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06 第三者加害関係Q&A

印刷用ページを表示する掲載日2012年12月4日

第三者加害関係 Q&A目次

 
No項    目
Q26信号待ちの停車車両に追突して負傷しました。相手方のある交通事故なので第三者加害事案として書類を提出することとなりますか?
Q27

同僚職員と公用車で出張中,同僚職員が運転を誤り,歩道に乗り上げ,同乗していた職員が怪我をしました。誰に対して損害賠償の請求をすることができますか。

Q28

同僚職員と公用車で現場へ向かい,現場到着後,公用車から機材を降ろしていたところ,同僚職員が被災職員に気づかず,ドアを閉めたので,手を詰めて怪我をしました。誰に対して損害賠償の請求をすることができますか。

Q29

職員が自転車で通勤中,前方から進行してきた自動車とすれ違った際,恐怖心から平衡感覚を失い転倒,負傷しました。被災職員の自転車と自動車は接触していませんが,自動車の運転手に不法行為責任が生じる場合がありますか。

Q30

中学校で生徒から暴力を受けましたが,誰を第三者と認定し,損害賠償を請求すべきですか。

Q31

被災職員が第三者の敷地内に入ったところ,第三者の飼い犬に咬みつかれ負傷しました。この場合,犬の飼い主と被災職員の過失割合はどのようになりますか。

Q32

未成年者あるいは心神喪失者の行為による災害について,誰を第三者として認定すべきですか。

Q33

職務中,住民から暴力を受けました。どのように対応すべきですか。

【第三者加害関係】

 
Q26: 信号待ちの停車車両に追突して負傷しました。相手方のある交通事故なので第三者加害事案として書類を提出することとなりますか?

 A: 被災職員にセンターラインオーバー,追突,信号無視等の一方的な過失があり,相手方の自賠責保険から支払われない場合は,通常事案として取り扱いますので,第三者加害事案の書類は不要です。
 ただし,上記に該当するかどうかは基金の指示に従ってください。

Q27: 同僚職員と公用車で出張中,同僚職員が運転を誤り,歩道に乗り上げ,同乗していた職員が怪我をしました。誰に対して損害賠償の請求をすることができますか。

 A: 同僚職員の加害行為によって災害が発生した場合,基金はその治療費等の補償を行っても同僚職員へ求償することはありません。自賠責保険法第3条では,「自己のために自動車を運行の用に供する者は,その運行によって他人の生命又は身体を害したときは,これによって生じた損害を賠償する責に任じる」と規定されており,この場合,同僚は「他人」に当たりますので,公用車の自賠責保険会社に治療費や慰謝料等を請求することができます。
 ただし,被災職員が「運転補助者」(自賠法第2条第4項)に当たる場合には,自賠責保険会社へも請求ができません。(運転補助者とは,車掌,助手など業務として運転者の運転行為に参与してこれを助けている者を言います。)
 

Q28: 同僚職員と公用車で現場へ向かい,現場到着後,公用車から機材を降ろしていたところ,同僚職員が被災職員に気づかず,ドアを閉めたので,手を詰めて怪我をしました。誰に対して損害賠償の請求をすることができますか。

 A: Q27と同様に,同僚職員の加害行為によって災害が発生した場合,基金はその治療費等の補償を行っても同僚職員へ求償することはありません。自賠法第3条の「運行」とは,「人又は物を運送するとしないとにかかわらず,自動車を当該装置の用い方に従い用いる」(自賠法第2条第2項)ことを言います。「当該装置の用い方に従い用いる」の解釈は分かれますが,当該自動車に固有の装置の全部又は一部を操作すれば,走行しなくても運行に当たるとする考え方が有力です。
 具体的には,停止中のドアの開閉による事故やクレーン車のクレーン,ミキサー車のミキサー,トラックの側板などの装置を固有の目的によって操作している間の事故,下り坂での惰力走行による事故なども「運行」とみなされ,自賠責保険の補償の対象となります。
 したがって,この場合には,公用車の自賠責保険会社に治療費や慰謝料等を請求することができます。

 

Q29: 職員が自転車で通勤中,前方から進行してきた自動車とすれ違った際,恐怖心から平衡感覚を失い転倒,負傷しました。被災職員の自転車と自動車は接触していませんが,自動車の運転手に不法行為責任が生じる場合がありますか。

 A: 本件のような非接触事故の場合には,主に加害行為と結果発生の間の因果関係の有無が焦点となります。この因果関係については,加害行為と結果発生の間に,Aの行為がなければ通常Bの結果が生じるという程度まで因果関係が認められること,つまり相当因果関係があると認められる必要があります。
 最高裁は「車両の運行が被害者の予想を裏切るような常軌を逸したものであって,歩行者がこれによって危難を避けるべき方法を見失い転倒して受傷するなど,衝突にも比すべき事態によって傷害が生じた場合には,その運行と歩行者の受傷との間に相当因果関係を認めるのが相当である」(最高裁S47.5.30)とし,非接触事故でも相当因果関係を認めています。
 しかしながら,どのような場合に相当因果関係が認められるかについては,明確な判断基準が定められていないため,個々の判例を参考に判断することになります。

 Q30: 中学校で生徒から暴力を受けましたが,誰を第三者と認定し,損害賠償を請求すべきですか。  

A: 中学生であれば一般的に責任能力はあると考えられ,よって加害生徒は民法第709条における不法行為責任が認められ,第三者と認定することとなります。

 加害生徒は通常無資力であるので,加害生徒の親権者等の監督義務者(以下「親権者等」という。)を第三者に認定できるか否かについて検討することとなりますが,原則として加害生徒本人に不法行為責任が認められると,親権者等には同法第714条による責任は問えません。ただし,加害生徒が以前から非行を行っており,親権者等が適切に指導監督をしていなかったために当該加害行為に及び,その結果損害が発生したというように,親権者等の監督義務違反と損害発生の間に相当因果関係が認められる場合には,親権者等に対して民法第709条の不法行為責任を追求することが可能とされています。(最高裁S49.3.22判決)

 被災職員及び所属(学校)は,加害生徒や保護者等と積極的に交渉の場を持ち,加害行為の状況説明や過失割合,損害予定額,弁済方法等について協議を行ってください。

Q31: 被災職員が第三者の敷地内に入ったところ,第三者の飼い犬に咬みつかれ負傷しました。この場合,犬の飼い主と被災職員の過失割合はどのようになりますか。

 A: 民法第718条は,動物の占有者又は管理者が動物の種類及び性質に従い相当の注意をもって管理をなしていない場合は,当該占有者又は管理者(以下「占有者等」という。)は民法上の損害賠償の責任を負うことを規定します。
 飼い犬が咬みついた場合,犬の占有者等は相当の注意をもって犬を管理していたことを立証できない限り損害賠償は免責できません。そして,その立証は困難であるため,犬の占有者等が損害賠償を免れることは稀です。
 被災職員側の過失の判断に当たっては,以下の点に着目する必要があります。
 1 被災職員の注意義務(予見可能性)
   ・近づけば危険なことを容易に察知し得たのに漫然と犬に近づいていないか。
   ・みだりに他人の屋敷に入り犬を興奮されていないか。
   ・一般に開放されていない土地に普段で立ち入っていないか。

 2 被災職員の事故時の行動の損害拡大への寄与度
   ・係留中の犬を挑発していないか。

 

Q32: 未成年者あるいは心神喪失者の行為による災害について,誰を第三者として認定すべきですか。

A: 未成年者の場合には,小学校を卒業する12歳くらいの年齢になれば一般的に責任能力はあると考えられ,この場合,当該未成年者を第三者と認定することができますが,心神喪失者の場合には民法第713条の責任能力はないとされているため,第三者と認定できません。
 加害者に責任能力がない場合には,加害者本人には損害賠償責任は生じず,未成年者に対する親権者や未成年後見人,あるいは精神障害者に対する「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」における保護者等の法定の監督義務者が損害賠償の責任を負うことになります。なお,監督義務者は加害行為そのものに対してではなく生活行動一般を監督する責任を負うので,その場にいないといったことは責任を免れる理由にはなりません。
    ただし,精神病院の医師等が入院中の患者から加害行為を受けた場合のように,法定の監督義務者に代わって監督をする者(以下「代理監督者」という。)の監督すべき範囲において,当該監督の瑕疵により災害が発生した場合には,代理監督者(この場合は病院長)に損害賠償責任が生じる可能性があるが,監督義務者が代理監督者に監督させたことが監督義務者としての義務を怠らなかったことになる場合には,監督義務者は倍小責任を免れることになります。

 

Q33: 職務中,住民から暴力を受けました。どのように対応すべきですか。

A: 各任命権者においては,行政の公正かつ円滑な執行及び職員の安全を確保するため,行政機関への不当要求行為等に対して,対策要綱やマニュアル定められていると思われます。ちなみに,広島県では,知事部局,教育委員会及び県立学校その他の教育機関,行政委員会,議会事務局,企業局,病院事業局等を対象に「広島県不当要求行為等対策要綱」及び「不当要求行為等に対する基本対応マニュアル」が定められてます。
   この要綱やマニュアルに基づき,住民からの暴力行為に対しては毅然たる態度で,組織的な対応を行うことが求められており,暴力を受けた場合には警察へ通報することとされています。
  また,暴力行為の責任として,刑事上の責任と民事上の責任があります。
 刑事上の責任としては,公務執行妨害罪(刑法第95条),傷害罪(刑法第204条),暴行罪(刑法第208条)などに問われる可能性がありますが,刑事上の責任は,過失が十分に立証できない場合(嫌疑不十分)や,立証できるとしても過失の程度が軽微などの理由で処罰する必要がない場合(起訴猶予)などでは不起訴処分となる場合があります。
    これに対し,民事上の責任である不法行為責任は,故意又は過失によって他人の権利を侵害し,これによって他人に損害を生じさせたことに基づく責任です。こうした違いから,刑事上の責任は問われなくても,民事上の不法行為責任が認められるケースが出てきます。
   加害者は,刑事上で不起訴処分となったので,民事上の責任もないと主張する場合がありますが,全く異なる責任であることを理解させてください。
  基金は,刑事上の責任には関与しませんが,民事上の責任を追及する上で,加害者の刑事上の責任も併せて追求した方が有利になることが多いことから,上記の要綱やマニュアルに準じて,刑事上の責任も追及すべきであると考えています。
  なお,未成年者が刑事上の責任を問われるのは,満14歳以上とされています。

 

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