ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

デジタル・シティズンシップ教育の取組

本県で行っているデジタル・シティズンシップ教育についての取組を紹介します。


デジタル・シティズンシップとは
 第48回教育再生実行会議(令和3年6月3日開催)の「ポストコロナ期における新たな学びの在り方について(第十二次提言)」において、「デジタル・シティズンシップ」は「児童生徒をICT機器から遠ざけるのではなく、その有用性を前向きに捉え、教育活動の内外において日常的に活用できる環境を整備し、デジタル・リテラシーを高め、デジタル情報に対する批判的態度を育成すること」と定義されています。 

教育センター専門講座 情報教育「これから始めるデジタル・シティズンシップ教育」

今度さん

  • 日程
    令和5年8月2日(水)
  • 場所
    広島県立教育センター
  • 対象者
    広島県内の教員(希望者)
  • 内容
     一般社団法人メディア教育研究室 代表理事の今度珠美氏を招へいし、「これから始めるデジタル・シティズンシップ」と題して御講演いただき、その後、参加者は「デジタル・シティズンシップの視点を取り入れた授業づくりに向けて」という内容で演習・協議を行いました。
     講義では、デジタル・シティズンシップの定義、デジタル・シティズンシップで育成する資質、オンラインで行動する上での留意点などについて御説明いただきました。また、演習・協議では、SNSにアップロードした写真からどのような情報が分かるかについて、Jamboardを用いて協議しました。その後、インターネット上のトラブルに対してどのように行動していくかをそれぞれの立場で考え、協議・発表を行いました。研修を通じて、生徒がアップスタンダー(行動する人)になれるよう指導することの大切さについて学びました。
  • 参加者の感想(一部)
    • デジタル・シティズンシップ教育がどのような内容なのかを知ることができました。情報モラルとの違いも分かり、大変参考になりました。「情報処理」の授業では、ソフトウェア活用に重きが置かれる傾向があるため、デジタル・シティズンシップについての内容も積極的に取り入れたいと思います。
    • みんなに見てほしい、知ってほしいことがあった場合、どのように行動していきたいかを考えさせるような機会を設けて、積極的かつ安全に情報社会に参画していけるような生徒を育成したいと思います。

令和5年度第1回デジタル活用推進担当教員研修

推進1推進2

  • 日程
    令和5年8月8日(火)
  • 場所
    JAビル
  • 対象
    県立高等学校のデジタル活用推進担当教員(各学校、各課程から1名)
  • 内容
     一般社団法人日本教育情報化振興会から講師として、千葉大学客員教授/千葉大学教育学部附属中学校副校長の三宅健次氏を派遣していただき、「情報モラル教育を校内で推進していく方法について」と題して御講演いただきました。講演では、情報モラル教育とデジタル・シティズンシップ教育の違いや、それぞれにどのような教育内容が含まれるかという点について御説明いただきました。また、これらは対立概念ではなく補い合っていくべきものであるとお話いただきました。
     講演の後、「情報モラル教育を校内で推進していく方法について」という内容で、グループ協議を行いました。協議の中では、特定の教員だけでなく学校全体として取り組んでいくことや、身近なニュース等の題材を使って教員の意識を情報モラルやデジタル・シティズンシップに向けていくことが必要であるといった意見がでました。
  • 参加者の感想(一部)
    • デジタル・シティズンシップという言葉について、しっかり学習することができました。私自身、デジタル機器について、マイナスな存在であるという考えが拭えていなかったので、これからはデジタル・シティズンシップを意識した教育ができればと思います。
    • 今後、教科だけでなく校内全体で情報モラル教育やデジタル・シティズンシップ教育を進めていけるよう検討していければと思います。

庄原格致高等学校「デジタル・シティズンシップ教育講演会」

後藤先生1後藤先生2

  • 日程
    令和5年9月21日(木)
  • 場所
    庄原格致高等学校
  • 対象
    庄原格致高等学校の2学年の生徒全員
    ※講演後のワークショップは、庄原格致高等学校の2学年の生徒のうち、総合的な探究の時間でデジタル・シティズンシップゼミとして活動している生徒4名が参加
  • 内容
     広島経済大学メディアビジネス学部准教授の後藤心平氏を招へいし、庄原格致高等学校の2年生に対して、講演及びワークショップを実施しました。講演では「デジタル社会を生きるために」と題して、デジタル社会がもたらす情報格差の影響やデジタル社会を生きるための力、新しいメディアテクノロジーである生成AIを活用することの良さや、活用する際に検討すべきこと等についてお話をいただきました。その後、2年生のデジタル・シティズンシップゼミとして活動している生徒4名がワークショップに参加しました。ワークショップでは、生徒が後日実施する中学生向けのデジタル・シティズンシップに関する授業の内容について、後藤先生に助言をいただきながら授業づくりを行いました。後藤先生からは、(1)授業の内容が一目見てわかるタイトルを付ける、(2)中学生に伝えたいこと、教えたいことは何かを焦点化する、(3)自分たちから答えを示すのではなく、中学生から考えを引き出すようにする、(4)一方的に話をする時間をいかに少なくするかを考える、といった助言をいただきました。
  • 講演に参加した生徒の感想(一部)
    • 社会はとても進化していて、その流れに流されるのではなく、いい使い方を自分で見つけることが大事だと分かった。
    • デジタルに関する授業では、危ない点や気を付けなければならない点など、マイナスなことについて聞くことが多いが、今回の授業はプラスの面も教えていただけたので、とても楽しく今後に生かせると思った。
  • ワークショップに参加した生徒の感想
    • 今までデジタル・シティズンシップのことについてばかり調べていたけど、他の事柄とは何が違うのかが講演では浮き彫りになり、より理解を深めることができた。デジタル機器は一概に悪いものとは言えずに、人と人を繋ぐものでもあるということ、うまく活用することで、人々の暮らしを豊かにしてくれることが分かった。
    • デジタル・シティズンシップについて調べて知っていたつもりになっていたけど、調べたこととは全然違っていて、そのことについて改めて知ることができて良かった。中学生に教える時に、あまり難しい言葉を使わずに分かりやすく教えることが大事だと分かった。
    • これからデジタル・シティズンシップなどについての中学生に向けた授業を考えていく中で、自分自身が分かっていなかったところも理解することができた。情報社会についての話は複雑なものになりがちなので、少しでも簡潔にまとめたり難しい言葉を使わないようにしたりして、伝え方を工夫したいと思った。その中で後藤先生のパワーポイントなどはすごく参考になった。
    • 中学生向けの授業で、分かりやすく説明するためのとてもいい材料にすることができた。

 安古市高等学校「デジタル・シティズンシップに係る授業実践」

安古市1安古市2

  • 日程
    令和5年12月8日(金)
  • 場所
    安古市高等学校
  • 対象
    安古市高等学校2年1組
  • 講師
    スマートニュースメディア研究所 研究員・メディアリテラシー担当 長澤江美氏
  • 内容
     授業では「その投稿、シェアする?SNSの情報発信をゲームで考えよう。」と題して、スマートニュースメディア研究所が開発したシミュレーションゲーム教材「To Share or Not to Share」を用いたSNSの模擬体験をしました。生徒は、その投稿がフェイクニュースかどうか投稿の発信者や内容から判断し、投稿をシェアするかどうか、またその理由を考えました。その後、「どうしてシェアしたのか。またどうしてシェアしなかったのか。」をグループでディスカッションし、グループ内で判断が異なることが分かりました。
     長澤氏から虚偽情報のほうが真実の情報よりも早く広く伝播することやフェイクニュースを見分けるヒント、また、アルゴリズムにより個々のユーザーにとって見たい情報が優先的に表示されるフィルターバブルについて教えていただきました。生徒は、投稿をシェアする前に立ち止まって考えるなど自分のSNSの使い方を見直すきっかけになりました。
  • 生徒の感想(一部)
    • 今回の授業で、インターネットにはたくさんのフェイクニュースがあり、それに騙されて拡散している人もたくさんいるということが分かった。自分には関係がないと思わずに自分事として考えて、これからもSNSを使用していきたい。
    • SNSを利用することはメリットもデメリットもたくさんあるということが分かって、ポジティブな面で使うようにしたいと思いました。SNSはアルゴリズムで動いていて、自分の好みのものだけ調べていると情報や認識に偏りが出てしまうというのが危険だと思いました。広い視点で情報を調べるようにしたいです。
    • SNSのいいところは情報がすぐに手に入り、すぐに拡散できることだけれど、すぐに情報を手に入れるということは情報源が確かかどうかわからないこともあるので情報を全てうのみにするのではなく、自分で調べるなどして、正確な情報を受け取るようにしていきたい。
Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)