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内助の功?
外で仕事をする夫の活躍を,家庭を守る妻が陰で支える「内助の功」は,外で仕事をする妻の方が多数派となった現在,その意味合いも変わってきているのではないか。
例えば我が家の場合,夫は会社の役職定年を目前にして,迷っていた。このまま同じ会社で給与の何割かをカットされて仕事を続けるのか,それとも会社を辞めて全く新しいチャレンジをするか。チャレンジはうまくいかなかった場合,夫の収入はゼロになる。「どうしたらいいと思う?」と相談されたときに,私はこう応えたのだ。「やりたいこと,やれば?失敗してもあなたの一人くらい,私が養ってあげるから」(カッコいいぞ,私!)。
40年前に就職してから今日まで,何度仕事を辞めようと思ったことか分からない。しかし,本当に働き続けてきて良かった。女性が自ら経済力を持つということは,自分の人生を豊かにするだけでなく,イザという時に,羽ばたきたい夫の背中を力強く押すことができる。現代版「内助の功」なのだと思う。
継続は力なり
何事も,たゆまずくじけずあきらめず続けて行くことが大切。仕事も同様とはわかっていても,人間関係で行き詰まったり,家庭と仕事の両立が難しくなったときに,いったんここで辞めて家庭に専念し,またいつか働き始めれば良いのだと納得したくなる。しかし,就業からの一時退場であってもそれはキャリアの中断となり,通常は能力やスキルの低下につながる。
就業継続のコツ
皆さんに仕事を継続していただくために,私の40年間の経験の中から,いくつかのコツを紹介したい。
(1)ワークライフマネジメントをする…ワークとライフは「天秤ばかり」のように片方が上がればもう片方は下がるというものではない。ワークも家事も子育ても勉強も娯楽も睡眠も趣味も,全ては「ライフ」の上に乗っているものなので,その時々の状況に応じて,自分のライフに何を乗せるかを自ら選び取っていくことが大切だ。
(2)使えるものは何でも使う…家事や育児を自分一人で抱え込まず,夫,親,ご近所さん,友人,家事代行サービスなど,使えるものは何でも使おう。仕事で鍛えた「お願い力(りょく)」を大いに発揮して頼み上手になろう。遠慮は無用。いつかあなたに余裕ができた時に,別の誰かに「恩返し」すれば良いのだから。
(3)マメに情報発信する…今日は早帰りで子供のお迎えだからヨーシ,頑張って三倍速で仕事するぞー。課長に頼まれた仕事,締め切りまでにできそうにないので,ヘルプお願いします,などなど。自分の状況の「見える化」をすれば,チームは必ず助けてくれるもの。
(4)敵はスルーし,味方を増やす…どの組織にも腹立たしい人は居る。いちいち怒ったりヘコんだり対抗したり,そんなことにエネルギーを費やすくらいなら,少しづつでも理解者を増やしていこう。敵がいかに手強くとも,徐々に増えていった味方が50%を超えた瞬間に,シーソーは大きく動き,勝負は逆転するのだ。
(5)小分けにして,達成した自分にご褒美を…複雑な問題も困難なタスクも,「小分け」にしたらシンプルになる。そしてそれぞれに目標を決め,達成したら自分にご褒美をあげる。例えば,家じゅうの片付けをしなくてはと思うと心が折れそうになるが,今日は台所だけ,2時間以内にできたら休憩して甘いものを食べるとか。ゲーム感覚も取り入れて。
働き続けるあなたに,時に激しい逆風も吹くけれど,そこを切り抜けたらきっと大きく成長できる,自分がもっと好きになれる。ガンバレ!広島の女性たち。