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第22回広島県「減らそう犯罪」推進会議発言要録

印刷用ページを表示する掲載日2023年12月27日

森元副会長(広島県警察本部長) 

会議写真 委員の皆様には大変御多用の中、第22回広島県「減らそう犯罪」推進会議に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
 平素から「減らそう犯罪」県民総ぐるみ運動をはじめ、警察行政の各般にわたりまして、多大な御支援と御協力を賜っておりますことを、心から御礼を申し上げます。
 さて、平成15年に開始しました本運動でございますが、令和3年から​「第5期ひろしまアクション・プラン」に基づく取組をスタートさせておりまして、現在3年目になり森元副会長ます。
 県民、事業者、防犯ボランティアなどの皆様と連携した活動によりまして、刑法犯認知件数はピーク時の約5分の1以下にまで減少するなど、大きな成果を上げております。
 これもひとえに、委員の皆様方をはじめとする県民の皆様の御協力の賜物でありまして、深く感謝いたします。
 しかしながら、最近の県内の犯罪情勢でございますが、昨年、刑法犯認知件数は約20年ぶりに増加に転じ、本年10月末現在におきましても、対前年比で増加となっております。
 また、特に、特殊詐欺被害でございますが、本年10月末現在で認知件数は267件で、これは前年同期の1.5倍強となっており、極めて厳しい状況であると認識しております。
 更には、悪質・巧妙化するサイバー犯罪や、子供や女性が被害に遭う犯罪も後を絶ちません。
 県警察といたしましては、事業者、関係団体、市町等との連携をより一層強化しまして、「住む人 来る人 誰もが 日本一の安全安心を実感できる広島県の実現」に向けた各種施策を引き続き強力に推進してまいりたいと考えておりますので、引き続きの御支援と御協力をお願い申し上げます。
 本日の会議でございますが、
 ○ 「減らそう犯罪」第5期ひろしまアクション・プランに基づく令和5年の取組状況及び令和6年の取組方向
について御審議を賜ります。
 また、委員を代表して3名の方に防犯についての取組を発表していただきます。
 委員の皆様には、限られた時間でございますが、忌憚のない御意見を賜りますようお願い申し上げまして、開会に当たっての挨拶とさせていただきます。
 本日は、よろしくお願い申し上げます。

《議事》

議題(1)広島県内における犯罪情勢等について

事務局(井原減らそう犯罪情報官)

情報官 (資料1-1により「広島県内における犯罪情勢等」について説明)

事務局(生活安全総務課 塚本課長補佐)

 塚本課長補佐資料1-2により「自転車盗発生状況等」について説明)

事務局(生活安全総務課 土井課長補佐) 

 土井課長補佐資料1-3により「特殊詐欺対策の推進状況等」について説明)

議題(2)各団体における防犯に関する取組について

久保委員代理(広島県老人クラブ連合会)

久保委員代理 先ほど事務局から説明がありましたが、特に特殊詐欺被害防止を中心に今日お集まりの皆様には誠にお世話になっており感謝申し上げます。
 広島県老人クラブは、県下、広島市を除く22市町の連合会のもとに、1,400の団体がありまして、7万人の会員を擁しております。
 また、常設の委員会として、女性委員会と若手委員会がありまして、本日は、女性委員会の活動の一環を御紹介させていただきたいと思います。
 女性委員会の会合において、県下で活躍されておられる「劇団えいじゃん」が、特殊詐欺被害防止の寸劇を御披露なさったことに啓発を受け、令和元年に女性委員会で特殊詐欺被害防止の寸劇のDVDを作成し、県下の老人クラブや関連団体の皆様に御提供させていただいております。
 素人が映像を撮影することは難しかったため、映像の撮影については専門家の方に委託しましたが、シナリオの作成や演技の練習等は8名の委員自身で行い、撮影場所は委員の自宅の民家としました。民家で撮影したことによって、結果的に皆様に身近な形で御覧いただける内容になったと考えております。
 やはり、映像の力と言いますか、DVDは一度作成すれば色々と使えるということで、現在、活用させていただいております。

嶋村委員(学生代表:広島修道大学)

嶋村委員

 私は現在、広島県学生防犯ボランティア団体「スリーアローズ」に所属し、代表を務めております。本日は、スリーアローズで「減らそう犯罪」のために取り組んでいる4つの施策について報告します。
 1つ目は、小学生を対象とした見守り活動です。月に一度、安佐南区の安学区を対象に下校の見守り活動を行っています。交通事故の発生抑止や不審者からの声掛けを防ぐことを目的としています。飛び出し注意の標識が設置されている場所や人通りの少ない場所を重点的に見守り活動を行いました。見守り活動を行いながら挨拶をすることで、子供たちから笑顔いっぱいの挨拶を返してもらうことができ、とても嬉しい気持ちとなり、事件事故から守りたいと強く思うようになりました。
 2つ目は、防犯寸劇です。昨年は、「特殊詐欺」をテーマにした寸劇を行いました。現在、若者の特殊詐欺への加担、高齢者への特殊詐欺が増加しています。そこで、特殊詐欺の加害者や被害者にならないため、防犯寸劇を通じて呼びかけを行いました。現在、特殊詐欺の数は年々増加し、犯罪手口が多様化しています。特殊詐欺に巻き込まれそうになった時に、防犯寸劇を思い出し、加害者、被害者にならないためのリスク管理になればと思っております。
 3つ目は、「オトモポリス」の宣伝です。今年2月に運用から1年経ち、1周年の広報キャンペーンに参加しました。「オトモポリス」は、痴漢対策機能や防犯ブザー機能等、あらゆる犯罪に対応した安全安心アプリです。例えば、電車で痴漢の被害に遭った際、女性は怖くて声が出ない人が多いと聞きます。その時に、痴漢撃退機能を使用し、携帯の画面越しや音によって周囲の人に助けを求めることができます。令和5年9月時点で8万4千ダウンロードとなりました。今後も積極的に「オトモポリス」の活用を呼びかけていきたいと思います。
 4つ目は、ランニングパトロールです。この活動は、夕方から各地の小学校や公園をランニングしながら見守り活動を行います。不審者の多い時間帯は登下校の時間だけで約7割を占めており、夕方から夜の暗い時間帯に遭遇しやすいです。そこで、子供たちに早めの帰宅を促したり、人通りの多い道を通って帰る等の呼びかけを行いました。今後は、朝の時間帯の見守り活動も検討していきたいと思います。
 以上4つの施策を通じて、犯罪抑止の一番の特効薬は地域全体の犯罪抑止機能を高めることだと考えています。安全安心の担い手である地域全員の犯罪抑止機能を高め、「住む人 来る人 誰もが 日本一の安全安心を実感できる広島県の実現」という目標を達成するために、「スリーアローズ」の一員として今後も犯罪抑止に貢献していきたいと思います。

小川委員(大阪経済法科大学教授)

小川委員 広島県の「減らそう犯罪」の活動を通じて、私の感じていることを発表させていただきたいと思います。
 減らそう犯罪推進会議の基になる条例づくりの大きなきっかけになったのは、御承知の通り、広島で胡子講のお祭りのときに、暴走族が道路を占拠し、警察と大規模衝突を起こし、日本全国から注目される事件が起こったことでした。
 その後、犯罪情勢が非常に悪化し、刑法犯認知件数が増加したことで、これに対する取組を行うこととしました。
 先ほど御説明がありましたけれども、刑法犯認知件数につきましては、平成14(2002)年からずっと減少傾向にありまして、この取組は非常に大きな効果があったと言えると思います。
 どのような取組が最も重要かというと、今日のお話でも言及されましたけれども、犯罪が起こりにくい環境づくり、具体的には、ルールを破りにくい環境づくりです。
 私たちはちょっとしたことでルールに違反してしまいます。例えばごみのポイ捨てという典型的な例で考えると、周りにごみが散乱しているような状況下だと、つい私たちは捨ててしまいますが、何一つごみが散らかっていないような綺麗な場所だと、最初の1つ目のごみを捨てるのには抵抗があります。このような環境を作っていくということが重要です。
 それからもう1つ、重大な犯罪が起こるのは、一番最初に、ほんの小さな犯罪の芽を摘み取っていなかったから、それがだんだん大きくなっていくということが原因として挙げられます。小さな犯罪を見逃さない。
 この2つを、大きな指標として「減らそう犯罪」の取組が進められてきたと思います。
 ただ、最近の状況を見ますと、私は大学に勤めておりますので、学生や若者と接する機会が多く、様々なところで防犯に関する話をさせてもらう機会に彼らから様々な意見を伺うのですが、私たちが加害者になる可能性がすぐ隣にあり、また被害者になる可能性もすぐ間近に迫っていると感じております。
 例えば、「闇バイト」と言われると、アルバイト的な感覚でとらえる若者がたくさんおります。最近の報道等を見ますと、「ちょっとお金に困ったのでネットで調べ、小遣い稼ぎになると思いついやってしまいました」と言って、強盗を働くようなことが起こり得る訳です。
 被害者は、電話やインターネットで、なぜ自分が狙われたのか分からないような状況下で、アトランダムに被害に遭うということが起こっております。
 これらを考えてみたときに、最近の情勢で一番感じるのは、若い方々はテレビを見ませんし、新聞も読みません。そうすると、闇バイトに関する事件が起こっていて、自分が今そこに加担しようとしていることが、どれだけ重大な犯罪で、自分の一生にどれだけ深刻な影響を与えるかという認識を持ちません。こういう人たちにどのようにして、そういう情報を提供するか、これは以前と比べると大きく変わってきていると思います。
 最近、若い方々は、SNSやインターネット等をよく見ますので、これらを通じた情報発信が、今まさに求められていると思います。
 それから被害者に関して言いますと、年齢にかかわらず、いつどこで自分が被害に遭うかわからない状況にあります。先ほどお話がありましたけれども、大きな要因としては、地域社会の機能の低下といいますか、以前であれば、近所の人たちとの色々な話の中で、自分たちがどのようなことに気をつければいいか、ある程度認識できていました。それから自分が被害に遭うかもしれないと感じた時に、家族との連絡を密接に取り合っていれば、その段階で色々なことが防止できていました。
 それだけに限りませんが、地域社会、それから家族機能をどのようにして復活・強化させるかが重要になるだろうと思います。
 加害者や被害者になる可能性が非常に高まっている状況下で、対象になる人の特性に合わせて、色々な情報提供とか取組を行うことが重要になると感じております。
 その点で、この推進会議は非常に重要な役割を持っていると思いますので、是非、これからもこのような活動を継続して、効果を上げていただければと思います。

広島県老人クラブ連合会が作成したDVD(特殊詐欺被害防止の寸劇)を視聴

議題(3)「減らそう犯罪」第5期ひろしまアクション・プランに基づく令和5年の取組状況及び令和6年の取組方向について

事務局(生活安全総務課 大下参事官)

大下参事官​ (資料2-1及び資料2-2により「『減らそう犯罪』第5期ひろしまアクション・プランに基づく令和5年の取組状況及び令和6年の取組方向」について説明)


☆☆☆拍手をもって事務局の説明内容を承認☆☆☆

意見交換

橋本委員(広島県PTA連合会会長)

橋本委員 平素より、県内の小・中学校の子供たち、保護者、そして教育のサポートや見守り等していただきましてありがとうございます。
 先ほど小川教授から「子供たちが加害者や被害者になる可能性が非常に高まっている」というお話がありました。我々PTAの団体は、保護者も教員も含めて任意の参加の団体ですが、地域力を上げて安全安心なまちづくりをする上で、PTAも含めた地域の方のお力も必要となると感じながら、このお話を拝聴させていただきました。
 今後、我々も意識しなければならないと思ったのが、自助、公助とありまして、共助の段階では、各町内会や市町といった単位が基軸になっています。共助の中でまちを綺麗にしたりとか、安全安心なまちづくりでコミュニケーションを図ったりという形があります。その中で、犯罪を抑止する意味合いで、地域活動、町内会活動、自治会やコミュニティ活動などに関する啓発の検討、そして任意の団体ですが町内会にできるだけ加入することを明言化していただけると非常にありがたいと思っております。
 PTAも、「入るんですか」、「入らないといけないんですか」という話が毎年あり、町内会も同様と思います。町内会の加入率は各市町村で把握されていると思いますが、一つ一つの地域の繋がりが、犯罪から子供たちを守る環境に繋がっていくと思います。

副会長コメント 

榎野副会長代理(公益社団法人広島消費者協会副会長)

榎野副会長代理 本日、初めてこの会議に出席させていただきましたけれども、本当に地域の防犯について、真剣に取り組まなければならない状態であるということを痛感いたしました。
 私どもの会員も、地域での見守り活動など色々な活動に参加しておりますけれども、今日の話を持ち帰って、また一生懸命取組んでいこうと周知させていただきたいと思います。
 今後とも皆様、御協力よろしくお願いいたします。

清宗副会長(公益社団法人広島県防犯連合会会長)

清宗副会長 皆様方には、平素より当連合会の活動に格別の御理解・御協力を賜りまして、この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。
 本日、警察本部の皆様から様々な御説明をいただきましたけれども、特に特殊詐欺被害に関しては、金融機関に従事している立場から言いまして、非常に高い関心のみならず、皆様に可能な限り御迷惑をかけたくないという気持ちを持って、日々取り組んでおります。
 数字を拝見しますと、水際阻止件数や金額について、一定の改善は出ておりますが、阻止率は残念ながら下がっておりますので、私どもの銀行そして支店に対して、より一層、対策に取り組むよう、方向性を出しております。
 本日、老人クラブ連合会、学生ボランティア、小川教授から色々と御発言いただきました。皆様の発言や情報を生かして、私どもも犯罪防止に取り組んでいきたいと考えております。
 結びになりますが、皆様からの情報が入るこの会議を今後も大切にしながら、犯罪防止に努めていきたいと思っております。
 どうぞこれからも御理解、御支援をよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。

森元副会長(広島県警察本部長)

 本日は活発な御議論、発表いただきまして誠にありがとうございました。特に3名の委員の方々からは、貴重な活動について御発表いただきました。
 久保委員の御発表ですけれども、実際に被害者となりやすい高齢者の方が、DVDで熱演していただいて、大変親しみやすく、訴える力が大きいと感じたところであります。
 嶋村委員からは、現在、ボランティアの高齢化が問題となっている中、積極的にボランティア活動に御参加いただきまして、寸劇やランニングパトロールといった行動力を生かした活動をしていただいてるということで、大変感銘を受けた次第であります。
 小川委員からは、平成15年当時よりも加害者にも被害者にもなりやすくなっている、現在の社会の状況を踏まえて、情報発信という点に御提言いただきました。我々の方でも十分意識して取り組んで参りたいと思っております。
 小川委員のお話の中にもありましたけれども、やはり防犯、犯罪を減らす活動は、県民一人一人、さらには地域社会の意識や行動に働きかけて実現していくものでございまして、警察一人の取組では、達成することができないと思っております。
 現在、コロナ禍も大分落ち着いて参りましたが、その反動として人の流れが活発になり、良いこともある反面、悪い活動の方も刑法犯認知件数に象徴されるように、問題となってきつつある状況です。
 引き続き、本日御参加いただきました皆様のような多様な主体で、できることをそれぞれのポジションで取り組んで、その中で県民全体として、大きな動きとして犯罪を減らしていこうという意識が高まればと思っておりますので、引き続き御支援を賜ればと思っております。
 本日は御多用の中、御出席賜りまして、本当にありがとうございました。

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