進員(県の委嘱による)をはじめ、動物愛護団体や個人ボランティアとこれまでより更に密に連携し、民間の協力を得ながら普及啓発事業を進めています。

 また、新しくなった動物愛護センターは、多くの方に来場していただけるよう土日・祝日を開館し、官民連携で一般向け、飼い主向けに様々なイベントを企画して「動物愛護」と「適正飼養」の普及啓発に努めています。

 個人譲渡頭数の増加については、ホームページの譲渡情報やSNS発信等広報の充実、収容犬猫の健康管理、馴化・社会化を強化するなどしています。

野良犬・野良猫を生み出さないための県民の取組

野良犬・野良猫を生み出さないための県民の取り組み

 野良犬・野良猫を生み出さないために、行政だけで行えることは限られています。

 大切なのは県民の皆様一人一人の心掛けです。

 今日からできる対策として、飼い主の皆様には、「終生責任をもって飼うこと」、「マイクロチップを装着・登録すること」、「屋内飼育をすること」、「不妊去勢手術をして飼うこと」があげられます。

 また、野良犬・野良猫に餌を与えている人は、その結果として生まれてくる子犬や子猫に自分で責任を持てるかよく考えてください。「自分で飼う」、「里親を見つける」、「不妊去勢手術を実施した上で他に迷惑とならないように管理する」などの責任を持てない場合は餌を与えるのはやめるべきです。

 野良犬・野良猫に無責任に餌だけを与えないことも立派な動物愛護です。

野良猫の引取り希望者から聞き取った餌やり者の状況 (令和3年度)

(グラフ)野良猫の引取り希望者から聞き取った餌やりの状況

 この表は、野良猫の引取希望者から聞き取った餌やり者の状況です。「誰か野良猫に餌を与えている人がいますか?」との問いに対して、餌やり者が誰であるか判明したケースが32%、判明しなかったケースが68%でした。

 餌やり者が判明したケースの内訳をみると、野良猫の引取りを希望してきた本人がその猫(もしくはその子猫の親猫)に餌を与えているケースが76%もありました。(家族、友人まで含めるとその割合はもっと高くなります。)

 とても残念ですが、このように、野良猫に餌を与えている本人(や家族、友人)が当センターに引取希望の連絡をしてくるケースが非常に多くみられます。当センターとしましては、こうしたケースでは引取希望者に対して自ら責任を持って対処するようお願いしています。

地域猫活動の不妊去勢手術実施制度

地域猫活動の表

 最後に、不幸な野良猫を減らすための手段として地域猫活動を紹介します。

 地域猫活動とは、不妊去勢手術を行い、地域で責任をもって餌やりやトイレの管理をおこなうことにより、猫による迷惑を防止し、緩やかに野良猫を減らすための活動です。

 広島県では、野良猫による迷惑問題や不幸な野良猫を減らすための対策として地域猫活動を推進しており、「広島県地域猫活動ガイドライン (PDFファイル)(862KB)」に基づき、県に申請し承認された地域猫に対して無料で不妊去勢手術を実施する制度を設けています。

 詳しくは「地域猫活動のホームページ」をご確認ください。

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